オオルリ オオルリの概要

オオルリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 03:57 UTC 版)

オオルリ
オオルリのオス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: ヒタキ科 Muscicapidae
: オオルリ属 Cyanoptila
: オオルリ C. cyanomelana
学名
Cyanoptila cyanomelana
(Temminck, 1829)[2]
和名
オオルリ
英名
Blue-and-White Flycatcher[2]

日本へは夏鳥として渡来・繁殖し、季は東南アジアで越冬する。高い木の上で朗らかにさえずる。姿も囀りも美しい。

形態

全長が約16 cm[3][4][5]翼開長が約27 cm[4][6]の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。 また、雄が美しい色彩になるには2 - 3年を要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。雌はキビタキの雌やコサメビタキなどに似ている[5][6]

コルリルリビタキなど共に、「青い鳥」御三家の一つである[4]

鳴き声

地鳴きはクッ、クッ。さえずりは、美しい声でゆっくりとピリーリー、ポィヒーリー、ピールリ、ピールリ、ジィ、ジィと鳴く。雌もさえずることがある[4]

日本三鳴鳥のひとつである(他はウグイスコマドリ[3][4]

分布

旧北区中国東北部ウスリー朝鮮半島日本で繁殖し、インドシナ半島から大スンダ列島フィリピンなどに渡って越冬する。

日本には夏鳥として4月下旬ごろに渡来し、南西諸島を除く北海道から九州までの全国各地で繁殖する。10月ごろまで見られる。

生態

低山帯から亜高山帯にかけての山地や丘陵に生息し、とくに渓流沿いのよく茂った森林に多く、飛翔している昆虫を捕食する。クモ類なども捕食する[3]。渓流沿いの岩壁や土壁のくぼみなどにコケを用いてをつくる[4]なわばりを持ち、の中ののほとりや、牧場と林の境などでも見られる。繁殖期に雄は木の梢で豊富な声量でさえずる[5]渡りの時期には市街地公園でも観察される。


  1. ^ a b BirdLife International (2017). “Cyanoptila cyanomelana”. IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T103758039A111161222. doi:10.2305/IUCN.UK.2017-1.RLTS.T103758039A111161222.en. https://www.iucnredlist.org/species/103758039/111161222 2023年9月27日閲覧。. 
  2. ^ a b Cyanoptila cyanomelana (Temminck, 1829)” (英語). ITIS. 2012年10月20日閲覧。
  3. ^ a b c 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、512-513頁
  4. ^ a b c d e f ひと目でわかる野鳥 (2010)、187頁
  5. ^ a b c 野山の鳥 (2000)、100-101頁
  6. ^ a b 絵解きで野鳥が識別できる本 (2000)、152-155頁
  7. ^ 日本のレッドデータ検索システム「オオルリ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年10月20日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  8. ^ a b 山階鳥類研究所 (2009年3月). “オオルリ識別マニュアル” (PDF). 環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室. 2012年10月20日閲覧。
  9. ^ 千葉県レッドデータブック動物編(2011年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 91 (2011年). 2012年10月20日閲覧。
  10. ^ 大阪府レッドデータブック・オオルリ”. 大阪府 (2000年3月). 2012年10月20日閲覧。
  11. ^ レッドデータブックやまぐち・オオルリ”. 山口県 (2002年). 2012年10月20日閲覧。
  12. ^ 福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・オオルリ”. 福岡県 (2011年). 2012年10月20日閲覧。
  13. ^ 埼玉県レッドデータブック2008動物編” (PDF). 埼玉県. pp. 103 (2008年). 2012年10月20日閲覧。
  14. ^ 岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 88 (2009年). 2012年10月15日閲覧。
  15. ^ とちぎのシンボル”. 栃木県. 2012年10月20日閲覧。 - 「ルリちゃん」はオオルリをモチーフにした栃木県民の日のマスコットキャラクターである。


「オオルリ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オオルリ」の関連用語

オオルリのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オオルリのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオオルリ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS