カメルーン 交通

カメルーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/26 07:20 UTC 版)

交通

道路は1割のみが舗装されており、悪天候も重なり、国内輸送を困難にしている。また、各地で警官などによる旅行者への賄賂要求や強盗が発生しており問題とされている。鉄道は軌間1000㎜で、カムレール社によって運営されており、本線はドゥアラ港を起点に西の首都ヤウンデを通り、北部の玄関口であるンガウンデレまでの約950㎞を結んでいる。またドゥアラからは、北のクンバへの短い支線が存在する[18]。国際空港はドゥアラとヤウンデ、ガルアにあり、ドゥアラの規模がもっとも大きい。もっとも大きな港はドゥアラ港で、鉄道の通じる内陸部への物資の集散地となっている。このほか、海港としてはリンベやクリビも重要である。旧イギリス領カメルーンの港であったリンベは周囲に油田が存在し、石油産業の重要拠点となっている。ドゥアラから南へ約150キロのクリビ港はかつて木材の輸出港だったが、チャドのドバ油田からの原油パイプラインが伸びており、原油積出基地がある。また、ベヌエ川に面する北部のガルア港も重要な河港であるが、利用は増水期に限られている[19]

国際関係

日本との関係

  • 在留日本人数 - 92人(2016年10月現在)[20]
  • 在日カメルーン人数 - 521人(2016年)[21]

国民

東部地域のダンサー
女性を模した魔除けのお守り
このお守りは象牙で出来ており、現地の古来の文化や伝統工芸を窺い知ることが出来る

民族

住民は、南部と西部はバントゥー系ファン族バミレケ族英語版バカ・ピグミー、中部はバントゥー系のウテ族、北部はスーダン系のドゥル族フラニ族サヘルに居住)などに分かれる。民族集団は275以上に分かれている。

言語

カメルーンの言語圏分布図
  英語
  その他
※青はフランス語、赤は英語。南西部の2州が英語圏。
  周辺国(フランス語
  周辺国(英語
  周辺国(スペイン語とフランス語)

公用語フランス語英語であるが、両言語のバイリンガルの住民はきわめて少ない。最大都市ドゥアラ首都ヤウンデなどを含む、国民の大半が居住する旧フランス領地域で使用されるフランス語を公用語として使用するものが圧倒的に多く、この地域では英語の通用度は低い。一方、英語は旧イギリス領カメルーンの領域であった北西州南西州のみで使われ、現地ではカムトクドイツ語版英語版と呼ばれている。この地域でのフランス語の通用度は低く、独立運動も起こっている。旧ドイツ植民地であったことからドイツ語の学習者も多く、アフリカでもっともドイツ語話者が多い国とされる。

ほかに土着言語としてファン語フラニ語イエンバ語バサ語カヌリ語バムン語ドゥアラ語アゲム語などが話されている。

宗教

カメルーンの宗教は、キリスト教が人口の約40パーセント、イスラム教が約30パーセント、アフリカの伝統宗教英語版アニミズム)が約30パーセントである[22]。4万人のバハーイー教徒が国内にいる。そのほか、カメルーンガボン赤道ギニア沿岸部のバントゥー系民族グループのいくつかでは、呪物崇拝en:Okuyiが信仰されている。en:Okuyiの宗教チャントがベンガ語で歌われている。20世紀末、沿岸部のンドウェ人フランス語版en:Kombe people)がンビニ(Mbini、リオ・ムニ)に儀式を広めた。

宗教の儀式のために殺人や体の一部を切除する事件が発生しており、社会問題となっている[23]

婚姻

婚姻時、婚前の姓をそのまま用いることも、夫の姓に変更することも可能である[24]

教育

カメルーンの識字率は75.0%(2015年)である[25]。教育制度は小学校6年、中学校4年、高校3年、大学3年であり、義務教育は小学校6年間のみである。教授言語は旧フランス領地域ではフランス語、旧英領地域では英語である[26]

治安

同国は「歴史上、政治的安定を保っている」とされてきた国であるが、近年では殺人強盗および窃盗等の凶悪犯罪が日常的に発生しており、旅行などで現地に滞在する際には細心の注意を払う必要がある[27]

また、国境地帯においては襲撃事案や誘拐事案等が頻発している他に政府軍との衝突も続いていることから、隣国と同国の両政府が海外諸国に対し「渡航しないよう」呼び掛けている状態となっている。

現在、ボコ・ハラム等の勢力の強いテロ組織や英語圏分離派の過激な活動が相次いで続発[28]していることから日本政府外務省2018年4月に、北西州ならびに南西州の危険情報を引き上げている[29]が他国は既に、「さらに高いレベル」の注意喚起を発している。

人権

人権侵害が著しい面が目立ち、政府軍が非人道的な姿勢で接しているとして今も非難されている。 また、同国の兵士により目隠しされた女性子供処刑する様子を撮影したとされる映像のビデオが2018年に公開されたことから、さらに政府軍への非難が強まっている[30]

人権団体は、少数民族同性愛者政治活動家そして犯罪容疑者虐待したり拷問したりしたとして現地警察と同国軍を非難している。 2009年、デモ中に約100人の民間人が殺害されたことからアムネスティは同国の治安部隊による暴力についての懸念を報告した[31]




  1. ^ 外務省ホームページ
  2. ^ a b c d IMF Data and Statistics 2009年4月27日閲覧([1]
  3. ^ a b c 『世界地理大百科事典2 アフリカ』 1998, p. 126.
  4. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/3194318?cx_part=search 「カメルーン大統領選、85歳ビヤ氏が7期目の再選」AFPBB 2018年10月23日 2019年12月22日閲覧
  5. ^ “カメルーン英語圏が「独立宣言」 治安部隊との衝突で7人死亡”. AFPBB News (フランス通信社). (2017年10月2日). http://www.afpbb.com/articles/-/3145161 2017年10月3日閲覧。 
  6. ^ フランス語: "Littoral"は「沿海」の意味。
  7. ^ a b c 世界各国要覧と最新統計 2016, p. 264.
  8. ^ IMF
  9. ^ 内閣府による県民経済計算 (PDF)
  10. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  11. ^ 「週刊朝日百科世界の地理103 ナイジェリア・カメルーン・中央アフリカ」p11-76,77 昭和60年10月13日発行 朝日新聞社
  12. ^ 「西部・中部アフリカ」(ベラン世界地理体系9)p200 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2017年1月15日初版第1刷
  13. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  14. ^ Satte Gewinne für den Schweizer Tropenholzhändler Fritz Jäggi
  15. ^ Fragen und Antworten zu Tropenholz
  16. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  17. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p265 二宮書店 平成30年1月10日発行
  18. ^ 世界の鉄道 2015, p. 341.
  19. ^ 『世界地理大百科事典2 アフリカ』 1998, p. 125.
  20. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  21. ^ 外務省 ガボン基礎データ
  22. ^ カメルーン便り 在カメルーン日本国大使館
  23. ^ 「眼球など体の一部切除する連続殺人、2週間で18人犠牲 カメルーン」, CNN.co.jp
  24. ^ Hansel Ndumbe Eyoh, Albert Azeyeh, Nalova Lyonga. "Critical Perspectives on Cameroon Writing", 2013.
  25. ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p264 二宮書店 平成30年1月10日発行
  26. ^ https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/world_school/07africa/infoC71000.html 「諸外国・地域の学校情報 カメルーン共和国」日本国外務省 平成29年11月 2019年12月22日閲覧
  27. ^ カメルーン(首都:ヤウンデ)の治安・テロ最新危険情報 KikiMap
  28. ^ カメルーン英語圏独立派、治安部隊員ら180人超殺害 政府が報告書 2018年6月21日 AFPBB News
  29. ^ 海外安全ホームページ テロ・誘拐情勢
  30. ^ Cameroon Is a Close U.S. Ally — and Its Soldiers Carried Out a Shocking Execution of Women and Children
  31. ^ Cameroon: A catalogue of human rights abuses, Amnesty International
  32. ^ 加藤恒彦; 北島義信; 山本伸 2000.
  33. ^ A・ノルトマン=ザイラー、松田忠徳 1978, pp. 90-91頁、96頁.
  34. ^ 片岡幸彦 1995, pp. 213-214.





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