アメリカ合衆国 地理

アメリカ合衆国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/16 15:43 UTC 版)

地理

アメリカ本土及び周辺地域の合成衛星画像

アメリカ合衆国は本土の48州と、飛び州のアラスカハワイの2州、連邦直属の首都ワシントンD.C.から構成される。さらに、海外領土としてプエルトリコアメリカ領サモアグアムヴァージン諸島などがある。

国土面積はおよそ930 - 960万km2とされ、日本(37.8万km2)の約25倍の規模である。統計によって数値に揺らぎがあるのは、おおむね五大湖水域の処理の仕方に起因するものである。その他の大国と比較すると、ロシア、カナダに次ぐ面積であり、中華人民共和国とは拮抗している。すなわち世界で第3位もしくは第4位の面積を有するということになる。

本土は北アメリカ大陸の中央部と北西にあり、東側は大西洋、南側をメキシコ湾メキシコ合衆国、西側を太平洋、そして北側をカナダで囲まれる。北側に隣接するカナダとは、北緯49度線、五大湖セントローレンス川で国境線が引かれ、カナダを挟んで北西にさらに進むと飛び地としてアラスカがある。南側はリオグランデ川を介してメキシコと接する。大陸の東側に南北にアパラチア山脈、大陸の西寄りには南北にロッキー山脈があり、山岳地帯となっている。アパラチア山脈とロッキー山脈の間は大平原になっており、農業や牧畜業が盛んである。大陸の南東端にはフロリダ半島がある。北西部のカナダとの国境地域には五大湖と呼ばれる湖がある。

アパラチア山脈の東側はニューヨークワシントンD.C.ボストンなどの都市があり人口集中地帯になっている。ロッキー山脈の西側の太平洋沿岸にもロサンゼルスサンフランシスコシアトルなどの大都市がある。五大湖沿岸にはシカゴデトロイトなどの大都市があるが、大陸の中西部には大都市が比較的少ない。

気候

アメリカ合衆国各地の平年値(統計期間:1980年 - 2010、出典:気象庁
平年値
(月単位)
ハワイ アラスカ 太平洋側 西部内陸 中西部
ホノルル ヒロ バロー フェアバンクス アンカレッジ ヤクタト シアトル サンフランシスコ フレズノ ロサンゼルス ラスベガス デスバレー[75] フェニックス ソルトレイクシティ デンバー ファーゴ ミネアポリス シカゴ デモイン
気候区分 BSk Af ET Dfc Dfc Cfc Cfb Csb BSh Csa BWh BWh BWh Cfa BSk Dfb Dfa Dfa Dfa
平均
気温
(°C)
最暖月 27.9
(8月)
24.8
(8月)
5.0
(7月)
17.2
(7月)
14.9
(7月)
12.5
(7月)
18.9
(8月)
18.2
(9月)
28.3
(7月)
21.0
(8月)
33.2
(7,8月)
39
(7月)
34.9
(7月)
26.1
(7月)
23.0
(7月)
21.6
(7月)
23.2
(7月)
23.3
(7月)
24.5
(7月)
最寒月 23.0
(1,2月)
21.9
(1月)
−25.8
(1月)
−21.9
(1月)
−8.2
(1月)
−2.1
(1月)
4.9
(12月)
10.1
(1月)
8.2
(12月)
14.0
(12月)
8.3
(12月)
10.9
(12月)
13.1
(12月)
−1.3
(1月)
−0.3
(1月)
−12.6
(1月)
−8.8
(1月)
−4.6
(1月)
−5.3
(1月)
降水量
(mm)
最多月 74.3
(12月)
349.0
(11月)
26.6
(8月)
55.2
(7月)
37.4
(6月)
531.8
(10月)
169.2
(11月)
105.8
(2月)
55.9
(1月)
90.6
(2月)
19.3
(2月)
9.9
(1月)
26.9
(3月)
51.6
(4月)
59.0
(5月)
105.2
(6月)
109.7
(7月)
123.2
(8月)
122.3
(6月)
最少月 6.2
(6月)
184.6
(6月)
3.2
(2月)
7.4
(7月)
12.4
(2月)
160.4
(6月)
16.7
(7月)
0.1
(7月)
0.1
(8月)
0.3
(8月)
2.1
(6月)
0.8
(5月)
0.6
(6月)
17.9
(8月)
12.4
(1月)
15.1
(2月)
17.1
(2月)
44.3
(1月)
21.8
(1月)
平年値
(月単位)
中西部 南部 北東部
デトロイト カンザスシティ インディアナポリス オクラホマシティ ダラス ヒューストン ニューオリンズ オーランド マイアミ ナッシュビル アトランタ シャーロット ワシントンDC ピッツバーグ バッファロー ニューヨーク ボストン コンコード カリブー
気候区分 Dfa Cfa Cfa Cfa Cfa Cfa Cfa Cfa Am Cfa Cfa Cfa Cfa Cfa Dfb Cfa Cfa Dfb Dfb
平均
気温
(°C)
最暖月 23.1
(7月)
25.7
(7月)
24.2
(7月)
27.8
(7月)
29.8
(7月)
29.1
(7月)
28.2
(7,8月)
28.2
(7,8月)
28.9
(8月)
26.6
(7月)
26.8
(7月)
26.6
(7月)
26.6
(7月)
22.8
(7月)
21.8
(7月)
25.3
(7月)
23.1
(7月)
21.1
(7月)
18.7
(7月)
最寒月 −3.2
(1月)
−1.3
(1月)
−1.7
(1月)
3.5
(1月)
8.2
(1月)
11.8
(1月)
11.6
(1月)
16.1
(1月)
20.1
(1月)
3.6
(1月)
6.3
(1月)
5.6
(1月)
2.3
(1月)
−1.7
(1月)
−3.5
(1月)
1.0
(1月)
−1.5
(1月)
−5.8
(1月)
−12.1
(1月)
降水量
(mm)
最多月 89.9
(6月)
50.0
(2月)
133.4
(6月)
122.2
(6月)
115.9
(5月)
157.2
(6月)
154.2
(11月)
192.1
(6月)
248.3
(6月)
139.5
(5月)
136.0
(7月)
108.6
(8月)
101.2
(5月)
110.3
(6月)
103.6
(11月)
111.4
(7月)
113.9
(3月)
102.8
(10月)
105.0
(7月)
最少月 27.6
(1月)
57.0
(2月)
62.7
(2月)
34.3
(1月)
47.7
(8月)
78.2
(2月)
93.5
(8月)
55.0
(2月)
43.0
(1月)
77.5
(10月)
83.7
(10月)
75.4
(5月)
63.8
(2月)
57.9
(10月)
63.1
(2月)
67.8
(2月)
78.8
(2月)
59.8
(2月)
54.5
(2月)

アメリカの気候は広い国土のためにきわめて多様である。最北部が北極圏に属するアラスカは、年間を通じて冷涼な気候である。ほぼ全域が亜寒帯に属し、北極圏には寒帯ツンドラ気候が分布するが、南岸部は暖流の影響で西岸海洋性気候も見られる。一方、太平洋上の諸島であるハワイは温暖な気候で、ビーチリゾートとして人気がある。本土では、北東部から北にかけて湿潤大陸性気候が占め、冬は寒いが、夏はかなり暑い。東部から中央部は亜寒帯湿潤気候だが、グレートプレーンズ周辺や、カナダとの国境部では暑くなる日も多い。エリー湖オンタリオ湖南岸はアメリカの平野部でもっとも降雪量が多いが、日本の日本海側と比べるとかなり少ない。南東部から南部は温暖湿潤気候で、フロリダ南端ではサバナ気候が見られる。西部は一般的に乾燥していてステップ気候が広く見られ、メキシコ国境付近では砂漠気候が確認できる。さらに、太平洋岸南部は地中海性気候だが、太平洋岸北部へ進むとアラスカ南東端と同じく西岸海洋性気候となる。

自然災害には、メキシコ湾岸の集中豪雨、メキシコ湾岸と大西洋岸南部のハリケーン、中央部の平原に多い竜巻、カリフォルニア州の地震、南カリフォルニアの夏の終わりのスモッグ山火事五大湖や東海岸の大雪などがある。

アメリカ中西部〜南部からメキシコ湾沿岸にかけての地域は、北極からの寒気を遮る山脈がないため、緯度のわりに猛烈な冷え込みを記録することがあり、普段は温暖なフロリダ半島北部やメキシコ湾沿岸地域でも氷点下まで下がることも珍しくない。

自然環境

1782年以後、米国の国鳥であるハクトウワシ

アメリカ合衆国では、在来種だけで約1万7,000種の植物が確認されており、カリフォルニア州だけで5,000種の植物が現存する。 世界でもっとも高い木(セコイア)、もっとも大きな木(セコイアデンドロン)、もっとも古い木(ブリッスルコーンマツ)は同州に存在する[76]。動物界では400種以上の哺乳類、700種以上の鳥類、500種以上の爬虫両生類、9万種以上の昆虫が確認されている[77]

ベーリング海峡ユーラシア大陸と、パナマ地峡南アメリカ大陸とつながっているため、旧北区新熱帯区とは同じ種や近縁の種を共有している。ロッキー山脈は低地の生物にとって遺伝子流動の障害となっており、ロッキー山脈の東と西では異なる種の動植物が分布する。熱帯から北極圏にまたがる国土のため、アメリカは多様な動植物相を持つ。ハワイ諸島とカリフォルニア州は世界的な生物多様性のホットスポットである。

しかし、西部開拓期以降には農場開発など人間の営為の障害となる生物を駆除していったためにアメリカバイソンやオオカミなど多くの種が絶滅の危機に瀕することなった。リョコウバトカロライナインコは駆除の結果絶滅した。約6,500種の外来種が作為的あるいは非作為的に持ち込まれて帰化しており[78]、少数の侵略的外来種が固有の動植物の生存を脅かし、甚大な経済的被害をもたらしている。

自然保護

アメリカバイソンは、アメリカ合衆国の自然破壊と自然保護の象徴的動物である。白人移住前は6,000万頭いた個体数も西部開拓期に駆除され、1875年には1,000頭にまで減少した。以降、保護の対象となり国立公園で個体数を回復した。2016年には「国獣」とされた

アメリカにおける動植物の保護の歴史は長い。1872年にイエローストーン国立公園が世界初の国立公園に制定されて以来、連邦政府は57の国立公園とその他の国有地を保護してきた[79]。一部の地域では、人の影響を受けていない環境を長期的に保存するために保護区としての原生地域が指定されている。連邦政府は国土の28.8%にあたる総面積264万3,807km2を保護しており[80]、大部分は国立公園や国定森林として保護されているが、一部は原油天然ガス、その他の鉱産資源の採掘や牛の放牧のために賃貸されている。1973年には固有の動植物と生息地を保護するために絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律が制定された。この法律に従って絶滅危惧種と絶滅危機種の現状を観察し、種の存続に不可欠な生息地を保護する機関が魚類野生生物局(The U.S. Fish and Wildlife Service)である。個々の州も独自に種と生態系の保全を行っており、連邦と州の協力を促す制度も存在する。魚類野生生物局や国立公園局、森林局などを統括する内務長官は大統領に任命されるため、生態系の保全も行政のほかの部門と同じく政権の優先事項に大きく左右される。

2007年現在、アメリカ合衆国の化石燃料の消費による二酸化炭素の排出量は中華人民共和国に次いで世界第2位である[81]が、国民1人あたりの排出量は依然として世界第1位である。




注釈

  1. ^ 法で定められた公用語は存在しない。詳しくは#言語を参照。
  2. ^ 例えば、在スペイン米国大使館は自らのことを、the embassy of the "Estados Unidos"(文字通り"states"と"united")と呼称し、"EE.UU." というイニシャルを使用している(二重になっている文字はスペイン語で複数形であることを示す)。 [1] 他方、こちらでは "Estados Unidos de América" が使用されている [2]
  3. ^ 2012年現在、UFCとStrikeforceの運営会社は同一である

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