市川ストーカー殺人事件
事件概要

2013年11月27日午後4時頃、千葉県市川市のJR本八幡駅近くの歩道で、女性が刺されたと110番のがあった。
通報を受けた千葉県警市川署員が駆け付けると、腹部を刃物のようなもので刺されており、すぐに病院に搬送されたが、間も無く死亡が確認された。
死亡した女性は、千葉県市川市内に住む無職 湯浅栞さん(当時22歳)であった。

殺害された湯浅栞さん(当時22歳)

 

湯浅さんは3歳の娘を交際相手の男性と車で、保育園に迎えに行った帰りに、娘とJR本八幡駅近くの宝くじ売り場に並んでいるところを刺されている。
娘に怪我はなかった。
交際相手の男性は、車内で待っていた。
男性の話では「男が走り去った後に振り返ると、湯浅さんが腹部を押さえうずくまった。」と話しており、男は無言で湯浅さんを刺し逃走したとみられる。
男性は湯浅さんと結婚する予定だった。
千葉県警の調べで、湯浅さんはストーカー被害にあっていたようで、9月24日に市川署に相談に訪れるなど、9月以降に計4回相談に訪れている。
ストーカー相談の内容は、20代の元交際相手からの復縁の要求と、30代男性との金銭トラブルについて相談を受けていた。
9月24日に元交際相手の男性が、湯浅さんの当時の自宅に来たことで警察官が駆け付けるトラブルになっていた。
市川署は2人の男性に事情を聞き、ストーカー行為に対し口頭での警告を行なっており、その後は湯浅さんから相談はなかった。
事件発生後、元交際相手の男性とは連絡が取れていない。
千葉県警は28日、逃亡していた元交際相手の男性、職業不祥事 岡逸人(当時23歳)を、逃亡先の東京都八丈島にて逮捕した。
岡は捜査員の問いかけに「間違いありません。僕がやりました。」て容疑を認めている。

犯人の無職 岡逸人(当時23歳)

 

 

 

背景

湯浅さんと岡は10代の頃に交際しており、一度別れています。
その後、2011年に再会し再び交際が始まった。
この時すでに湯浅さんには、べつの男性との娘さんを産んでおり、岡と交際する際には3人で暮らし始める。
その後2013年9月上旬に湯浅さんは岡に別れ話をし、同棲を解消して実家に娘さんと帰っている。
岡は同棲を解消した2週間後の9月24日に、湯浅さんの実家に押しかけ復縁を要求する。
湯浅さんは身の危険を感じ警察に通報し、駆け付けた警官に抑えられ、「今度押しかければストーカー行為になる。」と口頭にて注意を受ける。
再度岡が実家に押しかけたため、湯浅さんは交際中の男性とJR本八幡駅付近に転居し、住民票に閲覧制限をかける。
10月下旬頃、岡は湯浅さんの実家近くで、女を取られたと叫び騒ぎを起こし、近隣住民に通報されている。
11月20日、岡は自宅付近で彼女に振られたと触れ回る。
そして11月27日、事件が起きてしまう。
事件当日、岡は前日に大型スーパーで購入した包丁を携え、湯浅さんの娘が通う保育園で待ち伏せをする。
娘を迎えにきた湯浅さんと交際相手が乗る車を、タクシーにて追走する。
湯浅さんと娘がJR本八幡駅付近で車を降り、岡もその後を付ける。
湯浅さんが宝くじ売り場に並んでいるのを見て、岡は真後ろから湯浅さんに声をかけ、振り向いたところを持参した包丁で右脇腹を1回強く刺し殺害する。

犯行の行われたJR本八幡駅付近

 

犯行後、岡は電車で竹芝桟橋まで行き、フェリーで八丈島へ逃走を企てる。
しかし先回りした警官に身分証の提示を求められ、身柄を確保される。
岡は逃走先に八丈島を選んだのは、小学校の途中まで八丈島に住んでおり、漁師をしていた父親が亡くなってから、母親と妹の3人で千葉県松戸市で暮らしていた。
逮捕後の供述で岡は「湯浅さんとの復縁や娘との再会を拒否され、家族にもあきらめて働けと言われ厄介払いされてたと感じ、すべて湯浅さんのせいだと思い、一方的に憎しみを募らせ殺害を決意した。」と話した。

 

 

▪裁判
2014年5月26日、岡の判決公判が千葉地裁で開かれ、裁判長は懲役16年(求刑 懲役20年)を言い渡した。
検察側は、復縁や長女との再会を湯浅さんに拒否されたことなどから、一方的に湯浅さんへの憎しみを募らせたとした上で「短略的で身勝手な考え方に基づく残忍な犯行である。」と指摘した。
弁護側は「犯行時、心理的に追い詰められ、冷静さを失っていた。」と情状酌量を求めた。