オイルショック その後のオイルショック

オイルショック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 08:28 UTC 版)

その後のオイルショック

ミニオイルショック

1990年イラククウェートに侵攻したことで経済制裁(国連決議661)を受け、イラクおよびイラク占領下のクウェート英語版からの原油輸出が停止した。これにより原油価格が高騰したが、長続きはせず、1991年湾岸戦争により紛争が一応の終結を見ると、速やかに以前の価格に戻った。

この原油価格高騰を、ミニオイルショックと呼ぶことがあり[17]第3次オイルショック(第3次石油危機)と呼ぶこともある[18]

資源バブルによるオイルショック

「第3次石油危機」前後(1987年5月~2011年11月)の原油価格の推移
  実質物価変動補正)
  名目(当時の金額)

日本への影響はあまりなかったものの、2004年頃から2008年秋頃にかけ(ピークは2008年)、目立った供給減少を伴わない原油価格高騰が世界的に続いた(資源バブル[19]。 [[2007年]秋から顕著になり、2008年2月にはニューヨークの商業取引所の原油先物市場で100米ドル/バレルを突破。

ピーク時の価格は、第1次・第2次石油危機のピークに比し、名目で3倍を超え、実質でも上回っていた。ただし、第1次・第2次に比べ、価格の上昇速度は緩やかだった。

高騰の原因は、

  1. 中国インドなどBRICsと呼ばれる新興国の経済発展による原油需要の増加
  2. 地政学的リスクを背景にした原油先物市場における思惑買い
  3. 産油国の生産能力の停滞
  4. 先物取引による投機資金の流入

が挙げられるが、その中で最も大きな理由と指摘されているのは、余剰マネーとしての投機的資金が原油の「現物」や「先物」を買い占めていることである[要出典]。 世界の金融市場から見ると原油の市場規模は相対的に小さいものであるが、そこに2007年9月から住宅サブプライムローン問題に端を発した米国の不景気から投機的資金が原油市場に流れ込み、「先物」としての原油価格が急騰した。

当時、原油先物相場が史上最高値を更新し続けていたことなどによる原油価格高騰を受け、石油が関係している製品の値上げが相次ぎ、航空機では燃油サーチャージの導入で、さらなる原油価格高騰および値上げ幅の上昇を招いた。

その後、サブプライム問題が世界的な景気の後退を引き起こし、余剰マネー自体が乏しくなり、2008年9月下旬頃より僅か2カ月で、原油価格は半分程度まで大きく落ち込んだ。しかし暫くすると、原油価格は再びゆるやかに回復、2008年のピークには及ばないものの、高値が続いた。物価連動では金融危機後のピークの方が高値だったとする計算もある[20]

高値は2014年の暴落(逆オイルショック)まで続き、2015年の底値のあと少し回復したが、ピーク時の半値程度の60ドル前後にとどまっている。この(比較的)低値が維持されている要因は、50ドルを超えるとアメリカの休止海底油田が再開することと、新技術であるシェール革命が大きい。


  1. ^ a b Morris Miller, Resolving the Global Debt Crisis 国連 1989年 p.50.
  2. ^ a b c d e f OECD, Financial Statistics, 1979, 13, Tome 1, pp.802-810; Financial Statistics Monthly, Dec. 1982, pp.8-9, 13-14.
  3. ^ a b 田中秀臣 『経済政策に歴史を学ぶ』 ソフトバンク クリエイティブ〈ソフトバンク新書〉、2006年、190頁。
  4. ^ 原田泰 『コンパクト日本経済論(コンパクト経済学ライブラリ)』 新世社、2009年、30頁。
  5. ^ 著者・タイトル不明 配布元は内閣府経済社会総合研究所 2つのコクサイ化 p.73.
  6. ^ 日本政策投資銀行 金融自由化とコーポレート・ガバナンス 社債発行によって銀行の機能は低下したか 2008年9月 p.5. p.29.
  7. ^ 逆に日本鉄道建設公団が全国各地に建設していたAB線と呼ばれる地方ローカル線の建設については第一次オイルショックの時点では中止されず、そのまま工事が続行されていた。
  8. ^ 本四高速の料金等について 国土交通省 2011年(平成23年)12月20日
  9. ^ 石けん基礎知識 石鹸洗剤の基礎(2) 日本石鹸洗剤工業会
  10. ^ 最終クール「恐怖の円盤生物シリーズ!」は、円盤生物の奇襲による防衛チームの全滅の他、怪獣との対戦を可能な限り、プロップの操演で表現しようという苦肉の策でもあった。着ぐるみが存在する円盤生物でも、ノーバ星人ブニョなどは簡素な造形で、演出でインパクトを出そうという苦心が見受けられる。
  11. ^ 川島博之日本人がこれほど「食料自給率」に怯える理由 日本農業、再構築への道<1>JBpress2010年10月13日2016年2月10日閲覧
  12. ^ a b c d 生命保険協会百年史”. 一般社団法人生命保険協会. 2020年10月29日閲覧。
  13. ^ 伊藤修 『日本の経済-歴史・現状・論点』 中央公論新社〈中公新書〉、2007年、108頁。
  14. ^ 大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、53頁。
  15. ^ 田中秀臣 『ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝』 講談社〈講談社BIZ〉、2006年、179-180頁。
  16. ^ 田中秀臣 『ベン・バーナンキ 世界経済の新皇帝』 講談社〈講談社BIZ〉、2006年、180頁。
  17. ^ The Gulf War and the Price of Oil:Prospects for the Medium Term Looney, R.E. (1992)
  18. ^ 国際政治と第4次石油危機の可能性― エネルギー資源確保をめぐる地政学・地経済的変動の一考察 ―古田雅雄 『社会科学雑誌』第8巻(2013年12月)
  19. ^ NHK クローズアップ現代 2008年6月25日[リンク切れ](アーカイブ)
  20. ^ 150年以上にわたる原油価格の推移をグラフ化してみる(最新)


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