せとか せとかの概要

せとか

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 08:09 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
せとか
懐石料理での「せとか」

生産

1984年に長崎県口之津の農研機構(旧農林水産省果樹試験場)において、タンゴールの「清見」と「アンコール」を掛け合せたものに「マーコット」を交配し、育成された品種である。

系統は異なるが同じ交配パターンで別の品種として登録された柑橘として「麗紅」がある。せとかの人気が上がるにつれ、親が同じだということで麗紅のブランド商標はまさきと比較されるケースが見られるが、「清見×アンコール」の系統番号は、せとかはNo.2、麗紅はNo.5と若干異なっている。[2]同じ交配でも系統で風味の違いを楽しむことができる。[3]

収穫期は育成地の長崎県で2月上旬から2月下旬。品種登録は2001年10月18日(有効期限25年)[4]

日本における2010年の収穫量は5640トン、収穫量第一位は愛媛県で、和歌山県や佐賀県など日本各地で育成されている。[5]

年明け以降出荷される中晩柑として「はるみ」、「不知火」(デコポン)とともに市場の評価が高く、海外からも注目されている。近縁種の「麗紅」よりも(木に生らせたまま)収穫時期を遅らせることができ、収穫後の長期保存性も良いとされる。

トゲが多い品種のため、果実の表面に傷が付きやすい。栽培にあたって高品質の果実収穫を目指すために、枝のトゲを切り取ったり果実の袋掛けが行われる場合もある。果皮およびじょうのう膜が薄く、食べやすいことから、大玉の傷の無い果実は贈答用として高値で店頭に並んでいる。長いトゲが、果実のカンキツかいよう病蔓延の原因や作業時の障害になるため、トゲなし系統の選抜が2001年より進められており2010年頃より「トゲなしせとか」の苗も発売されている(ただし、若木の間はトゲが出る)。

果実の特徴

果実の大きさは200グラムから300グラム程度で、タンゴールタイプとしては比較的大玉である。果面はなめらかで美しく、果皮は非常に薄く色も赤橙色を呈している。浮き皮の発生も少ない。アンコールの親品種であるキングマンダリンに似た香りがある。果汁糖度も13度から14度と極めて甘味が強く、樹上で酸味も程良く抜ける為、甘味と酸味のバランスが良い品種である。[6]

関連文献

  • 松本亮司ほか「カンキツ新品種'せとか'」『果樹研究所研究報告』第2号、農業技術研究機構果樹研究所、2003年3月、 25 - 31頁、 doi:10.24514/00001652NAID 120006586762

外部リンク




「せとか」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「せとか」の関連用語

せとかのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



せとかのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのせとか (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS