うつ病 予防

うつ病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 23:47 UTC 版)

予防

  • 対人関係療法認知行動療法などの行動療法は、うつ病の新規発症を予防する効果があるとされる[53][54][55]。これらのセラピーは個人や小人数グループにて施した場合にもっとも効果があるとされるため、インターネットを用いて多くの対象者にリーチすれば効果があるだろうと提案されている[56]
  • 睡眠時に寝室を暗くすることなどを通して入眠しやすい環境を整えることが有効である(「睡眠衛生」も参照)[57][注 1]
  • うつ病のリスク要因となる抑うつを予防するために、抑うつを発症しやすい青年期・思春期・児童期に位置する学生(大学生など)や児童生徒(小・中・高校生など)に向け、抑うつ予防プログラムをカリキュラムの中に位置づけて実施することが有効である[58][59][60][61][62][63][64][65][66]
  • うつ病の一因となるストレスに対処する方法を教えるストレスマネジメント教育(「ストレス管理」も参照)や、問題を抱えたときや心身の不調時に援助要請を行えるよう各種専門機関の情報提供をすることも重要である[67]

診断

臨床評価

OECD各国のメンタルヘルス問題時の受診先調査[68]
青は総合診療医、赤は精神科医、緑は臨床心理士

診断評価は、適切な訓練を受けた総合診療医、精神科医、心理士により、現在の状況、生活歴、現在の症状、家族歴を記録したうえで下される[69]。広い臨床的な目的は、患者の気分に影響がおよぶ関連する生物学的、心理的、社会的要因を系統立てて診察するためである。評価の際には、アルコールや薬物の使用など(健康な方法も含めて)気分転換の方法を尋ねる場合もある。評価はまた、現在の気分や思考の内容についての心理検査を行うことがあり、それは特に絶望感や悲観、自傷や自殺、肯定的な考えや計画がない場合である[69]。農村部では精神医療の専門家は少ないため、診断と管理はプライマリケア医によってなされることが多く[70]、特に発展途上国では顕著である[71]

プライマリケア医や非精神科医は、身体的な症状の診断と治療に訓練されているため、時にはうつ病の診断を下すのが難しいこともある。うつ病は、さまざまな身体的(心身的)症状を引き起こすことがあり、彼らは身体的症状だと判断してその治療をしてしまうからである。非精神科医は3分の2のケースで不必要な加療を行ってしまうという[72][73]

うつ病の診断を行う前に一般的に医師により、医学的検査と調査が他が原因となっている症状を除外するために行われる。血液の甲状腺刺激ホルモン(TSH)とチロキシン測定によって甲状腺機能低下症を除外したり、基礎電解質と血中カルシウム測定で代謝障害の除外、全血球算定(赤血球沈降速度ESRを含む)により全身性疾患や慢性疾患を除外したりする[74]。薬物の副作用やアルコール乱用も同様に除外される。男性の抑うつの場合、テストステロンのレベル測定によって性腺機能低下症も除外される[75]

自覚的な認知についての訴えが老人の抑うつに現れることがあるが、それはアルツハイマー病などの認知症の徴候の可能性がある[76][77]。認知検査と脳画像イメージは認知症とうつ病を区別する助けとなる[78]。CTスキャンは、精神病症状や、急な発症、または異常な症状をともなう脳病変を除外することができる[79]。生物的テストでは大うつ病の診断を行う方法はない[80]。一般的に、医学的な兆候がない限りその後検査を繰り返す必要はない。

データ的・定量的診断

脳波検査(QEEG検査)

神経精神医学では、QEEG検査すなわち定量脳波測定検査により、脳波の評価を行うことで、うつ病・不眠症発達障害認知症などを早い段階で発見している[81]

血液検査(血漿PEA測定)

うつ病の有無を血液で計測する検査法(血漿PEA測定)を開発し[1]、臨床現場でも用いている心療内科医の川村則行は2019年に

“心”という目に見えないもので語るより、病気と同じように物質で解き明かしたほうが理解しやすい。
精神疾患は“物質の病気”であり、“体の病気”である。

等と述べている[82]。川村院長が言うには、ほとんど全ての生物が持っているPEA(リン酸エタノールアミン)は「喜びなどの感情」に関係する物質であり、これが主に存在する場所は脳神経細胞の軸索細胞膜で、その他には肝臓動脈心筋[82]。脳と血中物質の関係は非常に密接であり、PTSD患者の場合も「PTSDの原因となるトラウマを経験してから10年以上が経っていたにもかかわらず、免疫力が通常の4分の1にまで低下していた」と院長は言う[82]

