カメ 概説

カメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/01 04:36 UTC 版)

概説

カメ目は、多様な爬虫類グループの中でも比較的早期の約2億1000万年前(中生代三畳紀後期)に出現し、甲羅を本格的に発達させたことで特徴づけられる一群で、現代まで継続して繁栄している。ヒトの出現、乱獲によって絶滅した種、あるいは危惧される種があるが、それでも、グループ全体としては水・陸の両域で多様性を維持している。

文化的側面で言えば、亀は、堅い守りの象徴である一方で鈍重を揶揄する語として使われる。また、歩みの遅さではなく着実さを肯定的に捉える場合には、実直さや勤勉さなどを褒めるための比喩となる。古来、中国やインドでは神獣として扱われ、中国文化の影響下にあった地域では吉兆とされる。

形態

甲羅四肢の繋がり

基本的な構造は、四肢動物の基本から大きく逸脱するものではない。ただし、その胴部がはっきりした甲羅を構成する点が最大の特徴となっている。これは、内部構造では脊椎骨、肩胛骨、肋骨、胸骨などが互いに密着して箱のような構造をなしている。また外側ではブロック状に並んだ板によって外見的な甲羅が形成されるが、これは二次的に退化したものもある。甲羅は腹面、背面、側面で閉鎖されており、前側の窓から頭部と前足、後ろ側の窓から後ろ足と尾が出る形になっている。このように四肢帯が肋骨に囲まれているのは脊椎動物ではこの類以外になく、現生爬虫類中でもっとも特殊化した形態である[3]

大きさ

亀の大きさはこのように背甲の直線距離で測る(甲長)

本目の構成種は甲羅に頸部や尾を収納する種が多いため、頭胴長(体長)や全長を測ることが難しい[4]。そのため背面の甲羅(背甲)の直線距離(背甲長、単に甲長とも)で大きさを表す[4]。現生の最大種はオサガメで最大甲長183センチメートル以上[5]。最小種はシモフリヒラセリクガメで最大甲長9.6センチメートル[6]

大型種としては、コガシラスッポン属(インドコガシラスッポンは甲長140cm)、アルダブラゾウガメ(甲長120cmで体重300kg)、現生最大のウミガメであるオサガメ(甲長約200cm、重さ900kg以上)などを挙げることができる。

過去の絶滅種には全長4mに及ぶウミガメであるアーケロンArchelon spp.。最大甲長1.9m。中生代白亜紀米国)や、最大甲長でそれを上回る淡水棲のヨコクビガメ類であるスチュペンデミス・ゲオグラフィクス(Stupendemys geographicus。全長約4m、最大甲長約2.35m、最小甲長約1.8m。新生代中新世トートニアンベネズエラ)などの大型種が存在した。有史以前にはリクガメ属[要検証]の仲間やメイオラニアなど、2.5mを超える種が世界中の比較的広い範囲に分布しており、南北アメリカやオーストラリア、アフリカなどに棲息していたことが知られている。

二次性徴

オスとメスの大きさは同じか、多くの種ではメスのほうが大型化する[要検証]。極端な例としてはカンムリガメが挙げられ、17.5cmにとどまるオスの最大甲長に対し、メスでは61cmに達する。

Neck retraction
潜頸類(Cryptodira)
曲頸類(Pleurodira)
潜頸類(←)と曲頸類(→)の骨格の動き

多くの種は頸椎を垂直または水平方向に曲げることで頭部を甲羅に収納できるが、頭部を甲羅に収納することができない種もいる[7]。 原始的カメであるプロガノケリス類をはじめとして最初期に棲息していたカメ類は、頭部を収納できず、で武装するという違う方向性での進化を見せていた。しかし、その後のカメ類の進化は頭部と四肢を甲羅に中に納める方向に向かった。

ここで、収納を実現するために曲頸類のカメがとった方法は、上下の甲羅の間に頸を横向きにして折り畳み、挟み込むように納める「曲頸(きょくけい)」である。しかし、曲頸では、収納に成功してはいても頭部と頸部の半分が露出しており、完全に保護できているわけではない。

一方、遅れて出現した潜頸類のカメがとった方法は、頸を垂直方向にS字形に湾曲させて文字どおり中に押し込めるように収納する「潜頸(せんけい)」である。世界中の棲息地で曲頸類は潜頸類に取って代わられていった。

海棲に進化したものは、海に適応するにしたがって頭部を収納する必要がなくなり、退化的進化を遂げたものである。進化については、「#進化」も参照。

オオアタマガメは潜頸類であるが、巨大な頭部を持つため、それを甲羅に納められない。また絶滅種であるメイオラニアも頭部を甲羅に納められなかった。

リクガメの頭部
ヒガシトゲスッポンの頭部
背甲(左図) 腹甲(右図)
  項甲板 1 間喉甲板
  椎甲板 2 喉甲板
  肋甲板 3 肩甲板
  縁甲板 4 胸甲板
  臀甲板 5 腹甲板
6 股甲板
7 肛甲板
8 腋下甲板
9 下縁甲板 (2x)
10 鼠蹊甲板
甲羅にはいった子ガメ(カロリナハコガメ)
リクガメ(イベラギリシャ)の甲羅
水棲ガメ(クサガメ)の甲羅

頭部

水棲カメのは横側についているものも多いが、陸上で暮らすカメの多くは、対象を見下ろせるように眼が前方についている[要検証]カミツキガメスッポンのような水棲カメの一部では、頭の上部付近についている。これらの種は、浅い水の中に眼と鼻孔を除く体全体を潜めて天敵から身を隠すことができる。ウミガメは、眼の近くに塩分を含む涙を作る涙腺を具えていて、飲んだ海水から得た体内の過剰の塩分を排出することができる。カメの網膜には、通常ほかの生物に見られるよりも多くの桿体細胞があるため、非常に夜目が利くと考えられている。また、近紫外線(UV A)から赤にわたる範囲に感度がある錐体を持っている。

草食性のリクガメの一部は、素早く動く餌を追跡して狩るための俊敏さが無いが、肉食性のカメは、頭部を素早く振ることができる。現生種では歯がなく、顎は角質の鞘(嘴)で覆われる[5][8]。この硬い(くちばし)を具えた顎を用いて餌を切断したり咀嚼したりする。餌を呑み込むためにカメは舌を用いるが、トカゲやヘビなどの他の多くの爬虫類に見られるように舌を突き出してペロリと食物を捉えることなどはできない。植物食の種では硬い植物を噛みきれるように嘴に鋸状の突起がある種や[5]、動物食の種では獲物を切断できるように嘴が薄く刃物状になった種もいる[8]。また嘴が幅広く、硬い食物を噛み砕くことができる分類群もいる[5][8]

甲羅

カメの形態上の最大の特徴は、甲羅を持つことである[8]。甲羅は脊椎肋骨と一体の甲板(骨甲板)と、からなる甲板(角質甲板)の2つの甲板で構成される[5][8][9]。腹甲の一部は鎖骨や肋骨が変形したとされる[5]。骨甲板と角質甲板の継ぎ目がずれており、強度をあげている。

カメの甲羅(骨甲板)は肋骨や背骨のみが変形してできたとする説と、肋骨や背骨が「皮骨」と融合してできたという説とがあった。しかし2013年、理化学研究所は、カメの胚の発生プロセスの組織学的な解析と三畳紀の化石の調査により、カメの骨甲板は肋骨だけが拡張・変形して進化してきたことを立証したと発表した。ワニやアルマジロなど他の脊椎動物の装甲は、真皮層で形成された皮骨という組織からなるが、カメの背甲の板状の骨は肋骨が作られたのち骨膜が拡張し、その骨膜内で形作られるもので、その形成は真皮より下の結合組織内で起きる[10]というものである。

角質甲板は以下のように多くのパーツから構成されている[5][8]。分類群によってこれらの有無や数が決まっているが、発生時の環境や外傷、疾病などにより奇形を生じることもある[8]

