ウミウシ ウミウシの概要

ウミウシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/19 17:46 UTC 版)

ウミウシ
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
上目 : 異鰓上目 Heterobranchia
階級なし : (ウミウシ)
英名
sea slug, nudibranch

後鰓類は、軟体動物門腹足綱巻貝の仲間)に属し、以前は後鰓亜綱とされていた。近年は、希に後鰓目とすることがあるが、正式な分類群としては認めないことが多い。後鰓目を置く場合、以前の目は繰り下がって亜目となる。このような不統一があるため、以下では原則として、分類群は単に類とする。

ウミウシの範囲

ウミウシという呼び名は、たとえばカエル = 両生綱無尾目」といったように生物学的な分類群と一対一で対応したものではない。使う人の風土や習慣、知識的背景によって異なものを指す言葉である。また、後鰓目の分類自体がいまだ流動的である。これらの理由により、ウミウシを分類学的に簡潔に説明するのは難しく、しばしば、用法の不一致による混乱を生じる。

裸鰓類(裸鰓亜目あるいは裸鰓目)が典型的なウミウシとされることが多く、ウミウシとは裸鰓類のことであるとされることもある。しかし、裸鰓類以外の後鰓類にも、和名にウミウシを含む種は多く、和名にカイ(貝)を含む種にも、貝殻が極めて小さくウミウシに含められる種が少なくない。

ただし、貝殻の退化した後鰓類であっても、翼のような鰭で遊泳するハダカカメガイ(クリオネ)などの裸殻翼足類や、アメフラシの仲間である無楯類がウミウシであるかといった質問に対しては、各個人の背景によって正否両方の答えがあり得る。裸殻翼足類はウミウシに含めないことが多いが、無楯類については色々で、地域によっては明確に含めることもある。

かつては空気呼吸を行う貝殻の退化した腹足類であるイソアワモチをウミウシの一種としていたこともあったが、いまでは収眼目とされている。

下記するように、とても鮮やかで派手な種が多いため観賞生物として人気がある。これは同じく貝殻の消失した腹足類であるが、嫌悪の対象とされるナメクジとは対照的である。

Nembrotha chamberlaini

名称

裸鰓類のドーリス類が、ウシの角の様な一対の触角を頭部にもつことからウミウシという呼び名がついた[1]。また、小笠原諸島では、触角の形状をネコの耳に見立てて、ウミネコと呼ぶことがある[要出典]

なお、「海牛」と漢字で書かれた場合は「かいぎゅう」と読み、ジュゴンマナティーなど海牛目の海棲哺乳類を指すのが普通である。

形態

主に浅い海の海底に生息し、世界中に分布している。体長は数mmから20-30cm程度。形態は種によって変異に富み、色も青、赤、緑、黄色、ピンクなど、鮮やかな原色系の体色を持つものから地味なものまで様々である。種によって触角は2対から1対で分岐するものや全く欠くものもいる。基本的には貝殻を持たないが、痕跡的な貝殻を持つものもいる。詳細は後鰓亜綱の各綱を参照。


  1. ^ a b c d フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。 
  2. ^ 『海の紳士録』p51-52 昭和37年朝日新聞社編


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