インターネット 歴史

インターネット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 18:52 UTC 版)

歴史

1997年から2007年までの、人口100人当りのインターネットユーザーの割合(青は先進国、赤は開発途上国、黄色は世界平均。出典:国際電気通信連合)
各国の人口に対するインターネット利用人口の割合(2016年)
出典: 国際電気通信連合[9]
各国別のインターネットの検閲・監視状況 (2018年)[10][11][12][13]
  データなし

1960年、インターネットの前身ARPANETに直接影響を及ぼした概念であるJ・C・R・リックライダータイムシェアリングシステムが発表される[14]

1969年10月29日、後のルータの原型となったIMPを用いてUCLAスタンフォード研究所(SRI)間が接続され[15][16]、同年12月5日までにUCサンタバーバラユタ大学が接続され4つのノードのインターネットが実現された。

1983年、ARPANETがプロトコルをそれまで利用していたNetwork Control ProgramからTCP/IPに切り替える[注 1]

1984年9月、村井純がテープメディアの物理的な配送の代わりとして電話回線を用いた300bpsの速度の回線で慶應義塾大学東京工業大学を接続した。同年10月に東京大学が接続され、日本のインターネットの始まりであるJUNETに拡大する。[17]これはインターネットの研究をするため、3大学での研究を重ねる意図もあった[18]

1985年、アメリカの「全国科学財団」による学術研究用のネットワーク基盤NSFNetが作られ、インターネットのバックボーンの役割がARPANETからNSFNetへ移行する。

1988年、アメリカで商用インターネットが始まる。同年、日本でWIDEプロジェクト開始[19]

1989年、商用ネットワークとNSFNetとの接続が開始される。

1990年、スイスの素粒子物理学研究所・CERNの研究員であったティム・バーナーズ=リーは、当時上司だったロバート・カイリューらの協力によりWorld Wide Webシステムのための最初のサーバとブラウザを完成させ、世界初のウェブページが公開された。

1992年、米国ではWindows 3.1 for Workgroupの発売もあり(日本語版は発売されていない)、一般にもインターネットが普及する。

1994年7月、アメリカのタイム誌で、「インターネットは核攻撃下でのコミュニケーションの生き残りを想定して開発された」[20]という記事が掲載される。以降、ARPANETは核戦争時のための軍事ネットであるという俗説が流布するようになる。一方、ARPANET立ち上げ時のIPTO責任者であったロバート・テイラーは、この記事に対して事実とは異なる旨、正式な抗議をタイム誌に対して行った。

1995年、NSFNetは民間へ移管された。

1999年にInternet of Things(IoT)という用語が提唱された。

1999年にはADSLによるインターネットへの接続サービスが開始される。

2001年にはFTTHCATV無線通信によるインターネットへの接続サービスが開始される。

2002年から2005年に掛けて、友人紹介型のソーシャル・ネットワーキング・サービスが提供され始める。

2004年にWeb 2.0の概念が提唱される。

2005年は2010年代に一般的な日常生活で使われるようになる様々なサービスが提供開始した時期である。Google マップのサービス提供開始、iTunes Music Storeの日本へのサービス提供開始、2005年末にはYouTubeがサービスを提供を開始した。特にWebサービスに関わる重要な出来事が集中している。この年に人類史上初めて巨大知の基盤が成立したと考えられる。

1998年末にはドリームキャストが、2004年末にはニンテンドーDSが、2005年末にXbox 360が、2006年末にはPlayStation 3Wiiがオンライン機能を標準搭載し発売された。2005年以降、オンライン対戦の一般化が進んだ。

2005年からネットレーベルの音楽業界への台頭が始まる。

2000年代後半にはYouTubemixiFacebookTwitterなどが流行し、インターネットにおけるコミュニケーション活動が活発化した。

2000年から2010年に掛けて、インターネットに接続される計算機やセンサーが加速度的に増えるに従って、インターネットを介して膨大な実世界データが収集可能となり、そのようなデータを処理する専門の職業まで現れた。(データサイエンティスト)

