さくら (2002年のテレビドラマ) さくら (2002年のテレビドラマ)の概要

さくら (2002年のテレビドラマ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/15 13:18 UTC 版)

連続テレビ小説 > さくら (2002年のテレビドラマ)
さくら
ドラマの舞台の一つ、高山市・さんまち通り
ジャンル テレビドラマ
田渕久美子
出演者 #登場人物
ナレーター 大滝秀治
時代設定 2002年1月 - 2003年4月[1]
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域 日本
放送期間2002年4月1日 - 9月28日
放送時間15分
放送枠連続テレビ小説
番組年表
前作ほんまもん
次作まんてん
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連続テレビ小説ではこの作品から、BShi放送用に全編ハイビジョン映像で撮影されるようになり放送枠が追加された[3]。デジタルBShiとアナログBShiはサイマル放送、デジタルBS2とアナログBS2はサイマル放送。BShiとBS2の初回放送は同時間帯に放送されていたため、月 - 土曜の7時30分 - 7時45分はBS2・BShiの4つのチャンネルで、土曜の9時30分 - 11時はBS2の2つのチャンネルで放送された。

2007年4月2日から9月29日までBS2 月 - 土曜の7時45分 - 8時に再放送され、2023年9月4日から11月20日まではNHK総合で月 - 金曜(祝日を除く)14時45分 - 15時[4]、11月29日からは放送時間を14時15分に繰り上げ、12月28日まで3話連続で再放送していたが[5]、年末年始の放送休止期間中の2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の影響により、その後も特別報道番組が組まれたため休止期間が延長、1月10日から再放送を再開した[6][注釈 1]第213回国会中継による休止などを挟み、2月28日まで(同日のみ14時15分 - 14時45分)放送。

概要

ドラマの舞台、ハワイ・ホノルル市郡中心街

ヒロインオーディションには2512人が応募した[8]

舞台は、岐阜県(旧高山市古川町郡上八幡)、東京都ハワイ州ホノルルで、岐阜県が主な舞台の1つになった最初の作品である[9]

2002年の初放送時の平均視聴率は23.3%、最高視聴率は27.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[1]

次作ヒロインへのバトンタッチセレモニーは万博記念公園大阪府吹田市)にある太陽の塔で行われた[10]

視覚障害者向けの解説放送は、前作『ほんまもん』を以て卒業した関根信昭の後任として、江原正士が本作から担当した。

あらすじ

第1週『かわいい子には旅をさせよ』

松下さくら(エリザベス・さくら・松下)はアメリカハワイ生まれの日系4世(父が日系3世、母が日本人)でハワイ大学マノア校在学中。大学で日本の英語教師の募集を見たさくらは日本行きを決意。大学卒業後来日し、母の実家である東京の神山家を頼る。しかし就職先の「東京あけぼの中学校」から突然、岐阜県・飛騨の「高山あけぼの中学校」の赴任を命じられる。急遽父方祖母の故郷である飛騨地方に飛んださくらは、温泉で出会った桂木慶介とひと騒動になるが、彼はあけぼの中学の教員だった。

第2週『郷に入っては郷に従え』

あけぼの中学にALTとして赴任したさくらは、桂木のクラスの副担任となる。だがあけぼの中学は進学校として有名な男子校で、英語担当の沢田は自由な授業を許さない。さくらは在日外国人が集う「〈俺〉鳴門(れおなるど[注釈 2])」で憂さを晴らすが、お茶くみ、セクハラに耐え兼ね、東京の神山家に帰ってしまう。

第3週『雨降って地固まる』

さくらの祖父・功はさくらを諭し、さくらはしぶしぶ高山に戻るが辞職を申し出る。さくらを慕う生徒たちは沢田の授業をボイコット。さくらは辞職を撤回し、二度と職場放棄はしないと誓う。同じ寮に住むさくらと桂木の仲が噂になり、さくらは引っ越しを決意。家庭訪問で訪れた沼田家に下宿する。

