カジノ
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船上
長期航海を行う大型クルーズ客船には、カジノが設置されている場合が多い。一部の日本船籍の客船にも『カジノと称する施設』は設けられているが、船籍に基づき日本法が適用されることから、日本国内と同様に第5号営業として、チップを他の物に交換出来ない営業を行っている。
カジノが許可されている国家の船籍ならば、日本の領海外に出てから開始すれば合法である。2012年7月25日からハウステンボスの子会社「HTBクルーズ」が、長崎港と上海港間で運航するパナマ船籍の旅客船「オーシャンローズ」において、公海上を航行中にカジノ営業を行なった。しかし、日中関係の変化による集客低下から、10月9日の上海発便を最終便に休航した。
カジノで行われるゲーム
カジノでおこなわれるゲームはカジノゲームともよばれている。
コンプ
一般的にカジノでは、顧客(パトロンpatron)を囲い込む目的から、カジノで遊んだ金額や滞留時間に応じて、カジノでの飲食代や併設のホテルの宿泊費等を無料にする、もしくは割り引く、あるいはホテルの部屋のランクを無料でアップグレードするといったサービスを行っているところが多く、これを通称「コンプ」(complimentaryの略と言われる)と呼ぶ。豊富なカジノ資金を持つ客(ハイローラーHigh Roller)に対しては、来場に要する渡航費を全てカジノ側が負担するといったケースもある。また、入手が難しいホテル内のショーを予約なしで見られたり、VIP客専用の窓口により並ばずにチェックイン・チェックアウトや換金などの各種手続きができる、といったサービスもコンプに含まれる。
かつてコンプは、あらかじめ多額のゲーム資金をカジノホテルに預けたり、スロットマシンで高額のジャックポットを射止めた客などに与えられていたが、近年は、ラスベガスなどにおいては客のカジノへのロイヤルティ(loyalty)を上げるために、ポイントサービスによるコンプを提供するカジノが増えている。この場合、会員カードを提示させたり、スロットマシンではカードリーダーに挿入させることで、賭け金の累計やカジノに滞留していた時間など遊んだ履歴を記録し、これによって客を評価して、付与するコンプを半自動的に決定する。付与されるコンプは、ギャンブルでの勝ち負けは関係なく、あくまでいくら賭けて何時間遊んだかが評価される。また、評価のポイントとは別に、カジノホテル内で現金同様に利用できるポイントも付加され、客側はそのポイントの範囲内でコンプの内容を自分で選ぶことができる。
また、同様のサービスはオンラインカジノでも行われており、さまざまな形で「ボーナス」と呼ばれるチップを提供していることも多い。しかし、これらのボーナスチップは受け取り後、有効(使用可能な状態)にするため一定期間内に一定額の賭けを行わなくてはならなかったり、ボーナスチップを賭けには使用できるが引き出すことができない(プールに必ずボーナスチップが残るように引き出さなければならない)などの制約が多く、このような不自由を嫌うため、あえてボーナスを受け取らない客もいる。
カジノの記録
カジノを含む統合型リゾートなど賭博を行う施設以外の規模も含まれる。
面積
面積が広いカジノは世界的に見てアメリカに多く、世界一の面積を誇るカジノもアメリカにあったが、近年、マカオにその座を取られた(資本はアメリカの大手リゾート会社)。現に2006年のカジノ収益は、マカオがラスベガスを抜き、第一位になった。下記を参照。2 - 4位はアメリカで、フィリピンなど新規にカジノを作る際は、資本だけでなく運営ノウハウも提供している。
- 世界1位 - ベネチアンマカオリゾート(約51,000m2)
- 世界2位 - テキサスステーションカジノ(約25,000m2)
- 世界3位 - フォックスウッズ(約18,000m2)
- 世界4位 - MGMグランド(約16,000m2)
注釈
出典
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