カメ 呼称

カメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/01 04:36 UTC 版)

呼称

学名(ラテン語)

ラテン語では「カメ」を testūdō (テストゥードー)と言う[49]。これは陶製の容器testūや、煉瓦や土製の容器testaに由来する[49]。testūdōの複数形 testūdinēs (テストゥーディネース)が生物群としての「カメ類」の呼称、そして、和名の「カメ目」にあたる学名 Testudines ともなっている。

これとは別に、古典ギリシア語χελώνηに由来するchelysもカメを意味する[50]。この語は(亀の甲で作った)竪琴も指すためChelysはこと座を意味する[50]

漢字文化圏

漢字の原形を色濃くとどめる中国の字体(「新字形」の繁体字)。なお、画像は亀苓膏(亀ゼリー)などを食べさせる中国の店(武漢市。「#食用の亀」)。

古代中国文明影響下の東アジアにおいて、亀の甲羅は、儀式に則り火に炙ったときの割れ方で吉凶を占うものであった[51]

漢字の「亀」は、亀の体を横から見た形を描いた象形文字である[52]。詳しくはウィクショナリーの「」、および、その一節「字源」を参照。中国の繁体字(新字形)は現代のものでも、なお原形に近い(「他の言語」の「中文」、および、右の画像を参照)。頭と胴体、四肢と尾が揃っており、背中に甲羅を背負っている。地域などによって字形にかなり差異がある(繁体字#対照例示参照)。

現代中国語では陸棲、淡水棲のものを「烏亀」(烏龜 / 乌龟wūguī、ただしクサガメの別名としても使われる)[53]、海棲のものを「海亀」(海龜 / 海龟hǎiguī)という。陸生のもののうちスッポンについては「」( / biē)または「甲魚」(甲魚 / 甲鱼jiǎyú[53]などという。

日本での異称として「蔵六」と呼ばれる。四本の足と頭と尾の六つを甲羅の中に隠すところから。亀は長寿とされる縁起物なので人名にも使われる。

英語

英語圏ではウミガメ上科は turtle、リクガメ科は tortoiseと呼称され、淡水棲種を指す1語はなく freshwater turtle と呼称される[9][41]。一方でカメ目全体の総称としてはアメリカ合衆国では turtles、イギリスでは turtle & tortoise を用いることが多い[41]

アメリカ合衆国では陸棲種を terrestrial turtle と呼称することもあり、特にリクガメ科を除く陸棲種を指して用いられることもある[41]キスイガメの種小名 terapin および英名はアルゴンキン語族の「食用ガメ」を指す語句に由来する[41]。アメリカ合衆国ではキスイガメのみをterrapinと呼称するのが一般的で、クーターガメ属cooterアカミミガメ属sliderなどのように特定の分類群を指す単語を用いることが多い[7]

イギリスでは turtle はウミガメ上科のみを指すという動きが強く、統一がとれていないものの淡水棲種を terrapin と呼称することもある[41]。ただし、例えば "Fly River turtle" のように、北米やオーストラリアで広く知られている名称があれば、例外としてそれを用いる。

オーストラリアでは水棲種は turtle、リクガメ科は tortoise と呼称される[41]。オーストラリアにはリクガメ科などの陸棲種がいないため淡水性種も tortoise と呼称する動きも過去にあったが、一般的ではない[41]

べっこう(鼈甲)はウミガメ (sea turtle) の一種タイマイから作られるのに、tortoiseshell(直訳「リクガメの甲羅」)と呼ばれている。そのためタイマイ (hawksbill turtle) は tortoiseshell turtle とも呼ばれることがある。このように英語における tortoiseturtle の使い方は混乱している。

tortoise はラテン語 torqueō[注釈 2](「ねじる」「曲げる」の意[54])に由来する語根「tort-」から、足のねじくれた動物を意味する[55]。よって torsion「ねじれ」)や torturetorment(ともに「捻じ曲げる」、「拷問にかける」)と同系[55]turtle も語源は tortoise と同じである。

混乱を避けるためにカメ目すべてを表せる単語として chelonian を用いることが、英語圏の獣医師や科学者、自然保護論者を中心に支持されている[要出典]。chelonian は、古代ギリシア語で "tortoise" を表す χελώνηkhelōnē、ケローネー。現代ギリシャ語の χελώνα)から来ている。

ドイツ語

ドイツ語ではカメ類のことをSchildkröteと呼ぶ。 ドイツ語では複数の単語をつないで一単語を形成することが多いが、Schildは英語のshieldに相当する単語で、甲羅や背板を意味する。一方、Kröteにはヒキガエルの意味がある。

タイ語

タイ語ではเต่า(tao、タウ)といい、タイ文字の「」の名称「ต เต่า」(to tao、トータウ、意味は「亀のトー」)となっている。


注釈

  1. ^ Turtle Taxonomy Working Group (2021) におけるカミツキガメ上科 Chelydroidea はドロガメ上科 Kinosternoidea を含む。
  2. ^ 直説法能動態現在一人称単数、不定法能動態現在は torquēre

出典

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