アミトリプチリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/04 10:00 UTC 版)
薬理
抗うつ作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、脳内におけるノルアドレナリンおよびセロトニン再取り込みを抑制する結果、シナプス領域にこれらモノアミン量が増量することにより、抗うつ作用を示すと考えられている。
アミトリプチリンは、ラット脳においてノルアドレナリンの再取り込み、およびマウス脳切片でのセロトニンの再取り込みを抑制することが確認されている。
また、レセルピン及びテトラベナジンに対する拮抗作用があり、アミトリプチリンはマウスにおいて、レセルピンによる体温降下、およびテトラベナジンによる鎮静作用を抑制する。
加えて、麻酔イヌにおけるノルアドレナリンの昇圧反応を、アミトリプチリンは増強する[11]。
剤形
日本ではアミトリプチリンは塩酸塩として販売され10mg錠と25mg錠とがある。先発品の商品名は以下である。
- トリプタノール 日医工より。2010年12月27日にMSD(旧萬有製薬)より、製造販売権利を継承[12]。
- ラントロン アステラス製薬より。もとは、藤沢薬品工業を吸収合併した山之内製薬の商品。
- 旧称ノーマルン 沢井製薬より。2014年12月末より、名称はアミトリプチリン塩酸塩錠「サワイ」に順次切り替えされた。
トリプタノールについては後発医薬品が発売されている。ラントロンとノーマルン(「サワイ」)については、トリプタノールとは一部成分が異なることから、先発薬の扱いとされ、特許期限内にあるため後発品は発売されていない。
出典
- ^ a b CG173: Neuropathic pain – pharmacological management: The pharmacological management of neuropathic pain in adults in non-specialist settings (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2013-11). Chapt.1.1.8 .
- ^ a b c d 世界保健機関 2010, DEP3.
- ^ a b 世界保健機関 2010, DEP2.
- ^ 佐藤寿「ループス腎炎に対するセルセプトなど保険適用に公知申請の事前評価終了により3薬剤の適応外処方認められる」日経ドラッグインフォメーション、2015年8月7日
- ^ 日本医事新報 No.4457, 26
- ^ 世界保健機関 2010, DEP.
- ^ a b CG26: Post-traumatic stress disorder (PTSD): The management of PTSD in adults and children in primary and secondary care (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2005-03). Chapt.1.9.3 .
- ^ 日本神経学会・日本頭痛学会『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』(pdf)医学書院、2013年。ISBN 978-4-260-01807-4 。
- ^ Maizels M (2004). “The patient with daily headaches”. Am Fam Physician 70 (12): 2299–306. PMID 15617293 .
- ^ Boyle J, Eriksson ME, Gribble L, Gouni R, Johnsen S, Coppini DV, Kerr D (2012). “Randomized, placebo-controlled comparison of amitriptyline, duloxetine, and pregabalin in patients with chronic diabetic peripheral neuropathic pain: impact on pain, polysomnographic sleep, daytime functioning, and quality of life”. Diabetes Care 35 (12): 2451–8. doi:10.2337/dc12-0656. PMC 3507552. PMID 22991449 .
- ^ 「トリプタノール錠 添付文書」 日医工 株式会社(2011年2月9日閲覧)
- ^ 日本薬局方 アミトリプチリン塩酸塩錠『トリプタノール錠25』製造販売承認 承継に伴う包装仕様変更のご案内
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