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ITサービス各社の2019年度業績はデジタル投資の拡大を背景に好業績が目立った。売上高ランキング上位30社を見ると、9割の企業が増収増益だった。ただし先行きには新型コロナが影を落とす。好調企業の業績を分析するとともに、2020年度の業績を展望する。

 ITサービス大手各社の2019年度の業績は「過去最高」のオンパレードだった。「創立以来、31期連続の増収を達成できた」(NTTデータの本間洋社長)、「売上高と営業利益は前期に引き続き過去最高を達成した」(野村総合研究所=NRIの此本臣吾会長兼社長)といった声が決算会見で聞かれた。

ITサービス企業の売上高ランキング(上場企業が対象)
ITサービス企業の売上高ランキング(上場企業が対象)
注:決算月が2019年7~2020年6月期の決算を「2019年度」と表記。伸び率は小数点第2位を四捨五入。▲はマイナス(写真:Getty Images)
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 この2社以外にも、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は売上収益や全ての利益項目が統合後最高、TISも売上高と営業利益が過去最高だった2018年度の業績を更新するなど、ITサービス業界全体でここ数年続いている好調ぶりを維持した格好だ。

 過去最高業績が相次いだ要因についてSMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは、「2018年度に引き続き、デジタル変革(DX)へ投資する企業や官公庁が多かった」ためと説明する。