とんがり帽子のメモル とんがり帽子のメモルの概要

とんがり帽子のメモル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 09:29 UTC 版)

とんがり帽子のメモル
ジャンル 女児向けアニメ
アニメ
シリーズディレクター 葛西治
シリーズ構成 雪室俊一
脚本 雪室俊一、朝倉千筆
鈴木悦夫、高木良子
キャラクターデザイン 名倉靖博(原案)
鈴木欽一郎
音楽 青木望
アニメーション制作 東映動画
製作 朝日放送旭通信社、東映動画
放送局 朝日放送・テレビ朝日系列
放送期間 1984年3月3日 - 1985年3月3日
話数 全50話
漫画
作者 高畑梨絵
出版社 講談社
掲載誌 月刊キャロル
発表号 1984年3月号 - 7月号
映画
監督 佐藤順一
制作 東映動画
封切日 1985年3月16日
上映時間 16分
OVA:とんがり帽子のメモル マリエルの宝石箱
アニメーション制作 東映動画
製作 東映動画
発売日 1985年7月21日
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

開始当初は土曜19時枠で放送されたが、1984年秋の番組改編で日曜8時30分枠に移動となった。この作品以後、テレビ朝日系列日曜8時30分枠は、朝日放送の制作による東映アニメーション枠として、現在まで定着している。

本作以前、東映動画によるテレビ朝日系列のアニメ番組は、『佐武と市捕物控』の一部の話[2]を除き、全てNET(日本教育テレビ)→テレビ朝日の制作だったため[3]、テレビ朝日以外の系列局が全話を制作したのは初めてだった。また、朝日放送にとっても、TBS系列時代を含め東映動画との共同制作は初であり[4]、それまで番組制作面で一時疎遠になっていた[5]東映グループとの関係が恒常的に生じることになった[6]

1985年3月16日には映画が公開され、1985年7月21日にはOVAも発売された。

概要

前述の通り、2023年現在も続く朝日放送の日曜8時30分枠アニメーションの第一作となった作品で[7]、土田勇、名倉靖博らがまるで絵本の中から飛び出したような舞台やキャラクターを産み出した。作画監督には姫野美智只野和子などが名を連ねる。

ストーリー自体もフランススイスの国境近い場所に不時着したリルル星人(姿形は10センチ前後の小人)と地球人の触れ合いを描いたオーソドックスでハートウォーミングなものになっており、大人へも郷愁を煽るものとなっている。また基本的に、根っからの悪人は出てこない。シリーズ構成は雪室俊一、演出は主に佐藤順一が手がけた。

作品のメインターゲットは小学生以下の低年齢層であったが、中学生以上を対象とするアニメ雑誌でも複数回にわたって記事が掲載され、何度か表紙も飾った。放映終了直後にはこの時間帯のテレビアニメとしては珍しく、歌を含まないサウンドトラックのLPレコードがリリースされた。

終了20周年を迎えた2005年からレコードの再発、原画集などが相次いでリリースされ、11月にはDVD-BOXが発売された。この中には渡辺が約20年振りに吹き込んだメモルのコーションメッセージが収録された。

あらすじ

中部ヨーロッパの山中にあるベレヌ村。そのベレヌ村の湖に浮かぶ小さな島に世界一小さな村、リルル村はある。宇宙船の事故で地球に不時着したリルル星人の住むところだ。リルル星人たちは身長10センチ前後で、皆がとんがり帽子をかぶっている。

リルル村に住むメモルはとっても元気でおしゃまな女の子。両親のいるリルル星に帰る日を夢見ながら、毎日友達のポピット、ルパング、ピーとともに元気に遊びまわる。ある日鷲に襲われた小鳥を助けようとして湖の対岸に迷い込んだメモルが見たのは自分たちと同じ姿形、でも何十倍も大きい女の子がピアノを弾く姿だった。

メモルたちがはじめて見た地球人、マリエルは病弱で孤独な女の子。病気療養のためにベレヌ村の山荘を訪れていたのだった。メモルはマリエルと友達になり、その中でとても大切なことをマリエルに伝えてゆく。


  1. ^ 第1回と最終回がともに3月3日である。これは放送日が途中から土曜から日曜に移ったために生じた現象である。
  2. ^ 腸捻転時代の毎日放送制作。スタジオ・ゼロ虫プロダクションと交替で担当。
  3. ^ NETの創業に東映グループが深く関与したため。
  4. ^ 朝日放送は、元々ドラマ部門は『必殺シリーズ』などで松竹と、アニメ部門は東京ムービー日本アニメーション等と関係が深かった。東映本社との実写ドラマも、連続作品は『好き! すき!! 魔女先生』(TBS系時代)と『それゆけ!レッドビッキーズ』(ネットチェンジ後、第52話まではテレビ朝日制作)を制作した程度だった。
  5. ^ 企業としては映画や再放送の番組購入などで関係が深かった。
  6. ^ 朝日放送創立60周年記念映画『君が踊る、夏』も東映との共同制作である。なお、制作委員会にはテレビ朝日及び主要系列局も参加している。
  7. ^ ただし、同枠での放送は第29話以降であり、第28話までは土曜19:00枠で放送された。
  8. ^ リルル星人は天敵のゴロニャンに食べられなければ400 歳まで生きられる(第1話)。
  9. ^ マリエルの母親は故人だが、父親は(娘が何度も死にかけているのにもかかわらず)作中に一度も登場しない。これは実は父親も亡くなっているがマリエルには知らせていない設定であったためで、それではあまりにマリエルが可哀想だという理由から最後まで語られることはなかった。
  10. ^ ルパングは最初の数回、メモルに「ルング」と呼ばれている。
  11. ^ a b 正式表記は「グレイス」だが、第47話のサブタイトルでは「グレース」と誤記されている。
  12. ^ アニメック』1985年5月号、P35
  13. ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1985年3月号、徳間書店、126 - 127頁。 
  14. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1986年11月号、徳間書店、114頁。 
  15. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1990年10月号、学研、92頁。 
  16. ^ 第1話は17:25 - 18:00に放送。
  17. ^ 1984年3月27日、4月3日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  18. ^ 1984年3月27日、8月28日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  19. ^ 1984年10月7日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  20. ^ 富山新聞 1984年6月28日付、1985年6月6日付各朝刊テレビ欄より
  21. ^ 北國新聞 1984年3月31日付朝刊24面、1985年3月30日付朝刊24面(いずれもテレビ欄)より
  22. ^ 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1984年10月号、学研、93頁。 
  23. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1984年12月号、徳間書店、94頁。 
  24. ^ a b 「テレビ局ネットワーク」『アニメディア』1984年5月号、学習研究社、98頁。 
  25. ^ 全て劇場用新作で、本作のみがTVブロウアップ作品である


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