エクリプス (競走馬) Eclipse first, the rest nowhere.

エクリプス (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/07 16:44 UTC 版)

Eclipse first, the rest nowhere.

エクリプスを紹介する際に使われる有名な語句。デビュー戦でエクリプスが第1ヒートを圧勝した後に、オケリーが第2ヒートの全馬の着順を賭けてもいいと宣言した際に発言した[24]

意味は「エクリプス1着、2着馬はなし。Eclipse first, the rest nowhere.」。

当時のヒート戦のルールでは、1着馬から240ヤード以上離された場合には入着を認められないため、エクリプスが他馬を240ヤード以上離して勝つ、と予想したものである。結果、エクリプスが圧勝し、残りの馬は240ヤード以上遅れてゴールのため失格、オケリーの予想が的中した。この言葉はのちに有名になり「圧倒する」という意の慣用句として主にイギリスで使用された(Eclipse自体はラテン語源eclipsim(日蝕や月蝕などの「蝕」)であり、動詞(受身)で使用されるさい「他のものを陰らせる」「凌駕する」の意になる)。英和辞典にも「唯一抜きん出て並ぶ者なし」の訳で掲載されたことがある(『新英和大辞典』研究社より引用)[24][25]

この語は、日本では長い間「エクリプス1着、ほかはまだ見えない」というような誤訳で紹介されてきた[26]。このセリフを直訳すると「エクリプスが1着だが、あとの馬はどこにもいない[27]」となる。240ヤード離されると失格というルールによって、この直訳のとおりになるのだが、この語が日本に紹介された頃はヒート戦のルールまではよく知られていなかったので、「nowhere」というのは「見えないぐらい遠くにいる」ということを比喩的に表したものだろうと解釈された(現実問題として1ハロンの距離ならば高低差がない限りふつうに目視できる。)。こうした解釈が孫引きされて日本で紹介された結果、「1着エクリプス、ほかはまだ見えない」という表現が広まったのである[28][25]


  1. ^ 当時はイングランドのランニングホース等と呼ばれていた
  2. ^ 当時は騎手調教師厩務員の区別は明瞭ではなく、騎手ジョン・オークリー、馬主ウィリアム・ワイルドマンらが調教を付けていた。『新・世界の名馬』はサリヴァンとしている
  3. ^ 当時のイギリスでは5月1日に一律年をとる
  4. ^ この時の日食は金環食である。皆既日食が起こったというのは正確ではない。他にこの年イギリスで日食は起こっていないとする説もあるが、こちらは完全に誤りである
  5. ^ ジェネラルスタッドブック(血統書)創刊が1791年レーシングカレンダー(成績書)が1773年
  6. ^ オケリーが賭け相手を集めるため意図的に流したとの説もある。「揺籃期のイギリス競馬」「新・世界の名馬」等による
  7. ^ 「新・世界の名馬」p.19による
  8. ^ ヒートを1つの競走と見るか、複数の競走と見るか。レーシングカレンダーに載っていない競走を含めるかどうかによって変わってくる。ここではイギリスの公式の競馬成績書に基づいて18戦としたが、bloodlinesは20戦とし最後の競走もNottinghamのキングズプレートとしている。また、「伝説の名馬 I」も別の組み合わせで20戦20勝としている
  9. ^ 「新・世界の名馬」による
  10. ^ 死亡日については27,28日と記述する資料もある。ここではThoroughbred Heritage、英語版Wikipediaを参考に26日としたが、「新・世界の名馬」「サラブレッド世界百名馬」「世界名馬ファイル」は27日、「伝説の名馬 I」及びThe book of Daysは28日としている
  11. ^ [1]、「新・世界の名馬」等による。「サラブレッドの生産及び英国競馬小史」等は逆に初年度が25ギニー、後50ギニーとしている
  12. ^ [2]による
  13. ^ 世界名馬ファイル p.17
  14. ^ 種付け料が3ギニーから100ギニーにまで上昇した
  15. ^ 「揺籃期のイギリス競馬」による
  16. ^ 「揺籃期のイギリス競馬」等による
  17. ^ BBC - DNA study of 'greatest racehorse'
  18. ^ BBC - 'Averageness' key to great racehorses
  19. ^ [3], [4]等による。他に80%や90%とする説もある
  20. ^ セントサイモンにおけるEclipse血量は約14%、Herodは19%強
  21. ^ 三大始祖が成立したのはエクリプスやハイフライヤーの産駒が走っていた時代であり、1785年にダービーを制したエイムウェルオルコックアラビアン系)にしても母の父にヘロドを持っていた
  22. ^ 「揺籃期のイギリス競馬」、Thoroughbred Heritage - Highflyer等による
  23. ^ a b c Todd ET, Ho SYW, Thomson PC, Ang RA, Velie BD, Hamilton N2. (2018). “Founder-specific inbreeding depression affects racing performance in Thoroughbred horses.”. Scientific Reports 8 (1): 6167. 
  24. ^ a b 『新・世界の名馬』原田俊治・著、サラブレッド血統センター・刊、1993,p13-27,エクリプス
  25. ^ a b 『英国競馬事典』p105-106「距離」
  26. ^ 『競馬百科』日本中央競馬会・編、みんと・刊、1976,p184
  27. ^ 『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』デニス・クレイグ著、マイルズ・ネーピア改訂、佐藤正人訳、中央競馬ピーアールセンター刊、1986,p70
  28. ^ 『アーバンダート百科』山野浩一・著,国書刊行会・刊,2003,p97





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