【追悼】落語家 三遊亭円楽さん
一病息災
【追悼】三遊亭円楽さん 闘病中に語った「引退後」…落語は「最高のエンターテインメント」
「俺にもう少し走らせてくれ」
肺がんは、治療で肺を切除するため、どうしても心肺能力が低下します。長い話もある落語。体力の面を心配する声には、「亡くなった歌丸師匠は 誤嚥 性肺炎でちょくちょく入院していたけど、言ってました。『鶴』っていう落語があるんですよ。『つーーーーーーっと飛んできて』って言うの。『つー』がどこまで続くかで、自分の呼吸がわかるって。『鶴』もやりますけど、いい 噺 はほかにもあるので、落語でどこまで息が続くか見ていますよ」。
「面白いのは、肺がんをやって呼吸がちょっと変わったんですよ。今まではポンポンとたたみ込むような話ができた。今は息が切れちゃうから、たたみ込まないで少しゆっくりやるようになった。自分の呼吸でやるから早口が少し直ったね。病気は全部が害じゃない。人情噺で思い入れがゆっくりできるようになったの。ぐっと抑え込む」
そして、落語への思いをこう話していました。
「日本人が考えた最高のエンターテインメントだと思っているんです。座布団の上、一人で小宇宙を作れるんだから。こんな芸事を考えてくれた先人に感謝ですよ。次にバトンを受け取る年下の良いヤツらがいっぱい出てきている。そのことの幸せ。でも、もう少し俺にも走らせてくれ。抜いていってもいいよ。もう、抜いていったヤツは何人かいるけどね。でも、まだまだ場面によっては俺が必要なところもあるから。現役を引退したらね。落語評論家になって、人の落語をきちんと評論したい」
4 / 4
【関連記事】