2020年には新型コロナウイルスのパンデミック対策として世界的にテレワーク化が行われ、従来とは比較にならない程に高度なオンライン生活が始まりつつある。パンデミックの状況では自由に行えない外食やイベントや観光などのサービスがオンラインに集約され始めたが、今後はテレワークを前提とした全く新しいサービスが登場する可能性がある。

日本

1980年代、インターネット接続が非常に稀で、かなりの技術的な困難があった時代には、UUCPによる研究機関大学や一部の企業などの間でのメールネットニュースの交換がしばしば行われていた。専用線が高価だったための苦肉の策であった。ただUNIXユーザの一部には、World Wide Web(WWW)がどういうものなのか、徐々に理解されるようになってはいた。

1980年代では、まだ技術系の学部がある一部の大学がインターネットにサーバを接続し、せいぜい数ページ~数十ページ程度のきわめて簡素なウェブページを「設置」し、メールアドレスを設定し、ほんの一部の限られた人々がそれを使ってメールのやりとりをしたり、ファイル転送をしたり、少数のインターネット利用者に公開していた、という程度であった。1980年代、まだWindows 95もこの世に登場しておらず、PCというのは基本的にネットワークに繋がず、単体で使うものであった。PCとPCをつなぐ場合でも、ほとんどは(インターネット・プロトコルではない、メーカー依存的な、あるいは特定のネットワーク専門企業への依存的な)通信プロトコルで社内のPCを繋いだ程度であった。

1980年代後半に入って、商用のインターネット利用が、一部でようやく始まった。1990年代の前半では、大学以外では、わずかな人数の個人で、電子メールの利用を試みたり、ウェブページを実験的に作成するために、テキストエディタでHTMLファイルをベタに打って作成し、数ページ~数十ページ程度の素朴で文字ばかりのページを作ったりする程度のことであった。

1990年代末期までは、個人向け回線接続サービスの大半は低速なダイヤルアップ接続で、従量制で、かなりの高額の課金がほとんどであった。実験的に接続した一般人がいても、試行錯誤しているだけでも課金の額が膨らんでしまうので、短時間で切り上げなければならないことがネックとなり、結果、利用の時間は限られ、利用の質もほとんど向上せず、参加者もなかなか増えなかった。

1990年代に入り、決定的なことが起きた。Apple社やMicrosoft社などのOSメーカーがパソコン向けOSをインターネット接続可能な仕様で販売するようになったのである。またメールクライアントやウェブブラウザもOSに組み込んで提供するようになった。これによって、一般のパソコン(PC)ユーザも、インターネットを意識するようになり、具体的な解決策がOSのデスクトップのアイコンで提示された形になり、その結果、かなりのスピードで普及が進むことになった。このころ、通信会社間の競争が激しくなり、競争によって電話回線への接続費用が安くなる傾向にあったことも、インターネット普及の後押しをした。インターネットプロバイダーが多数、設立されるようになり、宣伝合戦が行われるようになった。

2000年代に入ると、毎月定額のブロードバンド接続サービスが低価格で提供されるようになり、爆発的に普及しはじめた。[注 2]

2017年の内閣府の0歳から満9歳までの子供の保護者を対象とした青少年のインターネット利用環境実態調査によると。全体の39.2%の子どもがインターネットを利用していて、0歳児で3.1%、2歳児で28.2%、5歳児で36.8%、9歳児で65.8%、と利用する割合が増えており、平日1日当たりの利用時間は平均で1時間余りとなった。[21][22]  総務省が発表した2017年の通信利用動向調査によると、個人がインターネットを利用する機器はスマートフォンが54.2%と、初めてパソコン(48.7%)を上回った。日本でもスマホがネット利用の主役となっていることがわかった。[23]


注釈

  1. ^ そのため別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.には、1980年代サブカル・流行一覧にインターネットの誕生が紹介されている
  2. ^ 同時期の日本では、1999年2月に、NTTドコモがi-modeサービスを提供しはじめ、携帯電話でもインターネットへの接続サービスが提供されるようになり、携帯電話でのインターネット接続も一般化した。
  3. ^ YouTubeニコニコ動画など

出典

  1. ^ 「メディアリテラシ」(Computer Science Library 15)p68 植田祐子・増永良文著 サイエンス社 2013年8月10日初版発行
  2. ^ 多くの英字メディアが採用するAPスタイルガイド、固有名詞扱いだった「Internet」を一般名詞扱いの「internet」へ” (2016年4月7日). 2017年1月15日閲覧。
  3. ^ ウェブ コトバンク 2021年10月7日閲覧。
  4. ^ 岩崎宰守 (2016年10月3日). “米国政府がルートDNSや、IPアドレス管理などの“IANA機能”監督権限を手放す -INTERNET Watch”. インプレス. 2016年10月18日閲覧。
  5. ^ 「インターネット」p59-60 村井純 岩波書店 1995年11月30日第1刷発行
  6. ^ 「メディアリテラシ」(Computer Science Library 15)p80 植田祐子・増永良文著 サイエンス社 2013年8月10日初版発行
  7. ^ World IPv6 Launch
  8. ^ State of the Internet IPv6 Adoption Visualization - Akamai
  9. ^ "Percentage of Individuals using the Internet 2000-2012", International Telecommunications Union (Geneva), June 2013, retrieved 22 June 2013
  10. ^ Freedom on the Net 2018”. Freedom House (2018年11月). 2018年11月1日閲覧。
  11. ^ OpenNet Initiative "Summarized global Internet filtering data spreadsheet" Archived 10 January 2012 at the Wayback Machine., 8 November 2011 and "Country Profiles" Archived 26 August 2011 at the Wayback Machine., the OpenNet Initiative is a collaborative partnership of the Citizen Lab at the Munk School of Global Affairs, University of Toronto; the Berkman Center for Internet & Society at Harvard University; and the SecDev Group, Ottawa
  12. ^ "Internet Enemies", Enemies of the Internet 2014: Entities at the heart of censorship and surveillance, Reporters Without Borders (Paris), 11 March 2014. Retrieved 24 June 2014.
  13. ^ Internet Enemies, Reporters Without Borders (Paris), 12 March 2012
  14. ^ Man-Computer Symbiosis 「人間とコンピュータの共生」 1960年3月
  15. ^ インターネットが40周年 最初に送られたメッセージは「LO」 - ITmedia News
  16. ^ 40th Anniversary of the Internet / UCLA Spotlight
  17. ^ インターネット 歴史の一幕:JUNETの誕生 - JPNIC ニュースレターNo.29
  18. ^ 『インターネットの秘密』24ページ。
  19. ^ 「インターネット」p155-156 村井純 岩波書店 1995年11月30日第1刷発行
  20. ^ "BATTLE FOR THE SOUL OF THE INTERNET". TIME, 1994年7月25日。
  21. ^ 低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 - 内閣府
  22. ^ 0~9歳児の約40%がネット利用 内閣府調査 | NHKニュース[リンク切れ]
  23. ^ ネット利用、スマホがPCを逆転 総務省調査
  24. ^ 「グローバリゼーションと開発の主要課題」p34 大坪滋(「グローバリゼーションと開発」所収)大坪滋編 勁草書房 2009年2月25日第1刷第1版発行
  25. ^ 「Next教科書シリーズ 政治学」p158-159 山田光矢編 弘文堂 2011年3月15日初版1刷
  26. ^ 「中東・北アフリカの体制崩壊と民主化 MENA市民革命のゆくえ」p242-243 福富満久 岩波書店 2011年10月18日第1刷発行
  27. ^ 「メディアと日本人」p70-71 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
  28. ^ 「メディアと日本人」p54 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
  29. ^ 「メディアと日本人」p64 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
  30. ^ 「メディアと日本人」p79 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
  31. ^ 「メディアと日本人」p87 橋元良明 岩波新書 2011年3月18日第1刷
  32. ^ 「メディアとジャーナリズムの理論 基礎理論から実践的なジャーナリズム論へ」p210 仲川秀樹・塚越孝著 同友館 2011年8月22日
  33. ^ 「メディア学の現在 新版」p128 山口功二・渡辺武達・岡満男編 世界思想社 2001年4月20日第1刷
  34. ^ Announcing the Coursera 2020 Global Skills Index” (英語). Coursera Blog (2020年7月16日). 2020年11月11日閲覧。


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