背甲(carapace)
背面にある甲羅。
項甲板(nuchal、precentral、または、cervical)
背甲の頭部側の先端にある左右の縁甲板をつなぐ甲板。これが無いカメもいるので、識別の重要なポイントになり得る。
椎甲板(vertebral、または、central)
脊椎の上部にある甲板。多くのカメでは5枚。前から第一椎甲板、第二椎甲板、…、第五椎甲板と呼ぶ。
肋甲板(pleural、costal、または、lateral)
背甲の肋骨(人間と違い、肩帯から腰帯まで覆う)上部にある甲板。椎甲板の左右に4対ある。
縁甲板(marginal)
背甲(背面だけでなく腹面も含めて)の外縁を覆う12対ある甲板[要検証]。ワニガメでは肋甲板との間に上縁甲板があり原始的な特徴とされる。分類群によっては最も後部にある臀甲板が癒合し1枚(臀甲板と呼称されることもあるが一般的でない)になる。
臀甲板(prostcentral、caudal、または、supracaudal)[要検証]
背甲の最も尾側にある縁甲板。第十二縁甲板は特別に甲板と呼ぶ。種類によって、左右1対か融合して1枚になっている。臀甲板が1つのことを「第十二縁甲板は融合している」、2つのことを「第十二縁甲板は分かれている」ということがあり、種の識別に役立つ。
ギリシャリクガメの第十二縁甲板は融合している
クサガメの第十二縁甲板は分かれている
上縁甲板(supramarginal)[要検証]
ワニガメには肋甲板と縁甲板の間に上縁甲板(supramarginal)がある。
腹甲(plastron)
腹面にある甲羅。いくつかの属や種では甲板の間に1、2つの蝶番状の構造があり可動することができる。
間喉甲板(intergular)
、ヨコクビガメ科、ヘビクビガメ科などの、喉甲板の上か間、肩甲板・胸甲板の間に存在することがある。
喉甲板(gular)
腹甲のうち、一番頭部に近い位置にある左右に1対の甲板。左右の喉甲板が癒合し1枚になった分類群もいる。種類により1枚の場合と2枚の場合がある。
肩甲板(humeral)
前足の付け根に近い位置にある左右に1対の甲板。
胸甲板(pectral)
前足の後ろの位置(胸)にある左右に1対の甲板。
腹甲板(abdominal)
股甲板(femoral)
肛甲板(anal)
腹甲のうち、一番尾に近い位置にある左右に1対の甲板。種によってはこの甲板の間にある切れ込みにより、雌雄を判別できる。
橋(きょう、bridge)
背甲と腹甲の間の部位。上記の胸甲板や腹甲板が外側へ張りだし、縁甲板と接している分類群が多い。
下縁甲板(inframarginal)[要検証]
縁甲板と胸甲板の間、橋の前肢の基部後方にある甲板
腋下甲板(axillary)
腋(わき)の下、前足の付け根の甲板。
鼠蹊甲板(ingunal)
縁甲板と腹甲板の間、橋の後肢の基部前方にある甲板。鼠蹊部、すなわち、後ろ足の付け根の甲板。

現生種では化石種と比較して甲板が薄く軽量化し[5]、甲板数も少ない傾向がある[8]。例外もあるが陸棲傾向の強い種では甲板が分厚く背甲がドーム状に盛り上がり、水棲傾向の強い種では水の抵抗を減らすため甲板が薄く背甲が扁平になる傾向がある[5][8]。一方で例外も存在し、陸棲種でもパンケーキガメのように非常に甲羅が扁平で、素早く岩の隙間等に潜り込む種もいる[5][8]。水棲種にもフロリダアカハラガメやマレーハコガメの亜種などのようにドーム状に盛りあがる背甲を持つ種もいて、これは同所的に分布するワニなどの捕食者に対する防衛手段(甲羅が分厚くなることで飲みこみにくくなる)と考えられている[5][8]。陸棲種では腹甲が大型(背甲よりも長いことが多い)になり、水棲種では腹甲が小型になる傾向がある[8]スッポン上科オサガメは軽量化のため角質甲板が無く骨甲板も退化しているが[5][8]、これは浮力により体重を支えることができ表面を甲板ではなく皮膚で被うことで水の抵抗を減らす効果があると考えられている[9]。複数の科において腹甲に蝶番状の機構がある分類群が存在し、これにより腹甲を折り曲げて可動することができる[5][8]。蝶番のある多くの分類群で1か所、ドロガメ属のみ2か所、セオレガメ属のみ背甲に蝶番がある[8]。蝶番により腹甲が可動する利点としては背甲と腹甲の隙間を減らすことによる外敵や乾燥からの防御、逆に背甲と腹甲の隙間を増やすことで大型の卵を産むことができる(幼体や栄養分の増加により死亡率を減らせる)などの効果があると考えられている[5][8]