第4週『住めば都』

さくらが沼田家に引っ越して間もなく、名古屋に嫁いでいた長女・みどりが離婚するつもりで帰ってくる。さくらは夫の信也と会話すべきと主張するが、みどりの決意はゆるがない。さらにみどりの妊娠が発覚。さくらは桂木と名古屋に赴き、あとから来たみどりと信也に話し合いをさせる。みどりは離婚し、一人で子供を産み育てることになった。

第5週『昨日の敵は今日の友』

子供の教育問題をめぐって仲の悪い嫁・筆子と姑・たね。中学生の英語スピーチコンテストが開催されることを知り、さくらは生徒に参加を呼びかけるが、尻込みした生徒たちは大介に押し付ける。沼田家では健一が連れてきた商店会の人々と急遽宴会が開かれるが、泥酔した筆子は不満をぶちまける。翌日、筆子は荷物をまとめて家を出ようとするが、夜な夜な出かける健一が浮気しているとの噂が入る。筆子とたねは結束。筆子はさくらと紳士服店の女主人・海原涼子のもとに押し掛けるが、健一は店を宣伝するためインターネットを習っていたことが判明。筆子はへそくりでパソコンを購入。さくらにはお礼に着物を譲る。たねはさくらに筆子は「同士」だと語る。コンテスト参加に反対する沢田に、さくらは必ず大介を入賞させると宣言する。

第6週『人は見かけによらぬもの』

大介とスピーチコンテストの練習に励むさくらのもとに商店街の面々が英会話のレッスンに押し掛ける。だがさくらは高熱を出して寝込む。心配した婚約者のロバートが来日。ハンサムで紳士的なロバートに沼田家の女性陣はうっとり。熱が下がったさくらは教職に復帰し、大介とのスピーチコンテストの練習も再開。更に高松も参加表明し、ロバートも指導役に加わる。沢田はいい顔をしないがこっそり差し入れを届ける。コンテストは高松が優勝し、大介が特別賞を受賞。さくらは校長から日本の英語教育では口語より文章体を混ぜた「ジャパニーズイングリッシュ」を教えていると聞かされ、沢田からは英会話と受験英語での苦悩を打ち明けられる。さくらは自分なりのやり方で沢田の授業をサポートすると決める。ロバートは桂木の部屋でMBAの証書を発見して驚く。桂木は東京の証券マンから教師に転じていた。桂木の依頼でロバートはクラスで日本語スピーチを行いハワイに帰国する。

第7週『嘘から出たまこと』

竹下教頭が上の空。竹下の妻が学校を訪ね、夫が娘の結婚資金一千万円を使いこんだ上、共済金から借り入れもしていると訴える。「〈俺〉鳴門」で竹下が相場師と一緒にいるのを見かけたさくらと桂木は詐欺にあったと疑うが、竹下は校長の聞き取りに金は返ってくると言う。桂木のクラスで宮崎雅弘の財布盗難事件が発生。高橋智史が目撃した牛丸彰が疑われるが、桂木は彰を信じ不問とする。竹下が信用組合に借金を申し込んだことが発覚。竹下を騙していたのは元教え子の倉持正隆だった。さくらは憤慨するが、校長も桂木も静観する。竹下は高校時代の倉持が野球部の傷害事件の罪を被って停学になったことを語り教え子を信じたいという。それを聞いた倉持は竹下に金を一部返して自首する。雅弘は桂木に失くした財布が家で出てきたと告白。桂木はクラスで謝罪させる。生徒たちは騒然となるが、桂木は彰を信じていた者はいたかと問い、全員が彰に謝罪する。さくらは教師の仕事の重要さを実感する。

