石川 輪島 大規模火災 火元は朝市通り南側 “断水で消火難航”

震度6強を観測した石川県輪島市の中心部で起きた、店舗や住宅など200棟以上が焼けたとみられる大規模火災の詳しい状況について、消防関係者が証言しました。それによりますと、火元は観光名所として知られる「朝市通り」南側の店舗周辺とみられ、消防隊が発見したものの断水で消火栓などが使えずに消火が難航し、火が燃え広がったということです。

輪島市中心部にある河井町で今月1日午後6時ごろに発生した火災では、店舗や住宅など200棟以上が焼けたとみられ、これまでにほぼ消し止められました。

消防関係者がNHKの取材に対して当時の詳しい状況を証言し、それによりますと、現地で救助活動などを行っていた消防隊が最初に火災を発見し、火元は観光名所として知られる「朝市通り」南側の店舗周辺とみられるということです。

消防隊が直ちに消火活動に当たりましたが、近くでは倒れそうになった電柱が路地をふさぎ、消火栓は断水ですべて使えなかったということです。

このため、消防隊は近くの河原田川からポンプで水を吸い上げようとしましたが水がほとんどなく、吸い上げられなかったということです。

消火栓が使えず、道路が陥没したり、倒れてきたものでふさがったりしている中では応援の消防車両もすぐには駆けつけられず、火が一気に燃え広がっていったということです。

消防団の副団長「川を見ると全然 水がなかった」

「朝市通り」で靴店を経営し、消防団の副団長として消火活動にあたった多田見栄一郎さんが取材に応じ、当時の状況について「現場に駆けつけたとき消防が消火作業を始めようとしていましたが、水の確保に手間取っていました。川から水をとろうとしていましたが、ホースから出てきたのはヘドロで、川を見ると津波の引き波の影響なのか全然、水がありませんでした」と証言しました。

そのうえで、「現場が海に近く、大津波警報が出ていた状況では東日本大地震で多くの消防団員が亡くなったこともあり、団員も十分集まらず、消火作業が十分できなかったことが悔やまれます」と話していました。