カメルーン 経済

カメルーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/26 07:20 UTC 版)

経済

色と面積で示したカメルーンの輸出品目

総論

カメルーンの2013年GDPは約279億ドルであり[8]日本佐賀県とほぼ同じ経済規模である[9]

独立後四半世紀はカカオコーヒーバナナなどの農産物、次いで1970年代後半採掘が始まった原油など第一次産品の輸出によって、アフリカ諸国の中でももっとも経済的に成功していた。その後、1980年代後半から石油と農産物の価格が同時に下がり始め、経済運営にも成功しなかった。このため、10年間の長期不況に陥り、一人あたりのGDPが1986年から1994年までに60パーセント以上低下した。しかしながら、電力をほぼ水力でまかなえるようになったこと、石油増産に成功したこと、農地として適した地勢などの条件が重なり、2000年時点ではサハラ以南としては経済的に成功している。

産業

おもな輸出用の農産物は北部の綿花、南西部のコーヒーカカオであり、2015年にはカカオが総輸出の18.9%、綿花が4.1%を占めていた[10]。主食は南部ではプランテンバナナキャッサバ、北部ではトウモロコシソルガムなどであり[11]イモ、特にキャッサバやタロイモヤムイモの収穫量が多い。大部分の農業は簡単な道具による自給自足レベルで、余剰生産物が都市部の重要な食料となっている。農業人口は1990年時点の74パーセントから2000年時点の42パーセントまで減少し、第一次産品の加工を中心とする工業やサービス部門が成長している。

カメルーンにおける木材輸送の様子
木材は同国の主要な輸出品の1つとなっている

家畜放牧は北部で盛んであり、なかでも中北部のアダマワ高原で広く行われている[12]。漁業には5,000人ほどが従事し、年間2万トンの漁獲量がある。国土の37パーセントを占める南部熱帯雨林は木材の供給源だが、大部分の土地は入るのが困難である。木材伐採は外国企業により行われ、政府に毎年6,000万ドルの収入をもたらす。また、木材輸出もさかんにおこなわれ、2015年には第3位の輸出品として総輸出の11.2%を占めていた[13]。同国はアフリカ諸国の中で最も伐採率が高く、安全で持続可能な伐採を義務づけているが、林業への規制はもっとも緩いことからその殆どが認可されておらず[14] 、大半は違法で行われている問題が根強い[15]

カメルーン最大の輸出品は原油であり、2015年には総輸出の40.1%を占めている[16]石油以外の鉱業資源には恵まれておらず、わずかな量の石炭スズが見られるだけである。エネルギーの大部分は水力発電により、残りは石油である。

同国は現在、国土の大部分で電力不足となっており、農村部では電力供給は非常に低く約14%ほどしかない。産業活動はドゥアラに集中している。主要ラジオ・テレビ局は国営で、電信電話局もほとんど政府の管理下にあるが、最近インターネットが普及し、規制を受けないプロバイダーが増えている。

対外経済関係

カメルーンを含む旧フランス領中央アフリカ諸国で用いられている通貨CFAフランは、フランス・フランとの交換レートが固定されており、安定した経済運営の下地となった。一方、フランの為替レートに引きずられる弊害もあった。経済圏としては、フランス経済ブロックに組み込まれていたと言える。

カメルーンは、西アフリカ諸国経済共同体南部アフリカ開発共同体に挟まれた位置にあるが、いずれにも加盟していない。2国間経済援助ではフランスの出資がもっとも多い。一人あたりの援助受け取り額は30米ドル(1998年)であり、アフリカ諸国としては平均的である。

貿易相手国はフランス、ドイツ、日本の順である。対日貿易ではカメルーンの大幅な貿易赤字となっており、カメルーンからの輸出では木材が54%(2016年)、カカオ豆が34%を占め、この2品目で約88%に達する。輸入では化学繊維が4割を占め、次いで機械医薬品となっている[17]




  1. ^ 外務省ホームページ
  2. ^ a b c d IMF Data and Statistics 2009年4月27日閲覧([1]
  3. ^ a b c 『世界地理大百科事典2 アフリカ』 1998, p. 126.
  4. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/3194318?cx_part=search 「カメルーン大統領選、85歳ビヤ氏が7期目の再選」AFPBB 2018年10月23日 2019年12月22日閲覧
  5. ^ “カメルーン英語圏が「独立宣言」 治安部隊との衝突で7人死亡”. AFPBB News (フランス通信社). (2017年10月2日). http://www.afpbb.com/articles/-/3145161 2017年10月3日閲覧。 
  6. ^ フランス語: "Littoral"は「沿海」の意味。
  7. ^ a b c 世界各国要覧と最新統計 2016, p. 264.
  8. ^ IMF
  9. ^ 内閣府による県民経済計算 (PDF)
  10. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  11. ^ 「週刊朝日百科世界の地理103 ナイジェリア・カメルーン・中央アフリカ」p11-76,77 昭和60年10月13日発行 朝日新聞社
  12. ^ 「西部・中部アフリカ」(ベラン世界地理体系9)p200 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2017年1月15日初版第1刷
  13. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  14. ^ Satte Gewinne für den Schweizer Tropenholzhändler Fritz Jäggi
  15. ^ Fragen und Antworten zu Tropenholz
  16. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  17. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  18. ^ 世界の鉄道 2015, p. 341.
  19. ^ 『世界地理大百科事典2 アフリカ』 1998, p. 125.
  20. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  21. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  22. ^ カメルーン便り 在カメルーン日本国大使館
  23. ^ 「眼球など体の一部切除する連続殺人、2週間で18人犠牲 カメルーン」, CNN.co.jp
  24. ^ Hansel Ndumbe Eyoh, Albert Azeyeh, Nalova Lyonga. "Critical Perspectives on Cameroon Writing", 2013.
  25. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p264 二宮書店 平成30年1月10日発行
  26. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/world_school/07africa/infoC71000.html 「諸外国・地域の学校情報 カメルーン共和国」日本国外務省 平成29年11月 2019年12月22日閲覧
  27. ^ カメルーン(首都:ヤウンデ)の治安・テロ最新危険情報 KikiMap
  28. ^ カメルーン英語圏独立派、治安部隊員ら180人超殺害 政府が報告書 2018年6月21日 AFPBB News
  29. ^ 海外安全ホームページ テロ・誘拐情勢
  30. ^ Cameroon Is a Close U.S. Ally — and Its Soldiers Carried Out a Shocking Execution of Women and Children
  31. ^ Cameroon: A catalogue of human rights abuses, Amnesty International
  32. ^ 加藤恒彦; 北島義信; 山本伸 2000.
  33. ^ A・ノルトマン=ザイラー、松田忠徳 1978, pp. 90-91頁、96頁.
  34. ^ 片岡幸彦 1995, pp. 213-214.





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