ウコン 副作用

ウコン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/15 06:25 UTC 版)

副作用

危険性情報としては、摂取量、摂取期間、また、摂取した対象者は不明であるが、薬剤性肝障害22例のうちウコンによるものが11例ある等が述べられている。また日本肝臓学会の診断基準を満たした薬剤性肝障害症例(14施設 84症例)のうち、ウコンによる薬剤性肝障害は25%を占めたとされた。なお医療機関で処方される医薬品漢方薬の中には、ウコンを含有するものは存在しない[9]。クルクミン大量摂取による肝臓の脂肪変性も報告されている[10]

また、秋ウコンの根茎は、クルクミンの他にもミネラル分(鉄分)が豊富に含まれているものがある。例えばC型慢性肝炎患者(あるいはその他の肝炎患者)は、罹患した時点ですでに鉄過剰を起こしやすいことから、鉄制限食療法が推奨されている[11][12]。そのような場合には、ウコン含有の鉄分(栽培地や栽培方法によってミネラルの含有量が高くなる場合がある)が肝臓に過剰な影響を及ばす可能性があり、注意が必要といわれている。

また、鉄分および精製されたクルクミンなどの成分についてはいくつかの報告[13][14]があるが、ウコン根茎そのものには、それ以外にも多様な成分を含んでおり、個々の成分単体で得られた結果がウコンとしての生理活性にどの程度反映されるのかは明らかではない(精製されたクルクミン原体の場合は含有ミネラルの問題は起こらないが、ウコン根茎の場合は更なる検証が必要である)。

ウコンの有効性および安全性は、まだ十分に検討され尽くしていないため、今後もウコンやその成分についての様々な検討が必要であり、その点について研究が進められている状況である[15]

また、以下の場合は、ウコン(秋ウコン)の摂取を控えるべきとされている。特に肝障害患者においては、サプリメントとして市販されている通常量で重篤な状態に陥った例が少なからず報告されている。またウコン(秋ウコン)によって自己免疫性肝炎を併発した可能性のある症例の発表もある[16][17]

ウコン(秋ウコン)を含有した外用薬によるアレルギー性皮膚炎も報告されている[18]

以上のように、しばしば「ウコン(秋ウコン)は肝臓によい」と言われているものの、肝疾患患者への投与は推奨されておらず、状態を改善させるどころか、死亡例(2人:2004年)[19][20][21]を含んだ重篤な副作用の報道・報告があり[22]、安易な内服は慎むべきとされている[23]




  1. ^ a b c d e f Herbs at a Glance - Turmeric (Report). アメリカ国立補完統合衛生センター. (2016-11-30). https://nccih.nih.gov/health/turmeric. 
  2. ^ 小曽戸洋「『日本薬局方』(15改正)収載漢薬の来源」『生薬学雑誌』第61巻第2号、2007年、 p.69、 ISSN 00374377NAID /40015616633
  3. ^ 例えば、ハウス食品の二日酔い対策ドリンク「ウコンの力」など。
  4. ^ “Turmeric--chemistry, technology, and quality”. Crit Rev Food Sci Nutr 12 (3): 199–301. (1980). doi:10.1080/10408398009527278. PMID 6993103. 
  5. ^ 日本のハーブ事典 村上志緒 東京堂出版
  6. ^ 日本のハーブ事典 村上志緒 東京堂出版P85
  7. ^ アキウコン(ウコン) - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所) 更新日2018/07/12、閲覧日2018年9月26日
  8. ^ 大澤俊彦、「がん予防と食品」『日本食生活学会誌』 2009年 20巻 1号 p.11-16, doi:10.2740/jisdh.20.11
  9. ^ 水野瑞夫:ウコン.日本薬草全書,新日本法規,pp74-76,2000
  10. ^ 石田 聡他:健康食品による薬物性肝障害,肝胆膵48(6):747-755,2004
  11. ^ Iwata K.,et al.2006."Iron content and consumption of health foods by patients with chronic hepatitis C." J Gastroenterol. 2006 Sep;41(9):919-20.(PMID 17048058)
  12. ^ Iwasa M, Kaito M, Ikoma J, Kobayashi Y, Tanaka Y, Higuchi K, Takeuchi K, Iwata K, Watanabe S, Adachi Y.(2002) Dietary iron restriction improves aminotransferase levels in chronic hepatitis C patients. Hepatogastroenterology. 2002 Mar-Apr;49(44):529-31.
  13. ^ Isawa M.,et al.(2010)Restriction of calorie and iron intakes resuluts in reduction of visceral fat and serum alanine aminotransferase and ferritin levels in patients with chronic liver disease. Hepatol Res.2010 Dec;40(12):1188-94(PMID 20880065)
  14. ^ Jun-ichi NAGATA and Morio Saito (2005) Evaluation of correlation between amount of curcumin intake and its physiological effects in rats. Food Sci. technol. Res.,11(2), 157-160,2005
  15. ^ 健康・栄養ニュース第15号P5(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)
  16. ^ 木村 吉秀 「ウコンによる薬物性肝障害により影響を受けた自己免疫性肝炎の1例」 ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA 46(1), 26-32, 2005-01-25
  17. ^ 中本譲 「う金(ウコン)の人体に及ぼす影響及び副作用についての検討」 日本栄養・食糧学会総会講演要旨集 巻:49th 頁:206
  18. ^ 矢島 純 「Database of side effect cases. New trial of presentation of drug information. Dermatological medicines. A case of allergic contact dermatitis by external-use drug containing curcuma」 診断と治療 巻:84頁:760 特殊号:増刊号
  19. ^ ウコン摂取で、肝機能障害、悪化し死亡
  20. ^ ウコン摂取で肝障害 肝硬変の60代女性、症状悪化し死亡 「産経新聞」2004年10月19日
  21. ^ 伊藤 弘康 臨床医の立場から見た肝臓(肝障害)と健康食品について 生物試料分析, 32(1) : 66, 2009
  22. ^ 小池麻由, 大津史子, 榊原仁作 ほか、「「原著」健康食品・サプリメントによる健康被害の現状と患者背景の特徴」 『医薬品情報学』 2013年 14巻 4号 p.134-143, doi:10.11256/jjdi.14.134
  23. ^ 小島裕治 「健康食品, 特にウコンによる肝障害の検討」『日本消化器病学会雑誌』 101 : 607, 2004




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