ビッグモーター前副社長 損害保険ジャパン前身企業に1年余在籍

ビッグモーターによる保険金の不正請求問題で、創業者の長男で26日引責辞任した前の副社長が2011年から1年余りの期間、損害保険大手「損害保険ジャパン」の前身の企業に在籍していたことがわかりました。一方、「損害保険ジャパン」はこの年からビッグモーターに出向者を出していて、両社の関係が深まった経緯が焦点となります。

関係者によりますと、ビッグモーターの兼重宏一前副社長は大学を卒業後、2011年4月から翌年の6月にかけて「損害保険ジャパン」の前身企業の1つ「日本興亜損保」に在籍し、経理などを担当していたということです。

兼重前副社長はその後、アメリカの大学でMBA=経営学修士を取得したあと2015年からビッグモーターで取締役として業務に当たりますが、外部の弁護士による報告書では、2020年8月ごろから兼重前副社長らの判断で板金や塗装を担当する工場長への降格処分が頻繁に行われ、これがいびつな企業風土の醸成につながったと指摘されていました。

一方、「損害保険ジャパン」は2011年からビッグモーターに延べ37人の出向者を出し、中には執行役員を務めた出向者もいたということです。

両社は互いの顧客を紹介し合うなどビジネスの面で親密な関係を続けてきましたが「損害保険ジャパン」が去年夏、出向者から不正の可能性があるという情報を得ていながら詳細な調査をせず、いったん中止していたビッグモーターとの取り引きを再開していたことがわかっています。

「損害保険ジャパン」は26日、外部の弁護士による調査委員会を設置し、保険金の不正請求を認識できなかった経緯を詳しく調べています。