第8週『縁は異なもの味なもの』

夏休みに入ると、桂木は生徒を東京校へ補習授業に引率する。さくらは東京の祖父の功がぎっくり腰で倒れたとの知らせで上京する。入れ違いに妹のももが沼田家を訪問。さくらは功を介護。飛騨を満喫したももが沢田と上京。ももは母親と絶縁している功を責めたてる。生物学を専攻するももは金魚を熱心に研究。功はもものために古い資料を探してまた腰を痛める。功とももは徐々に打ち解ける。夏季講習を終えた桂木はさくらとももを曙理事長の家に行かせる。姉妹は理事長の部屋で祖母の淑子の写真を発見。曙は淑子と結婚の約束をしていたが戦争に引き裂かれ、淑子はハワイに嫁いでいた。ももは電話で二人に話をさせる。

第9週『口と腹はちがうもの』

さくらとももは絶縁している母親の響子と功を仲直りさせようと考え、電話で功が重病だと嘘をつく。響子、淑子、一朗が急ぎ来日するが、あっさり嘘はばれ、二人はますます意固地になる。一朗が挨拶に行っても、功は狸寝入りで無視するが、翌日功の方から頭を下げる。さくらとももは恥ずかしいと渋る淑子を東京見物と言って連れ出し、曙理事長の家を訪問。淑子と曙は58年ぶりの再会を果たし語らう。さくらたちは喜ぶが、一朗は穏やかでない。相変わらず口をきかない響子と功。淑子の提案で、翌日一家は響子と功を残して外出し曙の家にこもる。それでも仲直りしない父娘の様子に一同は帰りを遅らせる。功と響子は二人きりで夕食をとる。さくらは桂木とこっそり様子を見に行き、仲直りしたと思い線香花火を置いていくが、ささいなことから二人は口論になり、さくらが止めに入る。さくらが泣いて飛び出したあと、功は線香花火を見つける。さくらは皆が待つ曙の家で二人を再会させたことを後悔するが、淑子はとことん話し合わせようと言う。一同が帰宅すると、響子と功は線香花火をしながら静かに語らっていた。数日後、松下家は飛騨に向かうが、一朗は功に初めて結婚の挨拶をして「娘を頼む」の答えをもらう。川口も響子に「好きだったが結婚で吹っ切れた」と告白し、響子を送り出す。旅立つ松下家に桂木と曙も帯同する。

第10週『親の心子知らず』

飛騨の沼田家を訪れた松下家に、沼田一家は「ふるまい」を行い、謡「若松さま」で歓迎する。翌日飛騨に台風が接近。淑子と曙はあけぼの寮に泊まることになる。沼田家では佳奈子が帰らないと騒ぎになる。翌朝カラオケボックスに閉じ込められていた佳奈子が先輩・田上隆介(演 - 斉藤拓)と帰宅。父親の健一は佳奈子に平手打ちして叱りつけるが、一朗はそれを咎める。だが一朗も朝帰りした淑子と曙にきつくあたり健一から自分と同じだと指摘される。佳奈子と健一は仲直りしたが、一朗は一人で父親の故郷の白川郷へ行ってしまう。翌日の中学登校日にさくら一家も同行。校長室で話していると、白川郷から帰った一朗が合流し、移民だった父親に思いを馳せたと語る。さくら一家は生徒たちと給食を試食。校長の頼みで一朗は生徒たちの前で日本人移民の歴史を話す。淑子はホレホレ節を歌い涙ぐむ。一朗は自分がアメリカ人でも日本の血をひいていることを忘れないとの言葉で話を終える。さくらは教室に亡き祖父武朗の姿を見て驚く。帰宅した淑子は一朗に「武朗と結婚して幸せだった」と語る。沼田家でお盆の法要を済ませた松下一家は帰国。さくらは郡上八幡の実家に帰る桂木に婚約者になってくれと頼まれ仰天する。

第11週『嘘も方便』

桂木はしつこくお見合いを勧められるのを防ぐためさくらに婚約者のふりをしてほしいと言う。さくらは怒るが、郡上八幡のお祭りに興味を持ち、沼田家の面々にもすすめられて、桂木の帰省に同行。桂木の実家ではお見合い相手が待っていたが、桂木はさくらを紹介し見合いは中止。桂木の母・諌子はさくらを気に入るが、さくらは気がとがめる。翌日、さくらは諌子に嘘をついていたことを告白し謝罪するが、諌子は引き止める。昨日の見合い相手は桂木が高校時代に交際していた戸田真樹子だった。桂木は真樹子に怪我をさせた負い目があった。さくらは桂木と真樹子を復縁させようと奮闘し、二人を桂木家で再びお見合いさせる。話し合いの末、広告代理店勤務の真樹子は東京に戻る。さくらは浴衣姿で桂木母子と郡上踊りを楽しみ、飛騨に帰る。 新学期が始まるが、生徒たちの間で夜の校舎に幽霊が出ると噂が立つ。さくらは桂木、沢田と夜の校舎を見回り、校長室で女の笑い声を耳にする。

第12週『義を見てせざるは勇なきなり』

幽霊の正体は教員の花園まどかと守口武の逢い引きだった。沢田は怒るが中曽根校長は2人を不問にする。学校に沢田の元妻・松本なよ子が訪ねてくる。なよ子は沢田と離婚後、声楽家として大成していた。沢田との復縁が叶わないなよ子はさくらに英語の歌の発音指導を頼む。なよ子は嫁姑問題で1年半前離婚したという。さくらはなよ子と沢田を話し合わせようと2人をあけぼの寮に呼び出すが、沢田は拒絶。校長はさくらに、なよ子は別の男性にプロポーズされているが沢田に心残りがあるらしいと話す。なよ子はあきらめると言うがさくらは納得いかない。なよ子は次の日曜に校長の家で別の男性と結納の予定。校長は重ねて沢田の気持ちを聞くが、沢田はかまわないと言う。結納の日、「〈俺〉鳴門」に集まった沢田とさくらたちの前になよ子が顔を出し、沢田に結婚指輪を返す。さくらたちに背中を押され、沢田は校長の家に走り、もう一度話し合いたいと申し出る。実はなよ子は結納を断っており、2人は復縁に向けて踏み出す。守口と花園は婚約。さくらは来日直前、ロバートにプロポーズされてすぐイエスと答えたことを「自分の心の声に従ったか」と自問自答する。

第13週『とらぬ狸の皮算用』

筆子の小説が岐阜県ふるさと文学賞最優秀賞に選ばれ、地元新聞社が突然取材に来る。記事が出ると筆子に取材が殺到。さらに東京の文芸誌から書き下ろし原稿60枚の依頼が来る。たねは家族をモデルにしないこと、仕事をおろそかにしないことを条件に執筆を許可。筆子は「朝比奈薫子」のペンネームで新作小説を書き始めるが、健一は不機嫌。さくらの提案で沼田一家は家事を当番制にする。だが筆子はアイデアが出ず、さくらをモデルにしたいと生い立ちや恋愛経験を聞き出す。ロバートの東京出張にあわせて、さくらは上京。神山家でロバートと話し合ったさくらは結婚への迷いが吹っ切れる。突然筆子が失踪。飛騨に戻ったさくらは「〈俺〉鳴門」で泥酔した筆子を発見。筆子は締切を延ばしても全く書けないと嘆く。たねは、若い頃ろうけつ染めのプロになろうとして挫折した経験から筆子を応援したと慰める。筆子は小説を辞めて賞金を家族に配り、主婦に戻る。臨月のみどりは沼田家で自宅出産すると宣言する。

第14週『案ずるより産むが易し』

みどりは自分を取り上げた助産師の野本トキを頼み自宅出産に備えるが、たねは心配する。元夫の鮎沢信也は復縁したいと手紙を送り続けていた。中学でゲーム「殺人ミッション」が流行り教員たちは指導に悩む。さくらは桂木に頼み保健体育で出産の授業をしてもらうが、生徒たちはふざけるばかりでさくらは失望する。筆子は賞金の残りで温泉旅行を計画。週末、健一・筆子・孫作・たねは店を休んで旅行、佳奈子は合宿、省一は出張。沼田家はみどり・さくら・大介・拓也が残されるが、予定日より早くみどりが産気づく。さくらは奔走するが、鮎沢が顔を出した途端陣痛はおさまり、みどりは怒って鮎沢を追い出す。翌日再び陣痛が始まりトキが呼ばれる。偶然沼田家に来た桂木と大介の友人たちも泊まり込みで出産を待つ。みどりは鮎沢の立ち合いで女児を出産。帰宅した筆子たちは驚き喜ぶ。みどりと鮎沢は世話になったさくらの名をとって娘に「さくら」と命名。東京の神山夫妻と川口が出産祝いに沼田家を訪問。功は川口の再婚相手にみどりを考える。大介たちはゲームから卒業する。

第15週『苦は楽の種』

川口とみどりはまんざらでもない様子。中学の文化祭で2年C組はハワイフェスに決定。さくらはフラダンスを教えるが、竹内教頭はC組の模擬試験の成績が下がったのを理由にC組の文化祭参加を禁止する。桂木は次の模擬試験で平均点を5点上げれば文化祭参加できるよう交渉。各科目の補習授業が始まるが、成績の悪い竹内遼平・大久保潤・牛丸彰は試験を病欠して平均点を上げることを目論む。それを大介から聞いた桂木は悩み、さくらは受験システムに疑問を持つが、校長は曙理事長が「苦は楽の種」の意で進学校を作ったと説明。桂木は生徒たちに元中学教師の母親がテストの平均点を上げるため一部の生徒を欠席させたのを未だに悔やんでいると話す。試験当日、彰・潤・遼平は試験開始ギリギリに登校。全員受験は叶ったものの平均点は届かなかった。職員室では生徒の努力を認めるべきとする教員と反対する教頭が紛糾。沢田が英語の出題ミスを発見し、平均点が繰り上がったことでC組の文化祭参加が認められる。

第16週『合わぬ蓋あれば合う蓋あり』

文化祭の準備が進む中、さくらと桂木の仲が噂になる。省一は桂木にさくらとの仲を、養護教諭の勅使河原容子はさくらに桂木との仲を取り持ってくれるよう頼む。4人で食事会になるが、さくらと桂木がしょっちゅうつるんでいることがばれ、微妙な雰囲気になる。沼田家にロバートの父マイケル・ホフマンが来る。ロバートも高山のホテル建設のため来日。文化祭の練習を見学したホフマンは生のハワイアンバンドを手配する。文化祭当日、生徒はフラダンスの他、ホフマンを司祭役にして桂木とさくらのハワイアンウェディングを行い盛況となる。その夜の打ち上げでロバートはさくらに婚約指輪を渡し正式に婚約する。周囲に祝福されるさくらだが、ニューヨークに移住したあとのことを考えられず、ロバートと口論になる。夏子に「ぶつかるのを怖がらないで」とアドバイスされ、さくらは吹っ切れる。ロバートがさくらにホテル建設のため「〈俺〉鳴門」の立ち退きが必要と連絡してくる。

第17週『あちら立てればこちらが立たぬ』

さくらはレオナルドに立ち退きのことを言い出せず桂木に相談するが答えは出ない。沼田家では孫作が「三寺(さんてら)まいり」[注釈 3]の大ろうそく作りに入り、家族全員が気を遣う。「〈俺〉鳴門」で10周年祝いが開かれるが、地主の大江から立ち退き通知が届く。イボンヌたちは書類にロバートの名前を見つけて騒然。板挟みになったさくらだが、地主の嫌がらせに憤慨し、立ち退き反対派につく。さくらは地主を説得するが、翌日ロバートが来店し、レオナルドに立ち退きと引き換えにホテルに出店することを優遇するというが、レオナルドは拒否し、さくらは悩む。大ろうそく作りを終えた孫作が「〈俺〉鳴門」に来店。そこへロバートが高額小切手でレオナルドと交渉するが、孫作が激怒して倒れる。

