たちあがれ日本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/06 15:21 UTC 版)
他党との関係
「打倒民主党」を掲げているものの、民主党を含めた超党派協議を提言することが多かった。
平沼は自主憲法の制定や拉致問題の解決で自民党はもちろん、民主党内の保守派の協力が不可欠であるとして協力を呼びかけているほか、与謝野は財政健全化や消費税増税は民主党無くしてできないとして超党派協議を行う必要があると提言していた。
園田は、かつて自らが代表幹事や幹事長を務めた新党さきがけにて行動を共にした鳩山由紀夫(共に結党)、簗瀬進(共に結党)、菅直人、前原誠司、枝野幸男、玄葉光一郎、小沢鋭仁、荒井聰、奥村展三、五十嵐文彦、石田勝之、小平忠正ら多くの民主党の議員とパイプを持つ。しかし、政策的にはすれ違う面も多い。
2010年12月24日、民主党の菅直人や岡田克也から連立政権参加の打診を受けていたことが明らかになり、対応が話題となったが、連立参加へ前向きなのは与謝野だけであり、他の所属議員は否定的な姿勢を見せた。27日、たちあがれ日本は正式に拒否した。与謝野は2011年1月13日に離党届を提出、受理され、無所属のまま菅第2次改造内閣に入閣した。
東日本大震災後の平成23年(2011年)6月2日には自民党や公明党とともに菅内閣に対し内閣不信任決議案を提出、これが否決され民主党内部から菅首相への早期退陣論が噴出すると、6月4日に仙谷由人や安住淳から連立参加の打診を受けた。園田が8日に会見で明らかにしたものだが、園田は即答を避け「脱小沢」を提案したという。
たちあがれ日本を結成するために自民党を離党した与謝野は除名処分されたが、自民党内にもたちあがれ日本との共闘を唱える者は多かった。石破茂は、「ともに民主党を倒すという思いなら、罵詈雑言や裏切り者などという前に、どうやって共闘するか考えるのが大事だ」と述べ[34]、両党が協力する可能性に言及している。
安倍晋三は創生「日本」の会長として、たちあがれ日本と同組織の選挙協力を第22回参議院議員通常選挙の際に実施した。なお、平沼自身も創生「日本」の最高顧問を務めている。また、谷垣禎一は与謝野と政策的に近く、自民党内で行動を共にすることが多かった。
2011年6月2日には菅内閣不信任決議案を公明党とともに三党で共同提出。2012年1月19日からは参議院において統一会派を組む[35]。
たちあがれ日本と公明党は外国人参政権などを巡って対立しており、平沼や与謝野もしばしばこれを批判する。与謝野は過去に、「外国人参政権が成立しなかったのは、与謝野馨が真犯人だと冬柴鐵三(前衆議院議員)さんは思っているくらい」とも発言している。
平沼は保守派の中枢でもあることから、外国人参政権の問題をメディアでもよく口に出し、公明党や民主党を批判している。
また、与謝野は公明党と創価学会の関係を批判したこともあり、創価学会との関係は決して良好ではない。平沼も同様である(ただし、平沼、与謝野、園田は自民党時代は総選挙の際に公明党の推薦を受けていた)。
しかし、先述のようにたちあがれ日本は公明党など4党とともに緊急経済対策申し入れを行ったことからみられるように、協力可能な箇所は連携していた。
結党の際には代表の渡辺喜美から「立ち枯れ日本」と揶揄されたものの、それ以降は共同歩調を取っていた。経済対策ではたちあがれ日本とみんなの党は自由民主党、公明党、新党改革とともに緊急経済対策の申し入れも行っている。但し、みんなの党の「増税を考えるのは脱官僚をやってから」といった姿勢に関して、たちあがれ日本は選挙公約の中で逃げの政治と批判した。
たちあがれ日本の発起人の一人中川義雄の実兄で、代表の平沼がかつて秘書を務めていた中川一郎、石原慎太郎東京都知事応援団長は、渡辺喜美が尊敬しているという自身の父・渡辺美智雄と政策や主張が近く、青嵐会で行動を共にし、交友もあった。
また、渡辺自身、平沼とともに日本会議のメンバーである。
2012年11月に維新の会と太陽の党が合流後、石原慎太郎はみんなの党に野党勢力結集のために合流を促したが実現には至らなかった。
平沼は国民新党の亀井静香とは自民党時代に同じ派閥(志帥会)に属し、亀井の弟分だった上、政策的にも外国人参政権への反対、選択的夫婦別姓への反対、積極財政派で一致しているほか、ともに郵政造反組で自民党を追い出された仲である。かつては国民新党側から平沼に合流を持ちかけられたこともある。ただし亀井代表時代はたちあがれ日本は消費税増税路線なのに対し、亀井は「景気が悪いときに増税、特に逆進性の強い消費税の増税を政治家や政党が言い出すこと自体、間違っている」と日本記者クラブの討論で述べており、その点で政策的に異なっていた。亀井が去った後、国民新党は民主党に歩調を合わせて税金の倍増を全面的に推し進める方向に転じたため、政策的には大差が無く親民主か反民主であるかの違いのみであると考えられた。
また、2011年12月に亀井が呼び掛け、亀井や石原慎太郎らによる新党結成が噂がされたが、亀井自身が離党したこともあり新党構想は頓挫した。
- 新党改革(旧改革クラブ)
たちあがれ日本と新党改革は、2010年7月-2012年1月18日まで参議院において統一会派を組んでいた。これは予算委員会での質疑参加を可能にするためであり、政策的にみた統一会派ではないとしている。ただし、新党改革とは自主憲法の制定や外国人参政権反対、消費税増税路線など政策で一致がみられる部分もある。
なお、新党改革の前身である改革クラブに所属していた西村眞悟は上述の通り、たちあがれ日本の大阪府第17区支部長を務めていた。
2011年8月の菅内閣総辞職に伴う参議院における首班指名選挙では、一回目の投票では同会派のたちあがれと歩調を合わせず舛添要一を支持し、決選投票では谷垣禎一自民党総裁支持のたちあがれ・公明党と歩調を合わせず白票を投じた(野田佳彦民主党代表が当選)。
- ^ 2015年(平成27年)3月12日総務省告示第77号「政党助成法第五条第一項の規定による政党の届出があったので公表する件」