なお、甲羅を持つがゆえに他の生物には見られない特徴が見られる。本来、肩帯は、肋骨が存在している場合は胸郭の肋骨より外側に付くのが普通である。しかし、カメでは発生時に肋骨が外側に広がり肩帯を取り込む[7]ため、四足動物では本目のみ肋骨(甲羅)の内側に肩帯がある[5][4][7]。また、関節は他の爬虫類とは逆に外側に曲がるようにできている。腰帯は他の四肢動物と同じく仙椎を介して体幹に繋がっているが、仙椎直前の胴胸椎肋骨と癒合した肋骨板が仙椎と癒合した上尾骨板とともに後方に伸長して甲羅後縁を形成するため、結果として甲羅の内側に位置する。また、かつて胴体を動かしていたと思われる筋肉は、甲羅により胴体を曲げたりしなくなったため退化したように見えるが、呼吸をするうえで(ふいご)のように働き、呼吸運動に必要な力を供給する隔膜として転用されている。ただし、隔膜は人間の横隔膜と違い、縦に付いている。カメは主に肺呼吸を行うが、肺は大型であるものの胴体が甲羅で覆われているため、胸筋や腹筋を使って肺を収縮・膨張させて呼吸することはできない[8]。そのため頭部や四肢を甲羅に入れることで肺を収縮させ、肺の中の空気を吐き出し、逆に頭部や四肢を甲羅から出すことで肺をふくらませ空気を吸いこむ[5][8]。水棲種では鼻や口、喉の粘膜、総排泄口にある粘液嚢、皮膚を使い、副次的ではあるが皮膚呼吸によるガス交換をおこなう種もいる[8]

また、カメの甲羅は、カリウムマグネシウムといった栄養素を貯蔵する役割も持つ[11]

皮膚と脱皮

前述のように、甲羅の外側の層は皮膚の一部からできていて、甲板は一枚一枚が鱗に相当する。甲羅以外の皮膚の残りの部分は、他の爬虫類のようなそれよりも小さい鱗から成る皮膚で構成される。

陸棲種では皮膚が大型の鱗で覆われ[4]、乾燥から身を守っている。水棲種では皮膚に大型の鱗がある種は少ない(陸上でも水中にも生息する種はこのかぎりではない)が、これにより皮膚呼吸が可能になり水中での活動時間を長くしている。

水棲カメはヘビのように全部を一度に脱皮することはせず、小さい部分ごとに行う。春から夏に脱皮することが多く、水中にいるときや、カメが木や石などに体がこすれて、皮の薄いシート(薄い樹脂フィルムのかけらのように見える)が剥がれる[12]。日の当たらない場所にいると剥けず、新陳代謝がうまく起こらないため成長せず、細菌が入って腐ってしまうため飼育している場合は剥いてあげる必要がある[12]。リクガメも脱皮を行うが、死んだ皮膚は山状に積層することがあり、それが甲羅の外側の部分を保護するのに役立つ。

歩行するリクガメ
水陸両棲のカメの四肢
アオウミガメの鰭状の四肢

一年でおよそどれだけの鱗甲ができるのかを知っていればカメの甲羅の積層によってできるリング模様を数えることで、およそのカメの年齢を見積もることができる[13]。ただし、カメの成長速度は一定ではない上に、鱗甲の一部はときどき剥落するので、この方法はあまり正確ではない。

四肢

リクガメは、短くて丈夫な足を持っている。リクガメは古来より歩みが遅いものとして認識されているが(#「動きの遅いもの」としての亀参照)、それは重くて邪魔になる甲羅があるため(甲羅を軽量化し素早く隙間にもぐりこむパンケーキガメといった例外もある)と、足が哺乳類のように体の下側にまっすぐ伸びているわけではなく、トカゲのように足が曲がってついているため、歩行運動の効率があまりよくないからである。

陸棲種では指趾が退化し[5]鉤爪が発達する。水棲種は逆に指趾が長く、その間に水かきが発達する[5][8]スッポンモドキウミガメ上科では指趾の境目が不明瞭で、四肢はひれやオール状になる[5]

ウミガメは前肢を上下運動させて推進力を得て、あたかも水中をはばたいて飛ぶように泳ぐ。後肢は推進には使われず、の役割を果たしている[5]孵化(ふか)したての幼カメが巣から海まで移動するとき以外の場合は、淡水棲カメと比較するとウミガメは地上での動作がとても制限されている。メスのウミガメは産卵のために再上陸しなければならないが、そのときはひれ状の四肢を用いて苦労して体を前に引きずって前進する。

