エドワード・ヴァン・ヘイレン 使用機材

エドワード・ヴァン・ヘイレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/06 08:08 UTC 版)

使用機材

フランケンストラト

デビュー当時、ウェイン・シャーベルが経営するギターショップでブギーボディ製のフェンダーライセンスのストラトキャスターの未塗装のボディとネックを購入し、ギブソン社のES-335PAFセイモア・ダンカンのピックアップとフロイド・ローズのトレモロ・ユニットを装着し自ら塗装や組み立てを行ったギター、"フランケンシュタイン"を使用していた。(現在に至るスーパーストラトギターの普及の契機としてこのギターの存在を挙げる声も有る)その後も塗装を改められる等の幾多の改造が行われたが、1980年代にはクレイマーと契約を交わし、自身が作ったギターを基にしたシグネチャーモデルを使用した。

80年代後期にはスタインバーガーのヘッドレスギターも使用していた(一時はシグネチャーモデルを発売する計画もあったが、同社のGibsonへの売却等の諸事情があり、実現しなかった)。エディはスタインバーガーのトランストレムを高く評価しており、後のピーヴィーのギター等にも取り付けている。"Get Up"のイントロ等でトランストレムの「和音の平行移動」を活用したフレーズを聴く事ができる。

1990年代にはアーニーボールミュージックマンと契約し、自ら開発に携わったギターを10年ほど愛用した。このギターは松本孝弘高見沢俊彦など彼以外の多くのギタリストにも愛用された。契約終了後は"AXIS(アクシス)"という名前に変更された。ちなみにこのギターから「Dチューナー」が搭載されるようになった。ギターのボディ部の6弦の接続金具の部分に突起物が付いており、これを手前に突き出すことで6弦の音程を瞬時に標準のEから1音下のDに下げることが出来るというものである。この機能は以後の「フランケンシュタイン」モデルにも継承されている。継承されてからの正式名称は「EVH-d-tuna」である。その後1996年からはWolfgang(ウルフギャング)という自分の息子の名前を冠した新たなギターをピーヴィーと製作し使用を開始。また、ピーヴィーとはシグネチャー・ギターアンプ(5150)でも契約を交わしており、その組み合わせがしばらく彼の標準的な使用機材となった。

2004年にピーヴィーとの契約が切れた後はフェンダー傘下のシャーベルと契約を結んだが、フェンダーがエディと共に設立したブランドである"EVHギターズ"のギター及びアンプを使用している。ギター及びアンプはEVHギターズとピーヴィーの協定により、基本部分は同じ回路と部品を使用し、ピーヴィー側がギターを「HP2」[9]、アンプを「6505」と名前を変更したことで現在も販売されている。EVHギターズからは"フランケンシュタイン"を傷や汚れは言うに及ばず、ボディにネジ止めされたコイン等に至るまで精密に再現したギターを300本限定で製造販売しているほか、ピックアップなどのパーツ単体の販売も行っている。

EVHギターズでは"フランケンシュタイン"と合わせて、デビュー時のギターに施された白地に黒の交差線模様を"フランク"と称し、続くアルバム『伝説の爆撃機』以降で使われた黒地に黄色の模様を"フランキー"として、エディ自らが塗装したギターの販売も行っていた。これら"フランク"、"フランキー"、"フランケンシュタイン"の模様について、アメリカでは商標登録が行われている。

エディの初期作品にはエフェクターのフェイザーが多用された。エディはMXRのPhase90を愛用していたが、後にMXRから本人監修のシグネイチャーモデルが多数販売されている。上記のギターの模様を採用した外観が特徴で、本人が改造、使用した当時の機材を再現したモデルなどがラインナップされている。


  1. ^ a b c d Prato, Greg. Eddie Van Halen | Biography & History - オールミュージック. 2020年12月26日閲覧。
  2. ^ a b 舌がん、喉頭がん、肺がん…エディ・ヴァン・ヘイレンさん 病魔との〝10年戦争〟 - 東スポWeb 2020年10月6日
  3. ^ https://twitter.com/WolfVanHalen/status/1313561314598350848 (@WolfVanHalen) - Twitter
  4. ^ エディ・ヴァン・ヘイレンさん死去 がん闘病の末”. www.afpbb.com. 2020年10月6日閲覧。
  5. ^ 追悼エディ・ヴァン・ヘイレン、未公開インタビュー「俺に影響を与えたのはクラプトンだけ」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)”. Rolling Stone Japan (2020年10月7日). 2020年10月7日閲覧。
  6. ^ 「Player」誌 1991年
  7. ^ YOUNG GUITAR誌 1998年3月号など
  8. ^ 追悼エディ・ヴァン・ヘイレン、未公開インタビュー「俺に影響を与えたのはクラプトンだけ」 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)”. Rolling Stone Japan (2020年10月7日). 2020年10月7日閲覧。
  9. ^ なお、HP2のフロイドローズトレモロユニットからはDチューナーは外されている。
  10. ^ 月刊サウンド・デザイナー(有限会社サウンド・デザイナー)2007年4月号 12p
  11. ^ Eddie Van Halen deconstructs his collaboration on 'Beat It' - CNN 2012年11月30日






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