カエル 生態

カエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 10:10 UTC 版)

生態

水辺で生活し、陸と水中の両方で生活する種類が多いが、ほとんど陸上だけを生活の主体にしているもの、樹上にまで進出しているものもある。完全に水中生活のものはそう多くない。

ほとんどが肉食性で、昆虫などを食べる。小型哺乳類まで食べる大型の種もある。陸上で採食するものは、舌を伸ばし、昆虫をそこにくっつけて口に引っ張り込む。口は非常に大きい。胃袋は広くて柔らかいため、異物などを飲み込んだときは胃袋を吐き出しそれを洗う行動をする[5]。胃袋は右寄りに飛び出し、右手からぬぐい出すためカエルは右利きであるとされる[5]

呼吸の大部分を皮膚呼吸に頼っていて、皮膚がある程度湿っていないと生きていけない。わずかに肺呼吸も行っている。その際は口を膨らませ、それによって得た空気を肺に送り込んでいる。つまり、空気を「飲み込む」ような格好になる。これは気嚢横隔膜といった呼吸機構を獲得しておらず、それら補助器官による自発呼吸ができないためである。ただし、Barbourula kalimantanensisは肺を持たず、皮膚呼吸のみで生きている。また、海水に入ると浸透圧により体から水分が出て死んでしまう。ただし、例外的に水から離れて生活したり、汽水域に棲む種類も知られる。

変温動物なので極端に暑い、寒い環境の際は土中などで休眠する。

多くの種で体外受精を行う[2]。多くの種は水中で産卵するが、陸上で産卵する種もいる[2]。水面や樹上に泡状の塊をつくり、その中に卵を産むものもいる[2]。卵数は、数個から数万個まで変異が大きい[2]。卵を保護する種や後述する直接発生する種では少卵傾向があり、水中に産んでそのままにする種では多卵傾向がある[2]。卵から孵化した幼生は、水中で自由遊泳する種が多い[6]。幼生期は数日の種もいれば、数年にわたる種もいる[2]。一方で卵の中で卵黄を吸収して成長し、自由遊泳する幼生期間を経ずに幼体が孵化する(直接発生)する種もいる[2][6]。さらに輸卵管の中で胚に栄養を与え、幼生や幼体を産む胎生種もいる[6]



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蛙は良く鳴くことで有名である。特に配偶行動に関わって大きな鳴き声を上げるものが多くあり、世界各地で古くから注目された。

日本では水田が多い地方などでは、夜にたくさんの蛙が一斉に鳴き出し、「蛙の大合唱」といって夏から秋の風物詩となっている。夜、家の外から静かに響いてくる蛙の鳴き声の美しさは、多くの俳句や歌に詠まれている。 日本語では、「ケロケロ」「ゲロゲロ」「クワックワッ」などと表記されることが多い。

鳴嚢を膨らませることによって鳴き、鳴嚢はのどの前にある種類と、両側の頬にある種類とがある。

求愛音(mating call)
繁殖期にオスがメスを呼び、産卵を促すための鳴き声。これまで求愛音とされてきた鳴き声には、実際にはメスに対してだけではなく、他のオスに対する縄張り宣言の意味も含まれていることが多いため、最近では求愛音と縄張り音を両方含んだ広告音という言葉が使われることが多い。
縄張り音(territorial call)
繁殖期にオスが他のオスに対し、縄張りを宣言する鳴き声。他のオスとの距離や行動によって縄張り音を複雑に変化させる種類もある。
広告音(advertisement call)
繁殖期にオスが他の個体に対し、自分の存在をアピールして、メスを引き付け、オスを排除するための鳴き声。春から夏にかけて田んぼでよく聞かれるカエルの合唱が、これにあたる。非常に近縁な種が、肉眼では見分けられないほど似通っていても、広告音が明確に違うこともある。
解除音(release call)
他のオスにメスと間違われて抱接されたオスが、間違った抱接を解除させるための鳴き声。繁殖期のヒキガエルのオスを背後から軽く握ると体を震わせながら解除音を発する。
警戒音(warning call)
敵が近づいたときに発する鳴き声。人影が近づき、一鳴きして逃げる時の声。
危険音(distress call)
敵に捕まったときに発する鳴き声。蛇に巻きつかれたり、人が強く握りしめると(握り潰してしまわないように注意)、大きなわめき声を上げる。
雨鳴き(rain call, shower call)
低気圧が近づいたり、雨が降っているときに発する鳴き声。アマガエルが有名。

注釈

  1. ^ 「蛙/蝦」は三春(初春・仲春・晩春・義春)・動物に、「雨蛙」「蟇/蟾蜍」「河鹿」は三夏・動物に分類される季語である[9]
  2. ^ ただし、大型のカエルは反対にこれら捕食者を捕食することもある。

出典

  1. ^ 日本爬虫両棲類学会 (2020) 日本産爬虫両生類標準和名リスト(2020年3月16日版). http://herpetology.jp/wamei/ (2020年4月27日閲覧).
  2. ^ a b c d e f g h i j Anthony Arak 「カエル類」松井正文訳『動物大百科 12 両生・爬虫類』深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編、平凡社1986年、42-63頁。
  3. ^ Skulls gone wild: How and why some frogs evolved extreme heads https://www.floridamuseum.ufl.edu/science/how-frogs-evolved-extreme-skulls/
  4. ^ Amphibiaweb”. 2014年12月12日閲覧。[出典無効]
  5. ^ a b フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。
  6. ^ a b c 倉本満 「すべてのオタマジャクシ期を経るわけではなく、繁殖様式は変化に富み多様である。」『動物たちの地球 両生類・爬虫類 3 トノサマガエル・モリアオガエルほか』第5巻 99号、朝日新聞社、1993年、66-67頁
  7. ^ 21世紀研究会 (2004, p. 235)
  8. ^ a b 嶋内博愛、松枝到(編)「カエルをめぐる象徴性:グリム童話集を起点に」『象徴図像研究:動物と象徴』 言叢社 2006 ISBN 4862090079 pp.147-168.
  9. ^ 齋藤 & 阿久根 (1997)
  10. ^ 歌舞伎用語案内 照明と音響”. 松竹、国立国会図書館、歌舞伎. 2020年1月2日閲覧。
  11. ^ 身近な音具たち かえる”. 京都教育大学. 2020年1月2日閲覧。
  12. ^ 『図解アイヌ』 角田陽一 新紀元社 2018年 p92
  13. ^ JICA (2011, p. 16f)
  14. ^ “<カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性も”. 毎日jp (毎日新聞). (2007年1月12日). オリジナルの2007年1月15日時点におけるアーカイブ。. http://wayback.archive.org/web/20070115085859/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000044-mai-soci 2013年1月10日閲覧。 
  15. ^ 東 (2002)




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