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズが、うつ病の診断に役立つ生物学的指標を発見したことが報道され、それはエタノールアミンリン酸 (EAP) の含有量を調べる検査であり、2013年に特許を取得しており、2019年には保険適用で検査が行えるようにしたいとしている[83]。血液中のエタノールアミンリン酸 (EAP) の含有量を調べることで、うつ病を捕捉する感度は80%以上であり、うつ病ではない人がうつ病と診断されない特異度は95%を超えると報道された[84]。同社のホームページでは、その2013年時点の特許について、うつ病との鑑別が難しい適応障害や不安障害との判別にも利用できると、記載されている[85]

(2011年には、山形県のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズおよび東京の国立精神・神経医療研究センターが血液中のエタノールアミンリン酸 (EAP) で大うつ病を診断できると発表していた。同年、広島大学などの研究グループは、血液中のBDNF遺伝子のメチル化を調べることで大うつ病を診断できる可能性があると発表していた[86]。)

DSM-IV-TRとICD-10の診断基準

抑うつ状態についてもっとも広く用いられる診断基準は、アメリカ精神医学会による『精神障害の診断と統計マニュアル』第4版改訂版(DSM-IV-TR)と、世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)である。前者は米国および非ヨーロッパ諸国で多く用いられ、後者はヨーロッパで多く用いられる[87]。2つの著作はお互いを反映するように作業されている[88]

DSM-IV-TRとICD-10は典型的なうつ病の症状を選定している。ICD-10では3つの典型的なうつ病の症状(気分の落ち込み、喜びの喪失、気力の低下)を示し、うち2つがうつ病の診断の確定に必要である[24]。DSM-IV-TRでは2つのおもなうつ病の症状、気分の落ち込みと、喜びの喪失のうち、ひとつが大うつ病エピソードの診断に必要である[89]。しかし、これらは診断基準の一部であり、すべてではない。

DSM-IV-TRでは大うつ病性障害は気分障害に分類される[90]。診断は単発か繰り返される大うつ病エピソードに基づく[91]。追加の情報はその他の障害と区別するために用いられている。特定不能のうつ病性障害英語版は、抑うつ症状のエピソードが、大うつ病エピソードの基準を満たしていない場合に診断される。

ICD-10は、大うつ病性障害という用語を使用していないが、(軽症・中等症・重症)うつ病エピソードの診断のために、非常によく似た基準を一覧にしている。複数のうつ病エピソードが存在し、躁病のないものには反復性うつ病性障害(recurrent depressive disorder)の診断名が用いられる[24]

DSMの診断基準は、うつ病を引き起こした個人のほかの側面と社会的な状況を考慮していないという点について、批判の対象となっている[92]

大うつ病エピソード(DSM-IV-TR)

大うつ病エピソードは、2週間以上の重症抑うつ気分の存在を特徴とする[91][93]。もし躁病や軽躁病のエピソードが存在すれば、診断は代わりに双極性障害となる[94]

大うつ病エピソードの確定には、「気分の落ち込み」と「興味・喜びの喪失」の2つの主要な症状のうちどちらかが必要である。「気分の落ち込み」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどである。「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態である。またこれは大うつ病エピソードの診断基準Aの片方であり、もう片方は5つ以上の症状の存在である。

抑うつ気分
  • 患者は抑うつを訴えたり、周囲から見て抑うつ状態にある[95]。ほとんど1日中、ほとんど毎日である[96]
興味・喜びの喪失
  • 最近のほぼすべての活動において、興味や喜びを喪失している(患者本人や周囲の訴えによる) [95]。ほとんど1日中、ほとんど毎日の著しい減退である[96]
食事や体重の変化
  • 食事制限を行っていないにもかかわらず体重が著しく増減する(月に5パーセント以上程度)、または最近の食欲が著しく増大または減衰している。ほとんど毎日である[96]
睡眠
活動状態
  • 周囲から見て、患者の最近の活動状態には不安を感じたり、のろくなったように思われる[95]。ほとんど毎日[96]
疲労感
  • 最近、著しく疲労感を感じる[95]。ほとんど毎日[96]
罪悪感
  • 最近、患者は根拠のない心配や不適切な罪悪感を感じており、それらは単に抑うつであり、非現実的である[95]。ほとんど毎日[96]
  • 「どうせ自分なんか価値のない存在だ」と考えるようになるなど、自尊心が低下する。
集中力
  • 患者本人や周囲の人によれば、最近の日常活動において意思決定がおっくうであり、集中力を欠いている[95]。ほとんど毎日[96]
自殺念慮・希死念慮
  • 患者は、希死念慮(死へのおそれとは異なる)、自殺(もしくは自殺計画)、自殺未遂を訴えている[95]
— 大うつ病エピソード

DSM-IVでは大うつ病エピソードの診断基準Eが死別反応ではないことを要求している。

DSM-5においては、死別反応といった強いストレスに伴う抑うつは、治療なく回復する可能性があるため、死別反応に関する注釈が加えられた[97]。DSM-5では「精神障害の定義」において、よくあるストレスや喪失による、愛する人との死別といった、予測可能な反応は精神障害ではないとされ、診断基準の注釈においては、死別や経済破綻、災害や重篤な病気などへの反応は、理解可能な、正常な反応である場合もあることが記述され、また死別による抑うつ症状も1-2年続くことがあるため、以前のDSM-IVによる2か月以上続いていればうつ病の可能性があるという基準をなくした[98]。以前のDSM-IV-TRでは、症状が死別によるものである場合はうつ病から除外しているが、しかしその気分が長期化し大うつ病エピソードに特徴付けられる要素がある場合は、死別を原因として抑うつエピソードに入る可能性があるとされていた[99]

DSM-IVの特定不能のうつ病性障害の項には、抑うつ性の特徴を伴うものが紹介され、関連する診断に、気分変調症(慢性的だが軽度の気分変調が長く持続する)[100]、抑うつを伴う適応障害(特定可能な出来事やストレッサーによって落ち込みが起きている)があり除外する必要がある[101]。それ以外の場合に特定不能のうつ病性障害が考慮され、大うつ病エピソードが身体疾患や薬物あるいは原因がないのか判別できない場合にこの診断名を用いたり、また共に研究用診断基準案である小うつ病性障害英語版(大うつ病エピソードの症状の幾つかのみが存在する)[102]反復性短期うつ病性障害(英語: recurrent brief depression(12か月にわたり毎月起きている2週間までのうつ病性のエピソード)が[103][104]、紹介されている[101]

鑑別診断

抑うつ状態は、次のような原因によって引き起こされる。

正常な落ち込みは生活上の正常な苦痛や苦悩であり、対して、うつ病ではそれが1日のうちほとんど、ほとんど毎日であり「濃く」、機能の障害を起こし重症である[105]。失業、離婚、他の人生の深刻な問題の後に落ち込みが起きていれば、特に軽症の場合には一時的なストレス反応であるかを検討すべきであり、4週間以上観察してもよい[105]

DSM-IVでは大うつ病性障害の診断基準Bが他の精神障害ではないことを要求し、診断基準Cが躁病エピソード、軽躁病エピソード、混合エピソードが存在したことがないことを要求している。

DSM-IVでは大うつ病エピソードの診断基準Dが、物質あるいは、身体疾患による症状ではないことを要求している。物質の例には、薬物乱用アルコール乱用、投薬による直接的な生理学的作用としての抑うつが挙げられる[106]

子どもや思春期では、診断を下すには注意を払い、物質の使用やストレス要因を考慮する[105]。高齢者のような発症が遅い場合には、身体疾患や医薬品の副作用が考慮される[20]

DSM-5の物質・医薬品誘発性抑うつ障害では、アルコール、精神刺激薬、ステロイド、L-ドーパ、抗生物質、化学療法などが抑うつを誘発しうるとし、一部は症例報告などが根拠であり因果関係の判定が困難なものがある。

身体疾患による抑うつとの鑑別

身体疾患は、抑うつ症状を呈すものがある。

DSM-5の他の医学的疾患による抑うつ障害では、脳卒中、ハンチントン病、パーキンソン病、外傷性脳傷害では明確な関連があり、解剖学的相関もあるとされ、クッシング病、甲状腺機能低下症、多発性硬化症があげられている。

双極性障害との鑑別

うつ病の診断においては、軽躁とうつを繰り返す双極II型障害を単極性・反復性と誤診するなど、双極性障害と見分けがつきにくいケースが多い。患者側も、睡眠時間が短くてもすんでしまうなど現代の過酷な社会環境にむしろ適応的であり、ばりばりと働けたなどの充実感などのため、軽躁状態を異常と認識せず、主治医に申告しないこともある。

WHOのガイドラインでは、大うつ病性障害など「うつ病として」受診に来た患者を診断する場合、躁病エピソードの既往症(軽躁エピソードは特に)を確認し、双極性障害でないかどうか明確に鑑別しておくことが重要であるとしている[5][106]。これは、大うつ病性障害などの単極性の気分障害と双極性障害は、治療法が根本的に異なるためである[5][106][107]

また長期経過の中で、うつ状態に加え、躁状態も生じる場合にも、双極性障害の可能性がある。そのため、躁状態に転じることを常に注意し、素早く対応することが必要であるとも指摘されている[108]

とくに若年者は、双極性障害のうつ病相や統合失調症の好発年齢であり留意が必要である[109]

うつ病を繰り返し生じる場合には、反復性うつ病と呼ばれており、これも、遺伝研究などにより、躁うつ病と根本的には同一の障害であるとされている。一方、再発のないうつ病は、単一エピソードうつ病と呼ばれ、躁うつ病とは異なった障害であると考えられている。

他の精神障害

パーソナリティ障害不安障害不眠症、精神病の合併の有無を確認する[110]。大うつ病障害に対して、約15%に依存性パーソナリティ障害、約10%に境界性パーソナリティ障害、約9%に強迫性パーソナリティ障害が確認されるとの研究報告がある[111]

診療科・医療機関

米国『メルクマニュアル第18版』によれば、プライマリケアの現場(総合診療科)で抑うつを訴える人々の割合は30%だが、大うつ病を有する人々の割合は10%未満である[112]。また、抑うつは、甲状腺機能亢進症脳腫瘍等の身体疾患でも見られる症状である[112]

精神障害の治療は、OECD諸国では主に総合診療医が担っている[113]。ある調査によれば、日欧米の一般の人々には精神科受診に対する抵抗感があるという[114]。日本では、うつ状態になった人々の最初の受診先は内科が約60%で、精神科は10%未満という報告もある[114]日本精神神経学会は、かかりつけの内科医について、患者をよく知っており、的確に治療していることが多いと述べている[115]。一方、症状によっては精神科への紹介を検討すべきと述べている[115]

日本では、精神障害を適切に診断・治療する診療科は精神科神経精神科(精神神経科)、心療内科である[116]。なお、神経内科は神経専門の診療科なのでうつ病は扱わない[116]。各自治体の保健所精神保健福祉センターでは、無料かつ匿名で「心の変調」やメンタルヘルスの相談に応じ、医療機関も紹介してもらえる[116]。意外に思われるかもしれないが、保健所の業務の6割は精神保健に関するものである。

精神障害は早期発見が重要なファクターだが、「心の変調」に自分(または周囲)が気づいた場合でも、どの医療機関を受診すればよいのかわからず、近所の内科などにかかることも少なくなく、症状を進行させてしまう場合がある。2014年にOECDは日本に対し、日本のプライマリケア制度の整備は発展途上であるため、地域医療を担う医療関係者がみな精神保健の技能を身につけるよう勧告している[113]


注釈

  1. ^ 寝室が明るいと睡眠の質が下がり、うつのリスクが高まる[57]
  2. ^ 「Solving the Puzzle of Mystert Syndromes」によると、181人のうつ病患者(含自殺願望の患者)の口中から水銀アマルガムの詰め物を取り除いた結果、全員が完治または改善を報告している。
  3. ^ 以下は学会声明からの引用[118]

