アメリカ軍 各軍記念日

アメリカ軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 17:46 UTC 版)

各軍記念日

1950年以降各軍独自の公式記念日は廃止され、5月の第3土曜日の軍隊記念日 (Armed Forces Day) に統合された。

その他

  • 軍人とその家族にはアメリカ国防厚生管理本部が提供する公的医療保険「TRICARE」が適用される。
  • 退役軍人にはアメリカ合衆国退役軍人省から勤務した期間や階級に応じた額の恩給年金が支給される。また一定期間以上勤務した場合はTRICAREに継続して加入できる。
  • 同性愛者ではない(非ゲイ)男性の兵士による下級の男性兵士へのレイプ(性暴力)が最近明るみに出た。性交渉が目的ではなく、脅しや支配欲を満たす為に行われている。2009年に、110人以上の男性兵士が男性の同僚から性暴力を受けたと報告した(ニューズウィーク日本版2011年4月20日号)。また、上官の命令は絶対であることを悪用する上官による性的暴行の被害にあった女性将兵が多数存在する。レイプなど性的暴行は、2011年だけで3192件が報告されているが、被害が届けられないケースが多いとされ、アメリカ国防総省では、実態は年間約1万9000件とみている[43]

入隊

  • 志願できるのは永住権を有する者で、高等学校卒業程度の学力、基準以上の身体能力を有する18歳以上の男女である。なお永住権があれば市民権が無くてもよい[注釈 3]。また『卒業程度の学力』であるため中退者でも学力を証明できる書類や推薦書[注釈 4]などを加味して判断される。従来は卒業証明書の提出が必要だった。
  • 市民権が無い者が志願・入営すると、忠誠を誓ったと看做され最低居住期間条件が免除になり、居住期間に関わらず入隊時(申請時)に市民権申請が可能になる(受理されるだけで認められるかは別)。既に入隊済みで1年以上経過した者も居住期間に関係なく市民権申請資格があるが、入隊後1年未満あるいは除隊後6か月を経過した者は特例条件を満たさず、通常の5年ルールが適用される。
  • ベトナム戦争時には数を確保するため、素行不良者や就労が禁止されている観光ビザで入国した外国人への勧誘活動まで行われたが[44]、脱走兵の増加や軍規の乱れを招いたことから戦争終結後に厳格化された。
  • 全てのアメリカ合衆国に『居住』する18〜26歳までの男性(米国籍や永住権者に限らず、違法移民や一時就労ビザなども含む。外交官ビザ、特殊ビザ、ビジタービザ、学生ビザなどは除外[注釈 5])は、有事の際など軍を臨時に増強する必要があると大統領と議会が承認した場合に徴兵される「Selective Service System(選抜徴兵登録制度、SSS)」のリストに登録することが義務付けられている。18〜26歳までの男性永住権保持者がSSSに登録しなかった場合は在留期間の条件を満たしても市民権申請を拒否される場合がある。ベトナム戦争以後、SSSによる徴兵は2019年現在まで実施されていない。
  • 大学生ではあるが、同時に軍事訓練を積み軍人教育を受ける予備役将校訓練課程が存在する。卒業後数年間は軍役に就く事を誓約し、大学在学中も非常事態時には召集される可能性がある。在学中は学費全額支給に加え奨学金数百ドルを受け取り、卒業後は最低でも少尉で入隊出来る。アメリカの大学の学費は高額であり学費はローンでまかなっている場合が多い。経済的な理由で進学を断念する者が多い為、軍費補助による学位取得制度への競争率は高い[注釈 6]。なお入隊前に学費補助で大学へ通うROTC制度の他に、軍役中に大学(日本で言う二部もしくは基地内にあるサテライトキャンパス)へ通える制度や退役後の大学資金積み立て制度などもある。

脚注


注釈

  1. ^ 初回兵役可能年齢の上限は陸軍が35歳[1]、海兵隊は28歳、海軍は34歳、空軍は39歳[2]、沿岸警備隊は27歳[3]
  2. ^ 武官士官のみ)から構成され、将官佐官尉官階級が定められている組織である。6軍種の他に商務省海洋大気局所属の海洋大気局士官部隊National Oceanic and Atmospheric Administration Commissioned Corps)と公衆衛生局傘下の公衆衛生局士官部隊United States Public Health Service Commissioned Corps)があり、この2つの組織は共に海軍・沿岸警備隊と同様の階級(「中将 - Vice Admiral」など)および制服(冬服 - 黒色 / 夏服 - 白色)が定められ、6軍と同様にジュネーヴ条約による傷病者・捕虜としての保護の対象となる[10]
  3. ^ 日本国民で永住権を取得し海兵隊に志願・入隊した越前谷儀仁がいる
  4. ^ 現役・退役軍人、地元の政治家や名士、学校長などが書いた推薦文。
  5. ^ 観光などの滞在は『居住』とはみなされない
  6. ^ 基本的に大卒は士官から高卒は兵からのスタートであるので、ROTC出身者が初任階級上で特に優遇されているわけではない。

出典

  1. ^ United States Army”. Goarmy.com. 2013年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月18日閲覧。
  2. ^ Contact Us: Frequently Asked Questions - airforce.com”. airforce.com. 2015年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月1日閲覧。
  3. ^ Plan Your Next Move to Become a Coast Guard Member”. Enlisted Opportunities. U.S. Coast Guard. 2014年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月27日閲覧。
  4. ^ QUICK FACTS AND FIGURES”. Selective Service System. 2018年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月6日閲覧。
  5. ^ Number of births in the United States from 1990 to 2016 (in millions)”. Statista (2018年). 2018年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月6日閲覧。
  6. ^ a b IISS 2019, p. 47.
  7. ^ a b Defence Expenditure of NATO Countries (2012-2019)”. NATO Public Diplomacy Division (2019年6月25日). 2019年7月18日閲覧。
  8. ^ As stated on the official U.S. Navy website Archived 29 June 2011 at the Wayback Machine., "armed forces" is capitalized when preceded by "United States" or "U.S.".
  9. ^ 米軍(べいぐん)の意味”. goo国語辞書. 2020年11月6日閲覧。
  10. ^ a b c 合衆国法典第10編第101条 10 U.S.C. § 101
  11. ^ 10 U.S.C. § 101(a)(4)
  12. ^ Trump Signs Law Establishing U.S. Space Force” (英語). U.S. DEPARTMENT OF DEFENSE. 2019年12月21日閲覧。
  13. ^ 徴兵制度 - アメリカンセンターJAPAN”. americancenterjapan.com. 2023年11月5日閲覧。
  14. ^ O’Sullivan, Michael; Subramanian, Krithika (17 October 2015). The End of Globalization or a more Multipolar World? (Report). Credit Suisse AG. 2018年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月14日閲覧
  15. ^ アメリカ合衆国と中国だけで全世界の軍事費の半分以上…主要国の軍事費最新情報(2023年公開版)(不破雷蔵) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2023年11月5日閲覧。
  16. ^ Wayback Machine” (2015年9月5日). 2015年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月18日閲覧。
  17. ^ Coast Guard Organization and Administration, Chapter One”. 2013年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月7日閲覧。
  18. ^ '15 Fascinating Facts You Never Learned About America' – Reader's digest”. rd.com. 2017年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月11日閲覧。
  19. ^ Annual Aviation Inventory and Funding Plan Fiscal Years (FY) 2019-2048”. 2020年7月19日閲覧。
  20. ^ 米映画「トップガン」続編の制作開始で海軍と空軍が「舌戦」 宣材写真の戦闘機めぐり性能論争 - 産経ニュース
  21. ^ “米軍の同性愛者入隊規制、撤廃される”. (2011年9月21日). https://www.afpbb.com/articles/-/2829520?pid=7808219 2013年1月24日閲覧。 
  22. ^ “米軍は5年前、女性兵だけの特殊部隊をアフガンに投入していた”. (2016年7月1日). https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/07/post-5412.php 2020年7月24日閲覧。 
  23. ^ Transgender People Can Enlist in Military Jan. 1, Pentagon Says
  24. ^ “米宇宙軍、正式に発足=司令官「対中ロで優勢維持」”. 時事通信社. (2019年8月30日). https://web.archive.org/web/20200722083141/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019083000262 
  25. ^ “米宇宙軍、正式に発足 トランプ大統領が発表”. CNN. (2019年8月30日). https://www.cnn.co.jp/usa/35141982.html 
  26. ^ “米宇宙軍、統合軍として発足…中露の抑止狙う”. 読売新聞. (2019年8月30日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20190830-OYT1T50167/ 
  27. ^ “米国防総省が「宇宙統合軍」を発足 宇宙空間で中露に対抗”. 産経新聞. (2019年8月30日). https://www.sankei.com/article/20190830-362D7PMNWFPLTD4EXW57L3XEDI/ 
  28. ^ “トランプ大統領 「宇宙軍」創設 陸軍や海軍などと同格”. NHK. (2019年12月21日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191221/amp/k10012223811000.html 
  29. ^ “米宇宙軍が発足、陸海空と並ぶ、軍拡競争激化の恐れ”. 共同通信社. (2019年12月21日). https://this.kiji.is/580930430141154401?c=39546741839462401 
  30. ^ 憲法第2章第32条
  31. ^ 合衆国法典第10編第162条 10 U.S.C. § 162
  32. ^ 憲法第1章第8条
  33. ^ 合衆国法典第10編第3013– 3014条 10 U.S.C. §§ 30133014
  34. ^ 合衆国法典第10編第5013– 5014条 10 U.S.C. §§ 50135014
  35. ^ 合衆国法典第10編第8013– 8014条 10 U.S.C. §§ 80138014
  36. ^ 合衆国法典第10編第5013a条 10 U.S.C. § 5013a合衆国法典第14編第3条 14 U.S.C. § 3
  37. ^ 令和5年版防衛白書”. 防衛省・自衛隊. 2023年11月5日閲覧。
  38. ^ アメリカが世界170ヶ国に米軍基地を保有”. Pars Today (2018年1月24日). 2022年4月25日閲覧。
  39. ^ 『The Military Balance 2003』
  40. ^ 独駐留米軍、1万2000人削減…米長官「NATO強化し露への抑止力高める」”. 読売新聞 (2020年7月29日). 2020年7月20日閲覧。
  41. ^ 豪での米軍駐留拡大へ 原潜建造に次ぎ連携強化―2プラス2:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2021年9月17日閲覧。
  42. ^ “アフガニスタンから米軍撤退完了 「最も長い戦争」に終止符”. NHKニュース. (2021年8月31日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210831/k10013233751000.html 2021年8月31日閲覧。 
  43. ^ “【今、何が問題なのか】「上官の命令は絶対」で沈黙…日常的に性的暴行受ける米軍新兵女性”. 産経新聞. (2012年7月4日). https://web.archive.org/web/20120704200922/http://sankei.jp.msn.com/world/news/120704/amr12070411010004-n1.htm 
  44. ^ 憲法のある風景:公布70年の今/1 9条に迷い救われ 被爆、渡米、ベトナム戦、脱走 日米の間に生きた - 毎日新聞





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アメリカ軍」の関連用語

アメリカ軍のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アメリカ軍のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアメリカ軍 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS