クマによる被害相次ぐ 秋田で80代男性 青森で60代女性がけが

6日午前、秋田県湯沢市で自転車に乗って畑に向かっていた80代の男性がクマに襲われ、頭などにけがをしました。
秋田県内ではクマによる人への被害がことし31件と過去最多を更新していて、県と警察が警戒を呼びかけています。

警察によりますと、6日午前9時半ごろ湯沢市山田の路上で、自転車に乗って畑に向かっていた80代の男性がクマに襲われました。

男性は近くの住宅に駆け込んで横手市の病院に搬送されたということで、頭とのどにけがをしましたが、命に別状はないということです。

現場は、雄物川沿いの住宅や田んぼが点在する地域です。

秋田県警察本部によりますと、県内ではことしクマに襲われるなどしてけがをした人はこれで31人となり、過去最多を更新しています。

県によりますと、ことしはクマの餌となるブナやドングリなどの木の実が県全域で不作となっているため、冬眠前のクマが餌を求めて市街地などにも出没する可能性が高くなるとみています。

県と警察は、「ことしは特に、『いつでも・どこでも・誰でも』クマに遭遇するリスクがある」として
▽やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず
▽鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。

青森 田子町 60代女性 クマに襲われけが

6日午前7時40分ごろ、青森県田子町夏坂で60代の女性がクマに襲われてけがをしたと警察に通報がありました。

女性は頭と右腕にけがをして、当時、意識がある状態で近くの病院に搬送され、命に別状はないということです。

町によりますと、女性は栗拾いのため車に乗って、所有する農地を訪れたところ進路を阻んでいた子熊を見つけ、車を降りて追い払おうとしたところ一緒にいた親熊とみられるクマに襲われたということです。

これを受けて町は防災無線で町民に対し、クマの出没に注意するよう呼びかけました。

青森県内ではことし1月から9月末までのクマによる被害や目撃情報は711件と、前の年の同じ時期と比べて2.5倍以上に上っているということです。

県は「ツキノワグマ出没警報」を発表して、
▽クマが多く出ている場所には近づかないことや
▽万が一、クマと遭遇してもクマを刺激する行動はせず、後ずさりするようにその場を離れることなど注意を呼びかけています。

現場の近くに住む女性は「けがをされた方がかわいそうだなと思った。実際には見ていないが最近はこの辺りでクマがよく出ているみたいでやっぱり怖いなと思った」と話していました。