水陸両棲のカメは通常、リクガメによく似た四肢を具えているが、多くの種がアヒルのように指趾の間に水かきをもつ。水陸両棲のカメは四肢をすべて使って犬掻きに近い方法で泳ぐ。右側の2本の足と左側の2本の足を交互に前後させる。ワニガメのように、湖沼や河川の底をただ歩くことを好む種も存在する。ヌマガメ科の一部では、オスのカメは、メスに比べて特に長い鉤爪を持っている傾向がある。これは、交尾をする際にメスをつかまえておくための特徴であると考えられている。スッポンモドキのように、鉤爪が比較的小さくなり、指と指の間がつながった完全な水かきを持つカメもいる。これらのカメは前述のウミガメと同じ泳ぎ方をする。

卵はウミガメ科、カミツキガメ科、スッポン科では球形、ドロガメ科やヌマガメ科では楕円形で、他科では種によって異なる[5]。主にウミガメ科は皮革状の柔らかい殻、主にドロガメ科、スッポン科、ヘビクビガメ科では鶏卵状の硬い殻で被われ、他科では種によって異なる[5]

生態

淡水域、海洋砂漠草原森林などの様々な環境に生息する[7]。緯度の高い地域に生息する種では氷の張った水面下での活動が観察されている種もいる。樹上棲種はいないが、オオアタマガメは四肢や尾を使い多少ながら木に登ることもある[7]。陸棲種のみで構成されるリクガメ科から、産卵を除いて上陸しない完全水生種(海棲種)のみで構成されるウミガメ上科もいる[8]。多くの種類が河川湖沼等の淡水域に生息する[要検証]。水からあまり離れずに生活するが、リクガメ科は終生陸上で生活する。水棲種も多くは呼吸をしないと生きていけず、水面に顔を出して息継ぎを行う。しかし、冬眠中の個体やハヤセガメのように総排出腔でガス交換を行うことにより空気呼吸を行わず、呼吸のために水面に上がらない種もいる。

食性は種によって異なり[7]魚類両生類爬虫類哺乳類昆虫、貝類、甲殻類、植物の葉、果実、キノコなどを食べる種が知られている。一部の食物を専食する種もいる。水棲種では口を開け舌弓を動かし喉を広げることで口内の水圧を低下させ、水ごと獲物を吸い込み捕える事が多い[5][8]

繁殖形態は卵生。主に陸上に産卵するが[5]、浅い水中に産卵(発生は水没していない状態で進む)する種もいる[8][14]を広範囲にわたって回遊するウミガメ類も産卵時は砂浜に上陸する。エミスムツアシガメは産卵巣の上に木の枝や落ち葉を塚状に積み上げ、母親が卵を保護する[5]

長寿記録

カメ類は細胞代謝のサイクルが遅く[要検証]、動物の中でも長寿の代表格とされる。 確実な長寿記録として1766年セーシェルからモーリシャスに持ち込まれ、1918年に死亡したアルダブラゾウガメマリオンのゾウガメ)の152年の飼育記録がある[5][9]。他種ではギリシャリクガメ(ティモシー)の1855年-2004年にかけて149年(1842年生まれの162歳だったとされるが根拠は不明)、カロリナハコガメの138年、ヨーロッパヌマガメの120年の記録がある[9]。 不確実な記録としては1835年にダーウィンに採集され2006年に死亡したサンタクルスゾウガメ(ハリエット)は175年の飼育記録があるが、ハリエットはダーウィンが上陸しなかった島に分布するサンタクルスゾウガメであることが判明したためダーウィンが採集した個体ではないとする説もある[9]。1750年生まれとされアリポーア動物園で2006年に死亡したアルダブラゾウガメ(アドワイチャ)の255年の記録があるが、飼育していたとされるロバート・クライブが最後にインドにいた1767年からアリポーア動物園が開園する1875年までの記録がないこと、1875年にセーシェルから持ち込まれた個体とする報道もあり不確実とされる[9]。1773年か1777年にジェームズ・クックがトンガの女王に送り1966年に死亡したホウシャガメトゥイ・マリリア)の189年-193年の記録があるが、ジェームズ・クックがホウシャガメの分布するマダガスカルに寄港歴がないこと、ジェームズ・クックおよびトンガの双方にもホウシャガメの譲渡に関して記録がないことから不確実な記録とされる[5][9]


注釈

  1. ^ Turtle Taxonomy Working Group (2021) におけるカミツキガメ上科 Chelydroidea はドロガメ上科 Kinosternoidea を含む。
  2. ^ 直説法能動態現在一人称単数、不定法能動態現在は torquēre

出典

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