アルバニア 国民

アルバニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 07:51 UTC 版)

国民

民族

アルバニア人が大部分であるが、国土の北部と南部では言語や風習に差異がある。南部にはギリシャ人などもいる他、国境付近にはマケドニア人モンテネグロ人もいる。

言語

アルバニア語公用語であるが、北部のゲグ方言と南部のトスク方言に分かれ、標準語はトスク方言に基づいている。歴史的な理由(社会主義時代にイタリアからのラジオを聴くなど)によりイタリア語を話せる高齢者が多い。義務教育課程での英語教育が導入されており若年層のほとんどは英語を話す。南部のサランダを中心とした地域に住むギリシャ系住民の間では、なまりの強いギリシャ語を話す人々もいる。

宗教

アルバニアの宗教を語る上で1967年の共産党政府が「無神国家(無神論国家)」を宣言したことが取り上げられる。マルクス・レーニン主義を国是とする国家では旧ソビエト連邦の首都モスクワにおける救世主ハリストス大聖堂の爆破(1931年)や中華人民共和国の文化大革命(1966-76年)など宗教弾圧は見られた。しかし、これらの国々であっても、宗教の弾圧は徹底されず、(一定の制限はあるが)寺院も宗教団体も存在して、信仰と宗教活動は容認されてきた。

宗教構成(アルバニア)
イスラーム教
  
70%
アルバニア正教会
  
20%
ローマ・カトリック
  
10%
宗教構成(アルバニア、ワトソン研究所の調査より)
特になし
  
70.12%
東方正教会
  
10.33%
イスラーム教(スンニ派)
  
9.43%
ローマ・カトリック
  
8.09%
ベクタシズムイスラム神秘主義の一つ)
  
1.27%
プロテスタント
  
0.6%
その他
  
0.7%

しかし、アルバニアは国内での激しい宗教対立を背景に1967年、共産圏では初めて、内外に「無神国家」を宣言した。これは国民全てがいずれの宗教も信仰しておらず、そのため国内にはいかなる宗教団体および宗教活動は存在しないという宣言である。この世界に類を見ない強力な宗教の弾圧と排除が特筆すべきものになったのは、当時のアルバニアの指導者エンヴェル・ホッジャが過激なスターリン主義者であったことと、アルバニアの国土面積と人口が旧ソ連や中国に比べて極めて小さかったこと、1970年代から鎖国体制に入ったことなどによる。そのため1970年代の鎖国体制以降、アルバニア国外では、アルバニアではどのような宗教が信仰されているのか、どのような宗教活動が行われているのかは、不明という状態となった。

1990年、信教の自由が認められた。現在では多くの人々が穏健で世俗的なムスリム[注釈 1]正教徒カトリックであり、異なる宗教の信者間での結婚にいかなる制約もない。異教徒同士のカップルも少なくない。公式のデータは右記の通りである。

一方、最近では、信仰する宗教が特に無いという人々が多数派を占めていると言われている。 ワトソン・インスティテュート(ワトソン研究所)の2004年度レポート『アルバニアにおける移民と民族集団-シナジーと相互依存』[18] でのデータは以下の通り。また、アメリカ合衆国国務省が出した2007年度レポート『国際的な宗教の自由』[19] でも、国民は無宗教が多数派である事が述べられており、ワトソン研究所の調査と同じ形となっている。 ただし、イラク戦争以後、若者のごく一部に戒律的なイスラム教への回帰も散見されるようになってきた。

婚姻

婚姻では、婚姻前の姓を保持する(夫婦別姓)か、配偶者の姓へ改姓し夫婦同姓とするか選択することが可能である[20]

教育

同国での初等・中等・高等教育は、主に州によって定められたものが多い。学年度は2学期に分かれていてアメリカ合衆国と類似しており、授業はほぼ9月か10月に開始され、6月か7月で終了する仕組みとなっている。

初等教育は1年生から9年生まで設けられており義務教育となっているが、殆どの生徒は中等教育まで継続されている。

なお、2015年時点でアルバニアにおける全体的な識字率は98.7%であり、男性の識字率は99.2%、女性の識字率は98.3%となっている。

保健


注釈

  1. ^ a b イスラム教においてハラール食のタブー)とされる飲酒をしたり、豚肉を食べたりする者も珍しくない。井浦伊知郎『アルバニアインターナショナル』参照。

出典

  1. ^ a b UNdata”. 国連. 2021年10月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e World Economic Outlook Database” (英語). IMF. 2021年10月18日閲覧。
  3. ^ W.チャーチル、佐藤亮一訳『第二次世界大戦 1』(河出文庫版)P248.
  4. ^ “独裁者の核防空壕を一般公開、観光資源に アルバニア”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年11月24日). http://www.afpbb.com/articles/-/3032532?ctm_campaign=pcpopin 2014年12月23日閲覧。 
  5. ^ 40 Years of Socialist Albania, Dhimiter Picani
  6. ^ Enver Hoxha, "Reflections on China II: Extracts from the Political Diary", Institute of Marxist-Leninist Studies at the Central Committee of the Party of Labour of Albania," Tirana, 1979, pp 516, 517, 521, 547, 548, 549.
  7. ^ Hoxha, Enver (1979b). Reflections on China. II. Tirana: 8 Nëntori Publishing House.
  8. ^ Vickers, Miranda (1999). The Albanians: A Modern History. New York: I.B. Tauris & Co Ltd. p. 203. p. 107
  9. ^ NHK特集 現代の鎖国アルバニア』(日本放送出版協会、1987年)
  10. ^ “Albanian Parliament Fails to Elect a President in 1st Vote”. USニューズ&ワールド・レポート. (2022年5月16日). https://www.usnews.com/news/world/articles/2022-05-16/albanian-parliament-fails-to-elect-a-president-in-1st-vote 2022年6月2日閲覧。 
  11. ^ “EU、英抜きで再拡大へ バルカン諸国の加盟交渉で合意”. 日本経済新聞. (2020年3月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57194850V20C20A3FF8000/ 2020年3月26日閲覧。 
  12. ^ 「イラン包囲網」米主導の船舶護衛活動開始 日本見送り朝日新聞デジタル(2019年11月8日)2019年11月9日閲覧
  13. ^ https://www.jiji.com/jc/article?k=2022090701229&g=int
  14. ^ a b アルバニア共和国(Republic of Albania)基礎データ 日本国外務省(2019年11月9日閲覧)
  15. ^ a b c d e 『アルバニア:「国民平等に貧しい」と「ねずみ講バブル」の関係』2008年3月6日付配信 日経ビジネスオンライン
  16. ^ 佐藤和孝著『戦場でメシを食う』(新潮社)第三章「アルバニア-世界でもっとも孤立した国」
  17. ^ 平野英雄「アルバニアの金属資源」『地質ニュース』531号 1998年11月 pp.43-51 PDF
  18. ^ 『アルバニアにおける移民と民族集団-シナジーと相互依存』(ワトソン・インスティテュート(Watson Institute))(英語)
  19. ^ アメリカ国務省『国際的な宗教の自由』(英語)
  20. ^ Family Code of Albania, Law Number 9062, Chemonics International Inc., 2003.
  21. ^ ユネスコ世界遺産 アルバニア
  22. ^ Napoli reportedly reach agreement with Empoli to sign Elseid Hysaj THE SIREN's SONG 2015年7月28日





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