アリゾナ州 芸術と文化

アリゾナ州

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芸術と文化

美術と博物館

フェニックス市の歴史あるセントラル・アベニュー・コリダーにあるフェニックス美術館はアメリカ合衆国南西部では最大の世界の美術品を集めている。アメリカ大陸、アジア大陸、ヨーロッパ大陸、ラテンアメリカの近代現代作品およびファッションデザインを18,000点以上収集しており、その展示と国際的な展示会を開催している。1951年以来、地域社会教育の委託を受け、一年中フェスティバル、実演、独立系映画、教育プログラムを開催している。こどものために対話型スペース"PhxArtKids"、創造的写真センターとの共同で写真展示、屋外彫刻展示、およびアーカディア農場での食事も提供している。

アリゾナ州はインディアン芸術の中心としても認められており、古き時代から当代までの作品を集めた多くのギャラリーがある。やはりフェニックスにあるハード博物館はインディアン芸術の主要な美術館となっている。特徴ある展示品としてはナヴァホ族のホーガン(住居)、マリーン・アレン・ニコルズの当代宝石コレクション260点、バリー・ゴールドウォータによるホピ・カチナ人形コレクション437点、19世紀のインディアンを対象にした寄宿生学校の展示がある。この博物館には年間25万人が訪れている。

セドナ、ジェロームおよびトゥバクは新進芸術家の育つ場所として知られ、大都市や州立大学の近くでは小さなアートシーンが存在している。

映画

アリゾナ州で撮影されたハリウッド映画として、明日の壁をぶち破れUターンWaiting to ExhaleJust One of the Guysキャント・バイ・ミー・ラブBill & Ted's Excellent Adventureスコーピオン・キングThe Banger Sistersユーズド・カーおよび赤ちゃん泥棒がある。1993年のSF映画Fire in the Skyは実際にアリゾナ州スノーフレイクの町で起こったとされる宇宙人による誘拐に基づいたものだが、撮影はオレゴン州で行われた。

1977年のクリント・イーストウッド主演・監督作品ガントレットのクライマックスはフェニックスを舞台にしている。1984年の映画スターマン/愛・宇宙はるかにはウィンスロー郊外のメテオ・クレーターを舞台にしている。ジェフ・フォックスワーシーの喜劇ドキュメント映画Blue Collar Comedy Tourは、ほとんど全部がフェニックスのドッジシアターで撮影された。1960年のアルフレッド・ヒッチコック監督作品サイコはフェニックスで撮影されただけでなく、主人公もそこの出身である。

アリゾナ州で撮影されたあるいは舞台にしたテレビ番組としては、The New Dick Van Dyke Showミディアム 霊能者アリソン・デュボアAliceThe First 48Insomniac with Dave Attell全米警察24時 コップスおよびAmerica's Most Wantedがある。1974年の映画アリスの恋は、エレン・バースティンアカデミー主演女優賞を受賞したものだが、クリス・クリストファーソンも出演しており、ツーソンを舞台にしている。テレビ番組のアリスはこの映画を元にしたものだったが、フェニックスが舞台だった。2008年の映画トワイライト〜初恋〜はその初めと終わりのシーンがフェニックスで撮影された。

音楽

アリゾナ州は多くのカントリー・アンド・ウェスタンの歌詞に登場している。例えばジェーミー・オニールのヒット曲"There Is No Arizona"がある。ジョージ・ストレイトの"Oceanfront Property"では、騙されやすい者の隠喩として"ocean front property in Arizona"(アリゾナ州は太洋に面していない)と歌っている。バンド、トゥールの歌にある"see you down in Arizona Bay"という歌詞はロサンゼルスがいつの日か太洋の中に沈む可能性に言及するものである。

「アリゾナ」はマーク・リンゼーが録音したポピュラーソングの題名である。また、ジャクソン・ブラウングレン・フライが制作し、バンド、イーグルスが演奏したテイク・イット・イージーにもアリゾナが言及されている。その歌は次のような歌詞である。

Well, I'm a standin' on a corner in Winslow, Arizona,
and such a fine sight to see
It's a girl, my Lord, in a flatbed Ford,
slowin' down to take a look at me
アリゾナ州ウィンスローの街角に立っていると
とてもいい眺めだ
おやおや、平床のフォードで
私を見ようと減速するのは少女だ

アリゾナの新進音楽シーンは新興のバンドや著名なアーティストに助けられている。ジン・ブロッサムズ、クロニック・フューチャー、ロジャー・クライン・アンド・ザ・ピースメーカーズ、ジミー・イート・ワールドがアリゾナでその経歴を始めた。またパンク・ロックのバンドでは、JFA、フィーダーズ、サン・シティ・ガールズミート・パペッツ、さらに最近ではオーソリティ・ゼロがアリゾナで活動を始めた。またエモのジャンルでは、ブレスザフォールスケアリー・キッズ・スケアリング・キッズザ・メインアイズ・セット・トゥ・キル、ザ・ブレッド、グリーンリー・エステイツ、スティレット・フォーマルがいる。しかし、ザ・フォーマットやファイン・チャイナのようなアーティストによるインディー・ロックのシーンもある。

音楽家も多く、歌手、ソングライターおよびギタリストのミシェル・ブランチはセドナ出身である。バンド、リンキン・パークのリードボーカル、チェスター・ベニントン、ソーシャル・ディストーションの元メンバーでドラマーのボブ・スタブスはアリゾナ州に住んでおり、マッシュアップのアーティスト、DJ Z-Tripはフェニックスの出身である。アリゾナで悪名高いミュージシャンと言えば、ショック・ロックのアリス・クーパーであり、このジャンルの定義づけに貢献した。トゥール、ア・パーフェクト・サークルおよびプシファーのリードボーカルであるメイナード・ジェームス・キーナンはジェロームの町を現在の故郷と呼んでいる。その他著名な歌手としては、カントリーのマーティ・ロビンス、フォークのカティ・リー、フリートウッド・マックスティーヴィー・ニックス、セセ・ペニストン、レックス・アレン、2007年アメリカン・アイドル勝者のジョーダン・スパークスおよびリンダ・ロンシュタットがいる。

フェニックス周辺を中心としてヘヴィメタルのシーンでも知られている。バンドとしては、ジョブ・フォー・ア・カウボーイ、ナイツ・オブ・ジ・アビス、アイズ・セット・トゥ・キル、ブレスザフォールおよびアビゲイル・ウィリアムズがいる。バンドのソウルフライはフェニックスを故郷と言っており、メガデスは約10年間フェニックスに住んでいる。

アリゾナ州出身の有名人

州の象徴など

サボテンミソサザイ



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