エッチング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/31 04:03 UTC 版)
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エッチング(英: Etching)または食刻(しょっこく)とは、化学薬品などの腐食作用を利用した塑形ないし表面加工の技法。使用する素材表面の必要部分にのみ(防錆)レジスト処理を施し、腐食剤によって不要部分を溶解侵食・食刻することで目的形状のものを得る。
銅版による版画・印刷技法として発展してきた歴史が長いため、銅や亜鉛などの金属加工に用いられることが多いが、腐食性のあるものであれば様々な素材の塑形・表面加工に応用可能である。
金属の試験片をナイタール(エタノールと硝酸の混合液)などの腐食液によって表面を腐食することで、金属組織の観察や検査などに用いられている。
フォトエッチング
光硬化樹脂にパターンを露光する事でマスキングする。現在、大半のマスキングに用いられる。
版画・印刷
まず1500年ころにアウクスブルクのダニエル・ホッファー[1]が鉄版による版画を制作したのが始まりと言われる。そして、1520年ころに銅版によるエッチングを最初に制作を始めたのがネーデルラントのルーカス・ファン・レイデンであるといわれる。16世紀には全ヨーロッパに広まった。後に1783年に日本で初めて司馬江漢がエッチングの作品を制作した。タンポ等で防食処理を施した銅板の表面を針(ニードル)で削り、その後腐食させることで凹版を得るのに使用する。腐食作用を通じて間接的に版を加工するので、凹版画技法のなかではさらに、間接法に分類される。直接銅板に線を彫っていく直接法よりも線を意のままに描きやすい。詳しくは版画を参照。
エッチング作家
電子回路
プリント基板(Printed Circuit Board)の作成に用いられる[2]。近年は細密化多層化している。銅箔のエッチング時の化学反応は以下のとおりである。
塩化鉄(III)の3価の鉄イオンが銅に電子を与えられて2価になり、銅は最終的に銅(II)イオンになる。塩化鉄(III)は塩化鉄(II)になる。