【動画】石川 輪島「朝市通り」周辺で火災 約200棟焼けたか

震度6強の揺れを観測した、輪島市の中心部にある河井町では1日夕方、観光名所として知られる「朝市通り」周辺で火事があり、消防によりますとこれまでにおよそ200棟が焼けたとみられるということです。

【動画】輪島中心部 ビル横倒し 「朝市通り」周辺で火災

2日午後2時すぎ、NHKの取材クルーが震度6強の揺れを観測した、輪島市の中心部にある河井町で撮影した映像です。

7階建てとみられるビルが横倒しになった場所では、建物の周りに自衛隊員とみられる数人がいて、周辺の建物の一部がブルーシートで覆われています。

また、火災でこれまでにおよそ200棟が焼けたとみられる、観光名所の「朝市通り」周辺では、白い煙が立ちこめる中、消防隊員が消火活動にあたっている様子が確認できます。

辺りは焼け焦げた木材などで埋め尽くされ、真っ黒な光景が広がっていて、建物だけではなく、黒く焼けた車とみられるものも映っています。

消防によりますと、火は2日の午前中までにほぼ消し止められたということですが、これまでに280メートル四方にある店舗や住宅などあわせておよそ200棟が焼けたとみられるということです。

消防によりますと、地震による断水などで消火活動が影響が出たということです。

警察と消防が、この火事で逃げ遅れたり、けがをしたりした人がいないか、確認を進めています。

専門家「古い木造の町並み 混乱もあって延焼拡大か」

石川県輪島市の中心部にあり店舗や住宅などおよそ200棟が焼けたとみられる火災について東京理科大学の関澤愛教授は古い木造の町並みに加え、地震時の混乱もあって延焼が拡大したおそれがあると指摘しています。

これまで上空から撮影された映像などを分析した関澤教授は「現地は非常に密集した木造の古い街並みで、いったん燃え広がるとなかなか止めることは難しく現地の消防署のポンプ車では延焼を止め切れなかった状態になっていたと推測できる」と述べました。

その上で「地震で建物がいくつも倒れて情報が錯そうしている中でひょっとしたら通報が遅れたり消防がすぐに火元に駆けつけられなくて延焼が始まった可能性もあり得る」と呼びかけています。

また、今後について「再び津波警報が出るなど直ちに避難を求められることも考えられるが、火の気があると建物が半壊したり物が落ちたりしただけで火災の危険が増す。火の始末をしたりブレーカーを落としたりして避難することも心がけてほしい。消防も火災や救急にすぐに対応できない状況になっているので自分の身は自分で守って事故が起きないように注意してほしい」と話しています。