ウィッチハウス ウィッチハウスの概要

ウィッチハウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/03 19:43 UTC 版)

視覚美術上の特徴としては、オカルトのほかにもウィッチクラフトシャーマニズム, 恐怖といったものがテーマとして用いられ、ホラー映画に影響を受けたようなデザインやコラージュ、さらには 陰謀説Unicodeの記号や隠れメッセージ英語版なども多用される[1][2]

ウィッチハウスの多くは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』といったホラー映画や[3] 、テレビドラマ『ツイン・ピークス[4]、さらには ポップ・カルチャー上の著名人といった要素も取り込んでいる。

『ツイン・ピークス』や『チャームド』のコミュニティ同様、アングラ性を保つ観点からインターネット上で見つけられにくくするため、ミュージシャンの名前や曲名には 三角形十字やUnicodeの記号などが使われている[5][6]

影響・スタイル

元の楽曲のテンポを極端に落とし、半拍ずらす英語版という手法はDJスクリューを創始者とするチョップド・アンド・スクリュード系のヒップホップから影響を受けたものである[7]

また、ウィッチハウスはエーテラル・ウェーブ英語版ノイズミュージック, ドローン・ミュージック,シューゲイザー[8][9][10] 、さらには Cocteau Twins, The Cure, Christian Death, Dead Can Dance 、The Oppositionといった1980年代の ポストパンクバンド [11]Psychic TVCoilといったインダストリアル実験音楽 のバンドの影響もうけている[12][13]

ウィッチハウスではおどろおどろしさを演出するためにヒップホップ用の ドラムマシンノイズミュージックのような雰囲気や 不気味なサンプリング,[14]シンセポップの影響を受けた陰気なリードメロディ、霧のような残響、さらにはピッチを下げられ、歪みが強調されるように加工されたヴォーカルが多用されている。

歴史

ウィッチハウスという単語は2009年にピクチャープレーンことTravis Egedyが初めて使ったとされている[15]。 当初この単語は冗談のつもりで使ったものであり[16][17][18]、Egedyは当時の状況について「僕とその友人であるシャムズと二人で、僕らが作ってる音楽はオカルトをベースとした音楽みたいだからということで、冗談のつもりでウィッチハウスという言葉を使っていました。僕はピッチフォークでウィッチハウスの件でベスト・オブ・イヤーを受賞し、この時『自分たちはウィッチハウスのバンドで、2010年はウィッチハウスの年になるであろう』と言いました。ですが、この発言をした際、ウィッチハウスというものは実在しなかったんですよ」と振り返っている[16]。 Egedyがウィッチハウスという言葉を使って間もなく、ピッチフォーク・メディアがこの単語を使い、他の音楽系マスコミやブログもそれに倣った。Flavorwireは 良かれ悪かれ、Egedy'の意図に反してウィッチハウスは現存する結果となったと述べている[19]

その一方、一部の音楽ジャーナリストやウィッチハウス・グループのメンバーの中には、現在のウィッチハウスの動向が「ガーディアンやピッチフォークといったマスコミが作ったマイクロジャンルに対するレッテル貼り」だと考えているものもいる[20][21]

実在するとは考えず[22][23] 、ただ単純にマイクロジャンルを作りたがるマスコミの性向を冗談としてまねたという経緯[21]から、ウィッチハウスという言葉はできて間もなく、rape gazeという言葉と結び付けられ、その言葉の発案者たちには非難が寄せられた。