- ^ 総務省への届け出は2010年4月12日である。政党・政治資金団体一覧(平成22年5月19日現在)(2010年6月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ a b c デジタル大辞泉 コトバンク. 2018年9月3日閲覧。
- ^ “Sunrise Party of Japan (SPJ) Tachiagare Nippon”. GlobalSecurity.org (2012年10月27日). 2020年7月18日閲覧。 “The Sunrise Party of Japan (SPJ - Tachiagare Nippon, literally "Rise up, Japan!") is a far-right Japanese political party, named by the Tokyo Metropolitan Governor Shintaro Ishihara.”
- ^ a b c d 『綱領』(プレスリリース)たちあがれ日本。 オリジナルの2012年5月4日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b c 原田英美. 知恵蔵 コトバンク. (2010年) 2019年2月5日閲覧。
- ^ “The Sunrise Party of Japan Mulls Conservative Alliances” (英語). PanOrient News. (2010年5月26日) 2019年2月5日閲覧。
- ^ “新党:「たちあがれ日本」旗揚げ 平沼元経産相が代表就任”. 毎日新聞. (2010年4月10日). オリジナルの2010年4月12日時点におけるアーカイブ。 2010年4月10日閲覧。
- ^ 2012年(平成24年)12月3日総務省告示第418号「政治資金規正法の規定による政治団体の届出事項の異動の届出があったので公表する件」
- ^ 太陽の党:連携急ぎ政策後回し 消費増税、原発踏み込まず - 毎日新聞 2012年11月13日 Archived 2012年11月18日, at the Wayback Machine.
- ^ “新党名は「たちあがれ日本」 平沼・与謝野氏ら”. 日本経済新聞. (2010年4月7日) 2010年4月7日閲覧。
- ^ “新党、「平沼党首」で合意…10日に結成”. 読売新聞. (2010年4月6日). オリジナルの2010年4月8日時点におけるアーカイブ。 2010年4月7日閲覧。
- ^ たちあがれ日本 - 結党趣旨 - ウェイバックマシン(2010年4月14日アーカイブ分)
- ^ “「応援団長」石原氏、「民主党はみんな腰抜け」”. 読売新聞. (2010年4月10日). オリジナルの2010年4月12日時点におけるアーカイブ。 2010年4月14日閲覧。
- ^ 政策も政局観も違う「たちあがれ日本」と「みんなの党」が連携できるかがカギ!橋下徹は「坂本龍馬」になれるのか - 現代ビジネス
- ^ 2013年(平成25年)2月6日総務省告示第32号「政党助成法第五条第三項の規定による政党の届出事項の異動の届出があったので公表する件」
- ^ 2013年(平成25年)5月20日中央選挙管理会告示第6号「平成二十五年七月二十八日に任期が満了することに伴う参議院議員の通常選挙における比例代表選出議員の選挙に係る政党その他の政治団体の名称、略称等について届出があった件」(2013年4月30日届出)
- ^ 再結成致しました「たちあがれ日本」。その綱領が決定致しましたので掲載致します。.. - たちあがれ日本 〜Sunrise Party of Japan〜(Facebook)
- ^ “たちあがれ日本、片山元総務相擁立へ”. 読売新聞. (2010年5月18日). オリジナルの2010年5月20日時点におけるアーカイブ。 2010年7月29日閲覧。
- ^ 中山恭子氏が自民離党 夫、たちあがれから出馬で - 47NEWS(よんななニュース) - ウェイバックマシン(2011年9月24日アーカイブ分)
- ^ “中山恭子氏、「たちあがれ」へ 夫・成彬氏支援が目的”. 東京新聞. (2010年6月18日) 2010年6月18日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 中山恭子氏入党・成彬氏を公認…たちあがれ日本 : ニュース : 参院選2010 : 参院選 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - ウェイバックマシン(2010年6月26日アーカイブ分)
- ^ 【9党党首討論詳報】(10完)首相「『脱小沢』で進めたのは5%ぐらい」 (3/4ページ) - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2010年6月26日アーカイブ分)
- ^ “官房長官に枝野氏、与謝野氏も入閣へ 14日に内閣改造”. 中日新聞. (2011年1月13日) 2011年1月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “与謝野氏の離党届受理=平沼氏「政権立て直しは無理」-たちあがれ”. 時事ドットコム. (2011年1月13日) 2011年1月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 石原、平沼、橋下3氏が会談 「憲法」「新党」協議か - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2012年11月9日アーカイブ分)
- ^ たちあがれ日本、解党へ デイリースポーツオンライン(2012年10月30日配信記事) Archived 2012年10月30日, at the Wayback Machine.
- ^ 政治ニュース一覧 / 西日本新聞 - ウェイバックマシン(2012年10月30日アーカイブ分)※上から2項目を参照
- ^ 「石原新党」11月上旬にも結成 第三極の連携本格化 スポニチアネックス(2012年10月30日20:04配信記事) Archived 2012年11月2日, at the Wayback Machine.
- ^ たちあがれを「衣替え」へ=来月上旬にも、大連合目指す―石原新党 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com(2012年10月30日配信記事)
- ^ 「太陽の党」誕生 石原前都知事ら記者会見「日本はもっとしたたかに、強くならないと」 - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2012年11月13日アーカイブ分)
- ^ 石原新党あす立ち上げ 民主議員からも入党希望者 - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2012年11月13日アーカイブ分)
- ^ 亀井氏、石原氏に反逆「1人で死ね」 Archived 2012年11月6日, at the Wayback Machine.2012年11月4日紙面 日刊スポーツ (2012年11月13日閲覧)
- ^ 「衆参ダブル選の可能性高い」と石破氏 「たちあがれ日本」との連携も模索 - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2010年11月12日アーカイブ分)
- ^ たちあがれ日本、自民と参院で統一会派 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - ウェイバックマシン(2012年1月31日アーカイブ分)
- ^ 基本政策骨子 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2013年4月26日アーカイブ分)[リンク切れ]
- ^ 北方領土でのロシアによる軍事演習実施に対する抗議声明 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2013年4月29日アーカイブ分)[リンク切れ]
- ^ 尖閣諸島領海侵犯事件の中国人船長の釈放方針に抗議する - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2010年10月11日アーカイブ分)
- ^ 衆議院定数削減・選挙制度改革試案 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2011年10月11日アーカイブ分)
- ^ 参議院定数削減・選挙制度改革試案 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2011年10月11日アーカイブ分)
- ^ たちあがれ日本 平成23年 重点方針 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2011年10月11日アーカイブ分)
- ^ 「正論」2002年10月号より
- ^ 2011年地方選挙公認・推薦内定候補者一覧 - たちあがれ日本 - ウェイバックマシン(2011年3月26日アーカイブ分)
- ^ ““5番目の議員”探し活発化、丸山議員と接触”. スポーツニッポン. (2010年4月7日). オリジナルの2010年4月9日時点におけるアーカイブ。 2010年4月7日閲覧。
- ^ “平沼新党、名称は「たちあがれ日本」 石原都知事が命名”. 朝日新聞. (2010年4月7日). オリジナルの2010年4月9日時点におけるアーカイブ。 2010年4月7日閲覧。
- ^ 読売新聞政治部『民主党 迷走と裏切りの300日』(新潮社)
- ^ 読売新聞2010年4月13日
- ^ “略称「日本」で混乱、田中康夫氏が不快感”. 読売新聞. (2010年4月13日). オリジナルの2010年4月15日時点におけるアーカイブ。 2010年4月21日閲覧。
- ^ 政党「同一略称」に関する質問主意書(2014年3月2日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ 衆議院議員田中康夫君提出政党「同一略称」に関する質問に対する答弁書(2014年3月2日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ 略称「日本」で波紋 後発の「たちあがれ」に「新党日本」が反発 - MSN産経ニュース - ウェイバックマシン(2010年4月17日アーカイブ分)
- ^ “参院選擁立見送り=新党日本”. 時事通信社. (2010年6月21日) 2010年6月25日閲覧。[リンク切れ]
- たちあがれ日本のページへのリンク