つる植物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 18:30 UTC 版)
利用
花の美しいものは園芸に用いられる。その場合、つるが伸びるための支柱を要する。そこで、支柱をアーチにし立てたりして、様々な形に成型する方法がある。果樹であれば(ブドウ等)、棚の形に仕立てて、手の届く高さに成型する。
這い登る性質のものは、壁面緑化に利用する。代表的なのは、ツタとキヅタである。
木質になるものの場合、その材は細長く、柔軟である上に、引っ張りに強い性質があるから、そのままに綱、あるいは紐として利用できる。クズは刈り取って紐として利用し、薪を束ねるのに使われた。また、樹皮の面が美しいものは、編んで工芸品とする場合もある。太いものは、より重いものを支えるのにも使える。蔓橋はつるだけを用いて造られる。
代表的つる植物
- シダ植物
- 裸子植物
- 被子植物のうち単子葉類以外(従来の双子葉類に相当)
- アカネ科:カギカズラ・シラタマカズラ・アカネ
- アケビ科:アケビ・ムベ
- アサ科:ホップ・カラハナソウ・カナムグラ
- アジサイ科:イワガラミ・ツルアジサイ
- アワブキ科:アオカズラ
- ウコギ科:キヅタ(フユヅタ、ヘデラ、アイビー)
- ウツボカズラ科:ウツボカズラ
- ウマノスズクサ科:ウマノスズクサ
- ウリ科:キュウリ・スイカ・メロン・カラスウリ・アマチャヅル・ヘチマ・ニガウリ・ヒョウタン・カボチャ・ユウガオ・ハヤトウリ・トウガン・ラカンカ・ナンバンカラスウリ
- オシロイバナ科:ブーゲンビリア
- キキョウ科:ツルニンジン・ツルギキョウ
- キク科:タイキンギク・ミドリノスズ・ルビーネックレス・ワックスアイビー・ミカニア・ツルフジバカマ
- キツネノマゴ科:ヤハズカズラ
- キョウチクトウ科:サカキカズラ・テイカカズラ・アリアケカズラ・ツルニチニチソウ・ヒメツルニチニチソウ
- 旧ガガイモ科(APG分類体系ではキョウチクトウ科):サクララン・ハートカズラ・カモメヅル・キジョラン・シタキソウ・マダガスカルジャスミン
- キントラノオ科:コウシュンカズラ・ディプロプテリス・カブレラナ・バニステリオプシス・カーピ
- キンポウゲ科:センニンソウ・ボタンヅル・ハンショウヅル・カザグルマ(クレマチス)・ハナカズラ
- クスノキ科:スナヅル
- クマツヅラ科:ヤモメカズラ(ペトレア)
- グミ科:ツルグミ
- クロウメモドキ科:クマヤナギ
- クワ科:オオイタビ・イタビカズラ・ヒメイタビ
- ゲルセミウム科:カロライナジャスミン
- コショウ科:フウトウカズラ・コショウ・ヒハツ
- ゴマノハグサ科:アサリナ
- サボテン科:サンカクサボテン・クジャクサボテン
- シクンシ科:シクンシ
- スイカズラ科:スイカズラ
- タデ科:ツルタデ・ツルドクダミ・ミューレンベッキア(ワイヤープランツ)・アサヒカズラ
- ツヅラフジ科:ハスノハカズラ・アオツヅラフジ
- ツルムラサキ科:ツルムラサキ・オカワカメ
- トウダイグサ科:サチャインチ
- トケイソウ科:トケイソウ・パッションフルーツ
- ナス科:ヒヨドリジョウゴ・トマト・ツルハナナス・マルバノホロシ・ヤマホロシ・ナガラッパバナ
- ニシキギ科:ツルウメモドキ・ツルマサキ・クロヅル
- ノウゼンカズラ科:ノウゼンカズラ・ツリガネカズラ
- ノウゼンハレン科:キンレンカ・カナリアヅル・マシュア
- ハスノハギリ科:テングノハナ
- ハナシノブ科:ツルコベア
- バラ科:ノイバラ・モッコウバラ・サンショウバラ・ナニワイバラ
- バンレイシ科:ウバリア
- ヒルガオ科:アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオ・ネナシカズラ・サツマイモ(原種はつるが巻きつく)
- ブドウ科:ブドウ・ノブドウ・ヤマブドウ・ヤブガラシ・ツタ
- マツブサ科:サネカズラ
- マメ科:フジ・クズ・インゲン・アズキ・ナタマメ・カラスノエンドウ・クサフジ・ヤブマメ・タンキリマメ・アイラトビカズラ・イルカンダ・ナンテンカズラ・ジャケツイバラ・モダマ・スイートピー・ハーデンベルギア・ササゲ・ハッショウマメ・ヒスイカズラ・アピオス・シカクマメ
- マタタビ科:マタタビ・サルナシ・キウィフルーツ
- ミカン科:サルカケミカン・クメザンショウ
- ムクロジ科:フウセンカズラ
- モクセイ科:ジャスミン
- リンドウ科:ツルリンドウ
- 単子葉類
関連項目
- ^ a b c d 市橋隆自 (2019), 野外環境下における木本性つる植物の成長特性 -自重支持依存のコストとリスクを考える, 一般社団法人 日本生態学会, doi:10.18960/seitai.69.2_71 2020年5月11日閲覧。
- ^ a b 種子田春彦,鈴木牧,井上みずき,森英樹 (2019), のびる、つかまる、つながる -つる植物の多様な生態と多様な研究-, 一般社団法人 日本生態学会, doi:10.18960/seitai.69.2_63 2020年5月11日閲覧。
- ^ 森英樹「木本性つる植物フジの空間分布特性とクローン繁殖戦略」『森林遺伝育種』第8巻第3号、森林遺伝育種学会、2019年、131-137頁、doi:10.32135/fgtb.8.3_131。
- ^ 金田初代『大きな写真でよくわかる!花と木の名前事典』2014年、307頁
- ^ 山尾僚,深野裕也 (2019), 巻きひげにおける自他・自種識別能力, 一般社団法人 日本生態学会, doi:10.18960/seitai.69.2_93 2020年5月11日閲覧。
- ^ “庄内海岸の国有林”. 林野庁東北森林管理局庄内森林管理署. 2022年4月25日閲覧。
- ^ 鈴木和次郎 (1989), ヒノキ造林地における植栽木のつる被害とその発生機構, 日本森林学会, doi:10.11519/jjfs1953.71.10_395 2020年5月11日閲覧。
- ^ “研究の“森”からNo.57”. www.ffpri.affrc.go.jp. 2020年5月11日閲覧。
つる植物と同じ種類の言葉
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