第18週『運は天にあり』

孫作は過労と診断され、入院を勧められるが拒否。さくらとロバートはお互い変わったと口論になる。立ち退き反対はレオナルドだけになり、夏子も憔悴。地主の大江は東京の息子が人身事故で賠償金を請求され、土地を売るしかないとレオナルドに泣きつく。翌日、レオナルドと夏子は立ち退きを決意。契約の日、ロバートとレオナルドの前にベンたちが大江を連れてきて息子の事故の話は全て嘘だと暴露。だが疲れきったレオナルドは立ち退き契約に判を押す。その後の閉店パーティで、レオナルドと夏子はホテル出店を取り止め高山を去ると発表。さくらとロバートの仲はギクシャクする。孫作は床に着いたままで残りの大ろうそくが作れない。筆子に後押しされ、健一が大ろうそくを完成させ、孫作にも認められる。さくらは沼田一家と喜ぶが、ロバートは桂木に「さくらが日本人になってしまった」と密かに語る。ロバートの尽力でホテルの建設地が変わり、立ち退き問題も解消。ロバートはさくらにクリスマスに再来日すると約束する。

第19週『明日は明日の風が吹く』

さくらは初めての雪と沼田家のクリスマスイブのパーティを楽しむ。翌日、さくらは来日したロバートと「〈俺〉鳴門」で会うが、婚約解消を告げられる。沼田家や桂木は心配するが、さくらは明るく振る舞う。さくらは年末年始を東京の神山家で過ごす。そこでも明るく振る舞うさくらだが、眠れず千羽鶴を大量に折っていたのを見つかる。功から「自分に嘘をついてはいけない。気持ちを吐き出せ」と言われたさくらは、悲しみを打ち明け号泣する。

第20週『良薬口に苦し』

はまは、心の傷が癒えず放心状態のさくらに付き添い沼田家に送り届ける。教員の登校日にさくらは廊下で倒れ、家で寝たきりになる。新学期になっても出勤できないさくらを見舞いに来た桂木は、さくらの寝顔を見て思わず手で触れ、以来さくらを意識して沼田家に行けなくなる。教員たちはさくらを慰めるため、沢田を見舞いに行かせる。沢田が自らの失恋体験を語ると、さくらは体も心も言うことをきかないと涙ぐむ。沢田は桂木がさくらの元に行かない理由を察し、桂木に「苦しんでいるのを見過ごすな」と忠告する。桂木はさくらがロバートへのクリスマスプレゼントに用意したシャツを着て現れ、さくらにロバートとの思い出を全部思い出す荒療治を行う。翌日、さくらは祖父の故郷・白川郷を訪ねる。ようやく吹っ切れたさくらは学校に復帰。数日後、さくらは着物姿で桂木を三寺まいりに誘う。さくらと出掛けた桂木は突然さくらを抱き締める。

第21週『恋は思案のほか』

我に返ったさくらはあわてて逃げ出す。翌日、桂木もさくらもぎこちない。沼田家の女性陣に相談したさくらは桂木に恋をささやかれる夢を見るようになり、彼への好意を自覚する。だが桂木から「なかったことにしてほしい」と懇願され、さくらは憮然とする。さくらは学校や周囲から日本滞在を1年延期するよう依頼される。その後さくらと桂木は仲直りするが、一朗は3月末でハワイに帰るようさくらに命じる。