    APA診療ガイドライン遺産集

    これらのガイドラインは5年を越えた古さであり、現行の知見と診療〔実践〕を反映していることを保証する更新は、まだ行われていない。国家標準集──医療研究品質機構国家ガイドライン情報局クリアリングハウス〕の国家標準を含む──に従い、もはやこれらのガイドラインが現行であると見なされることはあり得ない。

    (原文:APA Practice Guidelines Legacy Collection
    ...
    These guidelines are more than 5 years old and have not yet been updated to ensure that they reflect current knowledge and practice. In accordance with national standards, including those of the Agency for Healthcare Research and Quality's National Guideline Clearinghouse, these guidelines can no longer be assumed to be current.[118]
  4. ^ 原題: “WPA/PTD Educational Program on Depressive Disorders” [142][143]
  5. ^ 原文: “the effect of psychotherapy alone is as great as the combined effect of psychotherapy and antidepressants, why bother with the drugs?” [145]
  6. ^ ”Step 3: persistent subthreshold depressive symptoms or mild to moderate depression with inadequate response to initial interventions, and moderate and severe depression - For people with moderate or severe depression, provide a combination of antidepressant medication and a high-intensity psychological intervention (CBT or IPT).” (英国国立医療技術評価機構 2009b, Chapt.1.5.1.2)
  7. ^ なお、非定型うつ病については、欧米ではモノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害剤)が第一選択として活用されているが、その激しい副作用と厳しい食事制限のため、2012年現在日本で認可されているものはない。NICEはMAOIの処方は精神医療専門家のみが行われなければならないしている[178]
  8. ^ ”Do not use antidepressants routinely to treat persistent subthreshold depressive symptoms or mild depression because the risk–benefit ratio is poor,”(英国国立医療技術評価機構 2009b, Chapt.1.4.4)
  9. ^ David Taylor(チーフ薬剤師精神薬理学教授)、Carol Paton(チーフ薬剤師、名誉研究員)、Shitij Kapur(精神医学研究所学部長・教授)らによって著された向精神薬の処方マニュアルである[206]
  10. ^ "Surprisingly, there is limited evidence that antidepressants reduce suicide risk. Because depression is one of the most significant risk factors for suicide, however, antidepressants may be essential in the treatment of suicidal patients for depressive-symptom reduction." (アメリカ精神医学会 2004, pp. 378–379)
  11. ^ 原文: “antidepressants are not recommended for the initial treatment of mild depression, because the risk-benefits ratio is poor.” [211]
  12. ^ 原文: “patients of all ages with mild depression of the benefits of following a structured and supervised exercise programme.” [211]
  13. ^ 以下はガイドラインからの引用[223]
    われわれのDTD〔難治性うつ病 Difficult-to-Treat Depression〕患者へのrTMS推奨は、英国国立医療技術評価機構(NICE)と王立オーストラリア・ニュージーランド精神医学会(RANZCP)の大うつ病性障害(MDD)の治療についてのガイドラインに沿っている。これに対し米国精神医学会(APA)は、rTMSをMDDの治療法として記載しているが、DTD患者への選択肢として言及してはいない。ただし、このAPAガイドラインは2009年に案内されたものである。すなわち、DTDにおけるrTMSの新しいエビデンスが過去10年間に現われている。

    (原文:Our recommendation of rTMS for patients with DTD is in line with both the National Institute for Health and Care Excellence (NICE) and the Royal Australian and New Zealand College of Psychiatrists (RANZCP) guidelines for the treatment of Major Depressive Disorder (MDD). In contrast, the American Psychiatric Association (APA) lists rTMS as a treatment of MDD but does not mention it as an option for patients with DTD. However, the APA guidelines were conducted in 2009; new evidence for rTMS in DTD has emerged in the past decade. [223]
  14. ^ APA (2010) においては、大うつ病性障害の初期治療においてのTMS使用を支持する根拠は現在不十分であるとしている[226]。TMSはECTと比較したランダム化試験において、ECTより効果が低いか、あるいはECTと同等の効果であるとしている[227]。APAは治療抵抗性うつ病に対しては、ECTよりも支持根拠は少ないが、選択肢の一つとしてTMSを検討するとしている[219]

出典

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