アニメ コンテンツ エキスポ アニメ コンテンツ エキスポの概要

アニメ コンテンツ エキスポ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 00:07 UTC 版)

アニメ コンテンツ エキスポ 2012

開催までの経緯

東京国際アニメフェアとの分裂騒動

東京都主催の東京国際アニメフェア(TAF)の2011年の開催に関して、コミック10社会に加盟する出版社が一斉にボイコットを表明、この事務局を担当する日本動画協会が実行不能な事態になると声明を公表した[1]。これは都議会2010年12月に成立した東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案が、過剰な表現規制を志向したものであるとして業界が反発したものである。

こうした中、2011年3月24日から27日まで(前半2日はビジネスデー、後半2日が一般公開)開催が予定されていたTAF2011に事実上対抗する形で企画され[2]26日・27日に幕張メッセ展示ホール3&4での開催が決定されたものである[3]。ただし、TAFとの日程のバッティングに関しては、準備委員会のメンバーである角川書店社長・井上伸一郎は「全くの偶然」として故意性を否定していた[4]

また、同一日程で幕張メッセでは、アニメソングの音楽フェスティバル「A FES」が開催される予定であった[5]

震災による中止(2011年)

しかし3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)に伴い、TAF2011・ACE共に開催中止となった。

3月14日に、A FESが開催中止を発表[6]3月16日にはTAF2011の中止が発表され[7]、日程が競合することはなくなったが、ACEも3月17日に中止を決定、公表した[8]

5月17日、TAF主催者側である石原慎太郎東京都知事は「ニコニコ生放送」で配信された生中継番組『田原総一朗 談論爆発!』に出演した際、震災によるイベントの中止について「ざまあみろ」と述べ、「エロマンガの内容には目をつぶるが、そのような本を子どもの手の届くところに置くなという条例を作ったもので、なぜこれが言論統制なのか」と主張し、条例案への批判は的外れという見方を示した[9][10]。その場に同席した田原総一朗は「例えば大人の本でも、ヌードが多い本なんかは、ビニールで囲ってある。その程度のことをやれってことでしょ?」と同意を示した[9][10]。この時の「ざまあみろ」との発言に関して、朝日新聞は「このような発言を続ける人物が首都の首長でいられること、そして選んだ都民の神経を疑う」という読者の投書を載せた[11]

週プレNEWS』によれば、アニプレックスのプロデューサー・高橋祐馬はアニメ コンテンツ エキスポの主催者を代表して「映像メーカーは条例の問題以前に、出版社と歩みを共にするという意識が強かった」と話している[12]

1年越しの初開催へ

その後、ACEは10月24日に、翌2012年3月31日4月1日、前年に予定していた会場と同じ幕張メッセにおいて、改めて開催することを正式に発表した。

高橋祐馬は、2011年に予定していたものと同規模または数割増での動員を仮計算しても運営費が数千万円の赤字になること、それでも昨年応援してくれたファンへの感謝の気持ちから開催するとしている[13]。なお、2012年のTAFは3月22日から25日まで(前半2日はビジネスデー、後半2日が一般公開)となり、日程は重複しなかった。

角川の関係者はこの分裂状況について「目的は同じ。いつまでもすみ分けするのがいいと思ってはいない」と述べている[14]

初開催となったACE2012は、5万枚の事前入場券を発売[15]し、2日間での総来場者は約4万2千人となった[16]

2012年の開催終了後、実行委員会は、2013年内の開催に関しては未定としており、2012年は「アニメコンテツエキスポ」という形で提示したが『ファンと作品との良い出逢いの場を作る』という目的のためにより良い形があるのであれば改めて提示する、とのコメントを発表した[17]

終焉、そしてAnimeJapanへと発展

そして同年10月1日に、2013年も開催する事が正式に発表され[18]、出展社数を増やすとともに会場も広くした。結果的に2日間で7万675人が来場し、2013年のパブリック2日間で8万1441人が来場したTAFに匹敵するアニメイベントとなった[19][20]

しかし、2014年からはTAFと統合する形で「AnimeJapan」として新たに開催されることが決定されたため、ACEは2013年で終了となった。


  1. ^ 東京都青少年健全育成条例に関して(日本動画協会)
  2. ^ 『アニメ コンテンツ エキスポ』開催に関するお知らせ(角川書店)
  3. ^ “東京国際アニメフェア同日に「アニメコンテンツエキスポ」 角川などアニメ8社”. ITmedia. (2010年12月28日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1012/28/news065.html 2010年12月29日閲覧。 
  4. ^ “都青少年健全育成条例改正:性描写規制、「つぶやき」うねりに 角川書店社長に聞く”. 毎日jp (毎日新聞社). (2011年1月31日). オリジナルの2011年2月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110202233455/http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110131ddm012010048000c.html 2011年1月31日閲覧。 
  5. ^ “幕張舞台に巨大アニソンフェス「A FES」2DAYS開催”. ナタリー. (2010年12月16日). https://natalie.mu/music/news/42168 2010年12月29日閲覧。 
  6. ^ A FES開催中止のお知らせ
  7. ^ 東京国際アニメフェア2011開催中止のお知らせ Archived 2011年3月19日, at the Wayback Machine.
  8. ^ 公式サイトTOP
  9. ^ a b “石原慎太郎×田原総一朗(5) 「大手出版社のアニメエキスポ震災でパーになった。ざまあみろ」”. ニコニコニュース (ニワンゴ). (2011年5月18日). https://news.nicovideo.jp/watch/nw64383 2012年4月2日閲覧。 
  10. ^ a b “震災でアニメイベント中止 石原都知事「ざまあみろ」”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2011年5月18日). https://www.j-cast.com/2011/05/18095851.html?p=all 2011年5月24日閲覧。 
  11. ^ 朝日新聞 2011年5月27日付 第13版「声」
  12. ^ 週プレNEWS 2011年12月27日 出版社 VS 石原都政がもたらした“アニメフェアの分裂”アニメ関係者たちの意外なホンネ
  13. ^ アニメメーカー横断 宣伝マンブログ 2012年01月30日 高橋祐馬「アニメコンテンツエキスポ2012 開催に向けて
  14. ^ 都条例めぐりアニメフェア分裂 性描写規制、和解遠く フジサンケイビジネスアイ2012年3月25日
  15. ^ “メッセでアニメの祭典 ACE初開催、多彩な催し 千葉市内舞台「俺妹」続編決定も”. 千葉日報. (2012年4月2日). http://www.chibanippo.co.jp/c/news/local/75682 2012年4月7日閲覧。 
  16. ^ “アニメコンテンツエキスポ :総来場者数は4万2000人”. 毎日新聞デジタル. (2012年4月2日). https://mantan-web.jp/article/20120402dog00m200016000c.html 2012年4月7日閲覧。 
  17. ^ 2012年4月2日 産経新聞
  18. ^ アニメ コンテンツ エキスポ 2013年の開催発表 会場は幕張メッセ4ホールに拡大 アニメ!アニメ! 2012年10月9日閲覧。
  19. ^ 2013年04月01日 MANTANWEB「来場者数は7万人超え 前回の1.7倍増
  20. ^ アニメコンテンツエキスポが大盛況 来場者数7万人超 前年比70%増 | アニメ!アニメ!
  21. ^ 出展社一覧 | アニメ コンテンツ エキスポ Archived 2011年1月28日, at the Wayback Machine.


「アニメ コンテンツ エキスポ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アニメ コンテンツ エキスポ」の関連用語

アニメ コンテンツ エキスポのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アニメ コンテンツ エキスポのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアニメ コンテンツ エキスポ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS