アニメソング アニメ音楽作曲家

アニメソング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 08:14 UTC 版)

アニメ音楽作曲家

制作会社

主題歌やサウンドトラックなど音源制作は、大手レコード会社(ポニーキャニオン、NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン、ブシロードミュージック等)で一括して自前で行っている作品も多いが、他社と分担する作品も増えている。

また、アニプレックス・SACRA MUSIC(ソニー・ミュージックエンタテインメント)、flying DOG(JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)、エイベックス・ピクチャーズ(エイベックス)、キング・アミューズメント・クリエイティブ本部(キングレコード)、ランティス(バンダイナムコアーツ)などのアニメ専門のレーベルや、ポニーキャニオンなどのレコード会社で制作している。

アニメソング史

1929年、同名の童謡をアニメ化したレコード・トーキーによる実験映画『黒ニャゴ』(1931年公開)が製作され、市販のレコードがサウンドトラックとして使用された事が始まりと言われている。

東映動画が本格的に長編まんが映画を制作し始める以前、および東映動画の初期の作品では、アニメソングは主に登場人物によって歌唱される劇中歌の扱いが多く、主題歌はテレビ・ラジオドラマで主に使用されていた。それらのアニメソングはレコードとして発売される事は少なく、ほとんどの曲は未発売である。東映動画の総天然色長編漫画映画の劇中歌は後にCD-BOX『東映長編アニメ音楽大全集』(1996年発売)に収録された。

朝日ソノラマの『まんがソノシート』のヒット、連続テレビまんがの放映開始、主題歌フォノシートの各社競作発売、日本コロムビアの専用規格での参入から「まんがの歌(=アニメソング)」はほぼ成立し[5][6]、「テレビまんが」「まんが映画」から「アニメ」と呼称の変化を経て、「アニメソング」はジャンルとして確立した。

物品税の時代は童謡と判定されれば非課税であったため、アニメソングを『童謡扱い』とするレコード会社もあった。

商業史

朝日ソノラマの『まんがソノシート』のヒットから、「まんがの歌」の本格的な商品展開が始まり[5]、テレビまんがの登場、アニメブーム、声優ブームなどを経て、その規模を大きく広げている。

朝日ソノラマの『まんがソノシート』の安価で、ドラマや絵物語等の掲載された冊子が充実したフォノシート、音質に勝るが収録内容に劣るレコード、ともに子供たちに支持されて売り上げをのばす[6][注釈 1]

当初の音源は、本編用・レコード用等に分けて[7] 作品の製作会社や朝日ソノラマが製作していたが、やがてレコード会社がオリジナル曲の独占使用を目的として原盤製作を行うようになった[5]

1977年日本コロムビアから『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』、1978年キングレコードからオムニバス盤『ウルトラマン大百科』が発売され、ヒットした。『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』は以降のアニメ・特撮のサントラ盤『組曲シリーズ』の発売に、『ウルトラマン大百科』は『無敵超人ザンボット3』(1977年)のサントラ盤発売につながり、それらのヒットから以降の特撮・アニメサントラ盤の発売へと繋がった[8]。『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』などのヒットにより、購買層は中高生層まで広がり、多くのレコード会社がアニメソングに着目するようになったとされる[9][注釈 2](『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』を作った際に念頭にあったモデルは『子どものための交響詩 ジャングル大帝』であったといわれる)。木村英俊によると、1983年当時、アニメレコードの市場規模はざっと100億円とみられ、既に固定した市場が確立していた[11]

1980年代に入ると、第二次声優ブーム、青年層が中心のアニメブーム、レコード会社のタイアップ戦略などの結果、頻繁に交代する主題歌、キャラクター別CD、同人誌のようなセルフパロディCD、声優によるオリジナルCDの発売など、多数のオーディオビジュアルアイテムが発売されるようになった。また、限定盤を除いてレコード盤の製造・販売が終了した。以降、コレクターズアイテムとしてレコード盤は一部の作品のみの数量限定生産となった。

1987年、「絵の出るCD」としてCDビデオが発売された。アニメでは、音声トラックに既発売の曲を収録したほか、ビデオトラックにノンテロップOP、EDを収録した『きまぐれオレンジロード』、新作PVを収録した『バブルガムクライシス』のほか、ビデオトラックのみにPVと主題歌を収録した『毎日が日曜日』などが発売された。

2000年代前半頃から、音楽配信サイトでのダウンロード販売が増え始めた。また、音楽配信サイトだけではなく、一部のアニメ関連サイトでも専用のダウンロードコーナーが設置されるようになった。

2001年、俗に「限定版商法」または「同梱商法」と呼ばれる販売手法が始まる。初回生産分のみに何らかの特典が付く商品[注釈 3] とは違い、何らかの特典が付いた初回限定版と、特典が最初から付いていない通常版がそれぞれ販売される[注釈 4] もので、当初は音楽ソフトとは全く関係のないグッズが同梱されていた[注釈 5] が、後にミュージッククリップなどが収録されたDVDソフトやボーナスCDが同梱されることが多くなった。DVDソフトの「限定版商法」では、当初はフィギュアなどのグッズを同梱することが多かったが、後に主題歌CD、ドラマCD、サントラCDなどが同梱されることが多くなった[注釈 6]

2002年DVDオーディオDVD music、DVDシングルなどのDVDを利用した音楽ソフトが発売された[注釈 7]

2010年、一部新番組の宣伝用としてOP/EDのTVサイズとボイスメッセージ等を収録したレンタル専用のサンプラーCDの発売が開始された[注釈 8]。レンタル専用なので一般販売はしていないが、レンタル落ちCDとして入手可能。

2011年頃から、パッケージ販売化されていない音源の音楽ダウンロードサイトでの販売が始まる[注釈 9]

2012年、パッケージ発売に先駆けてTVサイズ音源のダウンロード販売が始まる。

主な出来事




出典

  1. ^ #資料・参考文献節を参照。
  2. ^ a b 「売れる売れるレコード 子ども向きのテレビ番組主題歌」『読売新聞』1971年7月15日付夕刊、7頁。
  3. ^ 「子供番組の主題歌うたう “顔のない歌手”の売れっ子たち」『読売新聞』1976年3月16日付夕刊、7面。
  4. ^ 「新人で歌やイベントがNGなら仕事が難しい」変わりゆく声優の現状をプロが真剣討論 エキサイトレビュー 2015年5月11日、同12月1日閲覧。
  5. ^ a b c 木村英俊『THE アニメソング』を参照。
  6. ^ a b 競作発売など当時の音盤事情に関しては「ウルトラマン大全集(講談社・1987年)」の「空想特撮シリーズ音盤目録」の項を参照。
  7. ^ 『TVサイズ!メタルヒーロー全主題歌集』(2002年)解説書を参照。
  8. ^ 『アニメ大好き!』(徳間書店)1982年、149頁参照。
  9. ^ 「アニメ・レコード戦線に“異変”あり!!」『アニメージュ』1980年4月号、142-146頁。
  10. ^ ポストメディア編集部(編)『マクロス音楽の全軌跡 1982-2018 ――歴代アーチスト/クリエイター証言集』一迅社、2018年、244頁。ISBN 978-4-7580-1607-0
  11. ^ 「アニメ戦国時代接近──春休み空前大作3本(ニュースの周辺)」『日本経済新聞』1983年3月31日付夕刊、3頁。
  12. ^ a b 『別冊ゲッカヨ 昭和アニソン大全集』シンコーミュージックエンタテイメント、2013年、4頁。ISBN 978-4-401-63772-0
  13. ^ たいやきくんプロフィール
  14. ^ アニメソング25年史、木村英俊、ジーベック音楽出版、90頁。
  15. ^ 『歌い継がれる名曲案内 音楽教科書掲載作品10000』日本アソシエイツ、2011年、540頁、827頁。ISBN 978-4816922916
  16. ^ 平緒佐和「アニメソングと音楽教科書」『音夢 : わらべ館童謡・唱歌研究情報誌』第7号、わらべ館、2012年、43-46頁。NAID 40019665789
  17. ^ 『コンフィデンス年鑑』1978年版、97頁。
  18. ^ 『オリコン・ウィーク The Ichiban』2001年1月1・8日号(第23巻第1号、通巻1079号)オリコン(現:オリコン・エンタテインメント)、46頁。(2000年8月28日付現在の情報)
  19. ^ 天地テーマソングダウンロード開始します!
  20. ^ 2003年JASRAC賞 「千と千尋の神隠しBGM」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
  21. ^ 2007年JASRAC賞 「ハウルの動く城BGM」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
  22. ^ 【紅白】水樹奈々、亡き父に捧ぐ初出場 「お父さんありがとう」 ORICON STYLE 2010年1月1日、2015年12月1日閲覧。
  23. ^ ビルボードがアニメ楽曲チャート開始 1位に寿美菜子「Startline」、Animeanime.jp、2010年12月1日。(2010/12/1閲覧)
  24. ^ 2011年JASRAC賞 「残酷な天使のテーゼ」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
  25. ^ オリコン/「アナと雪の女王」サントラ盤、46.6万枚、流通ニュース、2014年5月13日。
  26. ^ μ's、『NHK紅白』初出場決定。「アニソンの素晴らしさ、『ラブライブ!』の魅力を伝えたい」 BARKS 2015年 11月26日、同12月1日閲覧。
  27. ^ アニュータ:世界初のスマホ向けアニソン定額配信サービスが誕生 5万曲以上が聴き放題,毎日新聞,2017年3月24日
  28. ^ 倉木麻衣×名探偵コナン、ギネス世界記録認定「本当に信じられない気持ちです」、BARKS、2017年7月25日 19:10。
  29. ^ 2021年JASRAC賞 「紅蓮華」が金賞を受賞、日本音楽著作権協会。
  30. ^ 日本コロムビア創立110周年記念『#コロちゃんフェス』、日本コロムビア - 2020年8月18日閲覧。
  31. ^ デイヴ・スミス、スティーヴン・クラーク、唐沢則幸(訳)『ディズニークロニクル1901-2001 DISNEY The FIRST 100 YEARS』講談社、2001年、37-38頁。ISBN 4-06-210722-8
  32. ^ 『ディズニークロニクル1901-2001 DISNEY The FIRST 100 YEARS』44-45頁。
  33. ^ ディズニーファン編集部(編)、柳生すみまろ(監修・文)『DISNEY FAN MOOK 17 ディズニーアニメーション大全集』講談社、2001年、94-95頁。ISBN 4-06-324017-7
  34. ^ 『ディズニークロニクル1901-2001 DISNEY The FIRST 100 YEARS』46頁。
  35. ^ 『ディズニークロニクル1901-2001 DISNEY The FIRST 100 YEARS』54頁。
  36. ^ 『ギネス世界記録2017(日本語版)』クレイグ・グレンディ(編)、角川アスキー総合研究所、2016年、184頁。ISBN 978-4-04-899606-8
  37. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、34-35頁。
  38. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、34頁。
  39. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、35頁。
  40. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、34-39頁。
  41. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、40-41頁。
  42. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、34頁。
  43. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、42-43頁。
  44. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、43-45頁。
  45. ^ 『国際広報メディア・観光学ジャーナル』No.18、45頁。

注釈

  1. ^ 1971年時点において、アニメ・特撮をはじめとした子供向けテレビ番組は、テレビ番組の中でも特に主題歌レコードの売り上げが好調な分野とされている[2]
  2. ^ ビクター音楽産業から発売されヒットした『超時空要塞マクロス』や『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(第1作)の主題歌のシングル盤は子供ではなく大学生が主な購入層だったという[10]
  3. ^ 設定資料集付きでBOX仕様の『新世紀エヴァンゲリオン』サントラシリーズや林原めぐみの写真集付きアルバムなどが有名。再生産分(規格番号と価格は同じ)からは特典は付かない。
  4. ^ 別商品のため規格番号と価格はそれぞれ別。
  5. ^ 第一弾は恐らく『NOIR ORIGINAL SOUNDTRACK II』。トールケース仕様でマウスパッド付きの限定版の規格番号がVIZL-55(3200円)、特典の付かない通常版の規格番号がVICL-60738(2913円)。ちなみに『NOIR ORIGINAL SOUNDTRACK I』は初回生産分のみトールケース仕様でマウスパッド付き、再生産分からは特典なしのジュエルケースに入った通常仕様CD(規格番号も価格も同じ)だった。
  6. ^ 映像ソフトの初回生産分に特典として音楽ソフトが付く事はビデオカセットの時代からあった。
  7. ^ DVDオーディオの第一弾は『AKIRA』DTSバージョン、DVD musicの第一弾はChangin' My Lifeの「ETERNAL SNOW」(『満月をさがして』エンディング主題歌)
  8. ^ 第一弾は恐らく『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD
  9. ^ 例えば東京ムービーが発売元の子門真人版「王者!侍ジャイアンツ」フルサイズ音源など
  10. ^ 副題は「ウランちゃんとお茶の水博士」(再版では「ロボット・ランドの巻」)。規格番号は初版がB-61、1965年の再版がM-1。
  11. ^ 副題は「地球防衛隊の巻」。規格番号は初期版がB-67、1965年の再版がM-6。
  12. ^ これ以後もアニメソングのミリオンセラーは多数生まれている。
  13. ^ 前者はオリコンLPチャートで6週連続1位(1977年8月29日付〜10月3日付)、シングルもヒットした。後者は1976年12月13日付〜1977年末時点でオリコン「TVまんが・童謡部門」チャートで56週連続1位、その後も記録更新した。
  14. ^ ビルボードチャートでは世界初のアニメソングチャートとなる。
  15. ^ 1969年放送の『海底少年マリン』は米国版主題歌に韓国語歌詞を載せたものが使われた。
  16. ^ 前川陽子の「キューティーハニー」のカバー。
  17. ^ 韓国ではそれ以前に、1998年放送の『キューティーハニーF』の主題歌として原曲の「キューティーハニー」に韓国語の歌詞を載せたものが使われているが、こちらは歌詞の内容が原曲と異なっていた。


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