主なミュージシャン




  1. ^ a b Necci (2010年8月9日). “Witch House: Listen With The Lights On”. RVA Magazine. 2013年12月11日閲覧。
  2. ^ Witch House Esthetics”. Synconation (2010年12月21日). 2011年7月20日閲覧。
  3. ^ Murder Dog Magazine - Volume 17 #3 - Special Feature:Witch House (Page 87)”. Murder Dog Magazine. 2013年10月6日閲覧。
  4. ^ Witch House And Okkvlt Guide To Twin Peaks”. Welcome to Twin Peaks (2011年4月14日). 2013年10月6日閲覧。
  5. ^ Baxter, Jason (2010年12月20日). “What is the "Witch House Font?" | Line Out”. Lineout.thestranger.com. 2011年7月20日閲覧。
  6. ^ How To Be a Witch House Poser”. Flavorwire (2011年1月19日). 2011年7月20日閲覧。
  7. ^ Lindsay, Cam. “The Translator - Witch House • Spark •”. Exclaim.ca. 2011年7月20日閲覧。
  8. ^ Watson, William Cody (2010-09-12). "Slow Motion Music". Impose Magazine. 
  9. ^ Rees, Thomas (24 March 2017). "oOoOO: Christopher Greenspan Joins the New Wave of Ethereal Electro-Pop Makers While Sidestepping the Name Game". XLR8R. 
  10. ^ Rodgers, Patrick (24 March 2017). "‘New’ ‘Genre’ Alert: Which House? Witch House". Nashville Scene. 
  11. ^ Wright, Scott (2010年3月9日). “Scene and heard: Drag”. London: Guardian. https://www.theguardian.com/music/musicblog/2010/mar/08/scene-heard-drag 2010年6月10日閲覧。 
  12. ^ a b Marshalek, Russ (2010年9月22日). “Haunted: A Witch House Primer”. Flavorwire. 2013年6月17日閲覧。
  13. ^ Maness, Carter (2010年8月25日). “Brooklyn's Vanishing Witch House: White Ring and CREEP burn your trends and have real music to show for it”. Nypress.com. 2011年7月20日閲覧。
  14. ^ Sokol, Zach (2011年2月1日). “The Witch House Debate: Is †he Music Genre Wor†h ∆ Lis†en? · NYU Local”. Nyulocal.com. 2011年7月20日閲覧。
  15. ^ Lhooq, Michelle (2015年6月18日). “Teens, Drugs, and HIV Jokes: Welcome to Witch House in Russia”. 2016年3月2日閲覧。
  16. ^ a b Nguyen, Tuyet (2010年12月30日). “This is witch house | Music | The A.V. Club Denver/Boulder”. Avclub.com. 2011年7月20日閲覧。
  17. ^ Weird emergence | San Francisco Bay Guardian”. Sfbg.com. 2011年7月20日閲覧。
  18. ^ P.J. Nutting (2010年12月30日). “Which house for witch house?”. Boulderweekly.com. 2011年7月20日閲覧。
  19. ^ Hawking, Tom (Sep 7, 2011). "State of the Witch House: Predicting the Controversial Genre’s Future". FlavorWire. 
  20. ^ Brooklyn's Vanishing Witchhouse”. New York Press. 2012年6月17日閲覧。
  21. ^ a b The Horrifyingly Named Micro-Genre "Rape Gaze" Explained”. Village Voice. 2012年6月17日閲覧。
  22. ^ "Salem - King Night". Pitchfork Media. 
  23. ^ Pitchfork Backtracks on 'Rape Gaze' Because Creep Said So”. The Daily Swarm (2010年10月12日). 2011年7月20日閲覧。
  24. ^ Burkart, Gregory (2013年12月4日). “'AIMON' – Album Review”. FEARnet. 2013年12月11日閲覧。
  25. ^ Turgoose, Kate (2011年10月17日). “∆AIMON: a new kind of noise”. Connexion Bizarre. 2013年12月11日閲覧。
  26. ^ a b c Jonze, Tim (2010年9月26日). “Witch house and the musicians taking us back to the future”. The Guardian (UK). https://www.theguardian.com/music/2010/sep/26/witch-house-how-dress-well 2013年6月17日閲覧。 
  27. ^ a b c d e Friedman, Ian (2013年1月30日). “What Is Witch House?”. DJZ. http://www.djz.com/news/what-is-witch-house/ 2013年12月11日閲覧。 
  28. ^ Latta, Ian. “Clams Casino - Rainforest [EP]”. Tiny Mix Tapes. 2013年6月18日閲覧。
  29. ^ Gieben, Bram E. (2012年11月5日). “Crystal Castles – (III)”. The Skinny. 2013年8月24日閲覧。
  30. ^ Hawkins, Shane (2012年6月25日). “New Noise: Glass Teeth”. Wonderland Magazine. 2013年12月11日閲覧。
  31. ^ Currier, Alyce (2013年8月1日). “Earmilk Interview: GLASS TEETH [Track Premiere]”. Earmilk. 2013年12月11日閲覧。
  32. ^ Latta, Ian. “Holy Other - With U [EP]”. Tiny Mix Tapes. 2013年6月18日閲覧。
  33. ^ Segal, Dave (2013年6月12日). “Mount Kimbie, Holy Other, Rob Garza, Nguzunguzu”. The Stranger. 2013年6月18日閲覧。
  34. ^ Prescott, Shaun (2010年7月1日). “Record Reviews: Void”. Mess and Noise. 2015年11月17日閲覧。
  35. ^ Prescott, Shaun (2012年12月10日). “Listen: Horse Macgyver - Junkyard”. Crawlspace Magazine. 2015年11月17日閲覧。
  36. ^ Sottile, Leah (2012年9月4日). “Dark Horse”. The Pacific Northwest Inlander. 2013年12月11日閲覧。
  37. ^ a b c Rodgers, D. Patrick (2010年8月25日). “‘New’ ‘Genre’ Alert: Which House? Witch House”. Nashville Scene. 2013年6月17日閲覧。
  38. ^ Sullivan, Ben. “Purity Ring - Shrines”. Tiny Mix Tapes. 2013年6月17日閲覧。


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