元大関 小錦八十吉(こにしきやそきち)さん 46
一病息災
[元大関 小錦八十吉さん]150キロの減量(3)胃の縮小手術で痛風悪化
2008年2月。ハワイの病院で、胃の縮小手術を受けた。「急激にやせる時には尿酸値が上がって、持病の痛風がひどくなりますよ」。主治医に言われていた通り、1週間後には激しい痛風の痛みに苦しむようになった。その上、胃が小さくなって、食べようとしても食べられない。
ひじ、ひざ、手首、指など体のあらゆる関節がこれまで経験したことのない激痛にさらされ、2週間くらいで自然に消える。この繰り返しだ。
手術後しばらくして日本に帰国し、ハワイアン音楽のコンサートなどの芸能活動を再開したが、激痛のある時には寝たきりで、まったく動けない。同じハワイアン音楽の歌手として「TAUPOU(タウポウ)」の名でCDも出している妻の千絵さん(35)は舞台から帰ると、疲れた顔も見せずに世話をしてくれた。
風呂にも入れないので、大きな体を回って隅々までふいてくれる。触られるだけでも痛いのだが、じっと我慢する。「お互いのつらさが、痛いほどわかっていた。でも、どうすることもできなかった」と振り返る。
それでも、具合の良い時には、トレーニングを再開。食事も千絵さんがカロリー計算をして作ったものを、一口ずつゆっくりと味わって食べられるようになった。手術から1年後。300キロあった体重は、170キロ台にまで減った。
【関連記事】