ウェリントン エネルギー

ウェリントン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 02:34 UTC 版)

エネルギー

ウェリントンのエネルギー需要は増加している。有力視されている供給源の一つが風であり、需要の増加に応えるために大規模な風力発電基地の建設が進められている。このプロジェクトでは70基のタービンが設置され、発電能力は最大で210メガワットとなる予定である。設置場所はウェリントンのわずか数km南西、マカラ海岸 (Makara Beach) とテラウィティ岬 (Cape Terawhiti) の間である。ちなみに前述のように、ウェリントンでは日常的に強風が吹くため、ニュージーランド人はこの街をよく「風のウェリントン (Windy Wellington)」と呼ぶ。

交通

鉄道は5本の近郊線がウェリントン駅から北方に伸びており、郊外の住宅地を結んでいる。4本は電化、1本は非電化の路線である。ニュージーランドで通勤電車が走っているのは他にオークランドだけである。

空港は市街地の南東5㎞にウェリントン国際空港があり便利である。しかし、滑走路が2000mしかないため、国際線は限られた路線しかなく課題となっている。地勢的に滑走路の延長は困難といわれている。

フェリーが南島のピクトンと連絡している。ピクトンは深い入り江の奥にあり、美しい景観を楽しめる。

ウェリントンには比較的大規模なトロリーバスの路線網が最近まであったが、2017年に全廃となった。代替として電動バスの導入が進められている。

人口統計

ウェリントンの人口は、郊外も含めると40万人に近づいている。2001年の国勢調査によれば、ウェリントンの人口のうち、15歳未満の割合は18.5%(ニュージーランド全体では22.7%)、65歳以上は8.6%(同12.1%)である。またウェリントン市民の85.6%が、民族分類上自分はヨーロッパ系だと回答した。マオリ系が4.1%で、残りが南太平諸国の系統やアジア系、およびその他の民族である。

芸術・文化

ウェリントンは芸術や文化のうえでもニュージーランドの首都であり、また国内の映画産業の中心である。ピーター・ジャクソンやリチャード・テイラー (Richard Taylor)、それにクリエイティヴなプロフェッショナルの成長を続ける集団によって、東の郊外のミラマー (Miramar) は、世界でも最高の映画制作の拠点の一つへと変貌を遂げた。ジェーン・カンピオンヴィンセント・ウォードのような監督たちは、インディペンデントの精神を保ったまま、世界中のスクリーンで作品を上映させることに成功した。タイカ・ワイティティ (Taika Waititi)、チャーリー・ブレイクリー (Charlie Bleakley)、コスタ・ボテス (Costa Botes)、ジェニファー・ブッシュ=ドメック (Jenifer Bush-Daumec) といった新進の映画作家たちは、ウェリントンを拠点とするネットワークと、映画に関わる機会を拡張している。また『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や『アバター』でアカデミー視覚効果賞を受賞したWETAデジタル社の成功により、CG制作プロダクションの数も増加している。

ウェリントンは、テ・パパ・トンガレワ (Te Papa Tongarewa ニュージーランド国立博物館)、ナショナル・オペラ・カンパニー (National Opera Company)、ニュージーランド交響楽団 (New Zealand Symphony Orchestra)、シティ・ギャラリー (City Gallery Wellington)、チェンバー・ミュージック・ニュージーランド (Chamber Music New Zealand)、ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団 (Royal New Zealand Ballet)、セント・ジェイムズ・シアター (St. James Theatre)、ダウンステージ・シアター (Downstage Theatre)、バッツ・シアター (Bats Theatre)、ニュージーランド芸術財団 (Arts Foundatin of New Zealand) の所在地である。

この街では、隔年開催されるニュージーランド国際芸術フェスティバル (New Zealand International Arts Festival) のほか、キューバ・ストリート・カーニバル (Cuba Street Carnival)、フリンジ・フェスティバル (Fringe Festival)、サマー・シティ (Summer City)、ニュージーランド・アフォーダブル・アート・ショウ (New Zealand Affordable Art Show)、多数の映画祭、ワールド・オブ・ウェアラブル・アート (World of Wearable Art) といった大イベントが開かれる。多くの地域や民族別コミュニティも毎年イベントを開いており、それらはみな、かつては退屈な政治都市だったこの首都を、ニュージーランド全国の羨望の的へと変えることに貢献している。

地元の音楽シーンは、フェニックス・ファウンデーション (The Phoenix Foundation) やシハード (Shihad)、ファット・フレディーズ・ドロップ (Fat Freddy's Drop)、ブラック・シーズ (The Black Seeds) の成功により、多様性に富みつつ隆盛する才能の宝庫と化した。2005年には、マッセー大学 (Massey University) とヴィクトリア大学ウェリントン校 (Victoria University of Wellington) の音楽レッスンおよび音楽理論のプログラムが統合により、ニュージーランド・スクール・オブ・ミュージック (The New Zealand School of Music) が設立された。

詩人で国際近代文学研究所ディレクターのビル・マンハイア (Bill Manhire) によって、ヴィクトリア大学の創作文芸プログラムは、新しい文学活動のるつぼへと変わった。舞踊と演劇のテ・ワエア (Te Whaea)、美術のザ・ラーニング・コネクション (The Learning Connexion) といった高等教育機関は、次世代に訓練と創造性開発の場を提供している。

この街の新たな芸術センター、トイ・ポネケ (Toi Poneke) は、創造的なプロジェクトやコラボレーション、多文化の交流による作品製作のための場となっている。芸術プログラム&サービス・マネージャーのエリック・ホロワクス (Eric Holowacz) と、このエイベル・スミス通りの施設を拠点とする少人数のチームは、オープニング・ノーツ (Opening Notes)、ドライブ・バイ・アート (Drive by Art)、毎年開催されるアートスプラッシュ・フェスティバル (Artsplash Festival)、パブリック・アートの新プロジェクトといった、野心的な新企画をプロデュースしてきた。

首都ということで、ウェリントンは公的機関の活動の中心であるわけだが、行政の文化担当者は、都市生活のこうした面と結びつくことに積極的である。21世紀の始めに、ウェリントンは南半球の芸術・文化・創造性の活気ある中心としての地位を確立した。


  1. ^ CliFlo – National Climate Database”. NIWA. 2015年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月31日閲覧。






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