第22週『遠くて近きは男女の仲』

「ハワイ日系移民研究所」の責任者に内定した一朗はさくらを助手にしたいと言う。迷うさくらは生徒たちから帰らないでと懇願され日本滞在を決意するが、一朗から主任研究員に迎えるとの知らせが届く。さくらは桂木に相談するがそっけない。桂木に引き留められたいさくらは桂木に告白しようとするが、一朗からのEメールで日本とハワイの架け橋になろうと思い、ハワイ帰国を決めるが桂木から「日本に残ってくれ」と引き留められる。ついに心通じあった二人だが、一朗が来日。一朗は桂木に「さくらに架け橋になるチャンスを与えてほしい。それでも残したいなら諦める」と伝えて帰国。悩む桂木の元へ、結婚が決まった真樹子が訪れる。桂木はさくらに、真樹子と結婚すると嘘をつく。

第23週『鳴かぬ蛍が身を焦がす』

真樹子がさくらを訪ねると、さくらは自分を帰らせるための桂木の嘘と見抜いていた。さくらは電話で桂木の本心をただすが、桂木は帰ったほうがいいと繰り返す。ついにさくらはハワイ帰国を決定。さくらは晴れ晴れとした気持ちでいたが、沢田や沼田家の女性陣は納得できない。大介はさくらたちの応援で通学電車で出会った篠崎えりかにラブレターを渡し交換日記や勉強会を始めて成績が上がり筆子を喜ばせる。勅使河原は桂木に告白するが、桂木は好きな人を忘れられないと断る。東京から来た川口がみどりに結婚前提の交際を申し込むが、みどりは返事を保留し文通することにした。さくらのことが孫作に知れると、孫作は桂木を呼び出し真意を問い質す。大介はえりかが4月からイギリスに引っ越すと落ち込み成績が下がる。大介はえりかと距離を置くが、さくらと桂木の仲介で引っ越しまで毎日会うこと、離れても文通することになった。曙理事長のEメールでハワイの松下家にもさくらの事情が伝わると、淑子がももを沼田家に行かせる。

第24週『武士は食わねど高楊枝』

ももはさくらと桂木を復縁させようと奔走するがうまくいかない。桂木が顧問を勤めるバスケ部の練習中に部員が怪我する事件が発生。練習に立ち会っていなかった桂木を保護者たちは責め立て、PTA総会では桂木をクラス担任からはずす意見が出る。自信をなくした桂木は辞表を提出。C組生徒たちや校長から桂木を説得するよう頼まれたさくらは、桂木に辞職するなら自分もハワイ研究員をやめると宣言。C組生徒たちは署名を集めてくる。桂木は辞表を撤回。さくらはもう一度桂木に素直にぶつかってみようと決めてももとみどりが用意したかつらや女らしい服で桂木の食事会に行く。さくらに気づかない桂木はさくらをハワイ日系移民の象徴でありいい仕事をしてほしい、個人の気持ちは封じると語る。それを聞いたさくらは改めてハワイ帰国を決意する。

第25週『会うは別れの始めなり』

さくら帰国まで10日。荷造りをするさくらを沼田家は寂しく思う。ハワイの松下家を曙理事長が訪問。曙は淑子にプロポーズするが、淑子はきっぱり断る。帰国した曙から淑子の花嫁姿を夢見て戦争を乗り切ったと聞いたさくらは、曙と淑子の形だけの結婚式を思い付く。一朗も二人の戦後が終わるならと賛成する。教員たちはさくらに別れのプレゼントを贈り、沢田はなよ子との再婚する予定と報告する。C組でのお別れ会の最後にさくらは「仰げば尊し」を歌う。日本を去る前日、沼田家の面々もさくらと別れを惜しむ。大介はこっそり自作の和ろうそくを渡しハ代目になる決意を打ち明ける。翌日、さくらは中学に最後の挨拶に行く。桂木はさくらにペンダント型時計を贈る。生徒たちの「仰げば尊し」に送られさくらは飛騨を旅立つ。

