イエス十二弟子を召寄せて イエス十二弟子を召寄せての概要

イエス十二弟子を召寄せて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/23 22:05 UTC 版)

概要

四旬節の礼拝では、ルカ福音書第18章の31節-43節が説教主題となる。BWV22では、エルサレムを目前にしてイエス十二使徒に受難を預言する前半をモティーフにしており、冒頭のアリオーソは、まさにそのイエスの預言そのものを取り上げている。歌詞に盛り込まれていない預言の後半部には、イエスがいかなる苦難を受けて死を迎えるかが述べられている。これを受けて、師の預言の真意を理解できずに動揺する十二使徒の様子を、すべてのキリスト者に投影したのがこのカンタータである。BWV23では、盲人の目を開いたイエスの奇蹟を述べた後半部をモティーフにしている。

自筆の総譜で伝承されている。台本の作者は不明。聖句を冒頭に持ってくる点は1723年後半のカンタータと共通する特徴であり、中間のアリアレチタティーヴォのペアに同一歌詞の句を1行加える点は1727年頃の独唱カンタータと共通する特徴である。また、1723年前半のカンタータによく見られる(典型例が別名「主よ、人の望みの喜びよ」)、器楽間奏をともなう終結コラールを初めて採用したカンタータである。初演は試験当日ではあるが、当然ながらカントルに就任したわけではない(正式採用は3ヵ月後の5月5日)ため、実際の礼拝での初演は、翌年1724年2月20日の四旬節礼拝である。再演の記録は残っていない。当日用のカンタータは現存するだけでも4曲を数え、再演があったことが確認できるのはBWV23のみである。

1727年以降にバッハと組んでカンタータを量産した詩人ピカンダーは、1729年頃の四旬節に備えて、このBWV22とまったく同じ福音を冒頭に据えた台本を制作した。それがカンタータ159番「見よ、われらエルサレムへ上る」(Sehet, wir gehn hinauf gen Jerusalem)である。しかしバッハは159番の作曲の際に22番を転用することはせず、新たに重厚なアリオーソを与えた。

聖書箇所

第一コリント13:1-13「げに信仰と希望と愛と此の三つの者は限りなく存らん、而して其のうち最も大なるは愛なり。」(13:13)、ルカの福音書18:31-43




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