第26週『かわいい子には旅をさせよ』

さくらは帰国前、東京の神山家に泊まる。桂木のもとにさくらから「あなたこそが日本」と書かれた手紙が届く。中曽根校長は、曙理事長が学校を中曽根に譲ってハワイに移住する予定であることを語り、「融通無碍であれ」と桂木に説く。翌日、桂木は上京して神山家に飛び込むが、さくらは帰国したあとだった。一年ぶりにハワイに戻ったさくらは、ロバートにも再会し、「いずれ彼(桂木)と愛し合うことになる」と言われる。数日後、曙が結婚パーティのためにハワイに到着し淑子に移住することを打ち明ける。松下家は曙を歓迎し、一朗は近所の空き家を紹介する。パーティ当日、さくらは東京のはまの電話で桂木が行き違いで訪ねてきたと聞き落ち着かなくなる。松下家とロバートだけの結婚パーティの最中、桂木が駆け込んでくる。桂木は「俺だけのためにそばにいてほしい。日本で待ってる」と叫び帰ってしまう。ももはさくらが桂木にもらった時計が日本時間のままだと言い、家族はさくらの気持ちを察するが、センター開所を控えた一朗は気が気でない。ももと淑子に説得され、功にも相談した一朗はさくらの日本行きを許すが、さくらは一朗宛ての手紙を残して夜中に日本へ旅立っていた。飛騨に戻ったさくらは古川祭(毎年4月19・20日に開催)の夜に桂木と再会し抱き合う。翌日、さくらは下宿先の沼田家からあけぼの中学に出勤し、桂木と生徒たちから出迎えを受ける。


注釈

  1. ^ なお本作をもって、14時台は『列島ニュース』の枠拡大を予定しているため、アンコール枠は12時30分からに時間枠を移動する予定[7]
  2. ^ a b 看板の〈俺〉が上下逆
  3. ^ 飛騨古川に200年以上前から伝わる行事。1月15日に円光寺・真宗寺・本光寺の三つの寺を夜を徹して順番に参詣するもので、縁結びを願うお参りとして知られる。

出典

  1. ^ a b NHK 連続テレビ小説と視聴者 −“朝ドラ”はどう見られているか −” (PDF). メディア研究部. NHK放送文化研究所 (2020年1月30日). 2023年7月27日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」の154頁の66)
  2. ^ a b c d NHK放送文化研究所 編『NHK年鑑2003』日本放送出版協会、2003年10月31日、167頁。 
  3. ^ NHK放送文化研究所『NHK年鑑2003』日本放送出版協会、2003年10月31日、125,160頁。 
  4. ^ 再放送のお知らせ 高野志穂が天真らんまんな主人公を演じる「さくら」を総合テレビで再放送!”. ドラマ情報. NHK (2023年7月26日). 2023年8月11日閲覧。
  5. ^ 放送時間変更のお知らせ”. さくら. NHK (2023年10月27日). 2023年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月11日閲覧。
  6. ^ 2024年1月10日NHK金沢番組表(12:00 - 18:00)
  7. ^ NHK 平日午後1時から5時間の生放送の情報番組 「ニュースーン」などスタート 2024年2月14日 15:05 (スポーツニッポン)
  8. ^ 高野志穂”. タレント辞書. メディアーノ (2018年4月12日). 2023年1月16日閲覧。
  9. ^ 「ご当地マップ」を参照。
  10. ^ バトンタッチ「さくら」→「まんてん」
  11. ^ さくら 総集編(1)”. NHKクロニクル. NHK. 2023年11月24日閲覧。
  12. ^ さくら 総集編(2)”. NHKクロニクル. NHK. 2023年11月24日閲覧。
  13. ^ さくら 総集編(3)”. NHKクロニクル. NHK. 2023年11月24日閲覧。
  14. ^ さくら 総集編(4)〈終〉”. NHKクロニクル. NHK. 2023年11月24日閲覧。
  15. ^ NHK放送文化研究所 編『NHK年鑑2003』日本放送出版協会、2003年10月31日、345頁。 
  16. ^ NHK「さくら」 1話飛ばし放送,スポニチアネックス,2002年9月21日
  17. ^ 2003年3月公演 さくら”. 明治座. 2023年9月7日閲覧。


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