小池知事 “交通機関の運休 東京でも” 感染拡大防止に協力を

東京都内で感染が急拡大していることについて、小池知事は、海外で起きた公共交通機関の運休などが、いつ東京で起きてもおかしくないとして、感染拡大に歯止めをかけるため協力を重ねて呼びかけました。

東京都内では新型コロナウイルスの感染が急拡大していて、都の専門家は、新規陽性者がこのまま高水準で増加すれば、社会活動の停止を余儀なくされる可能性があると指摘しています。

こうした状況について、東京都の小池知事は記者会見で「各国の状況を見ても、ニューヨークで地下鉄が止まったり、イギリスでゴミが積もって衛生状態が懸念されたりしている。沖縄を見ても、学校や医療機関などで支障が出ていて、いつ東京で起こってもおかしくない」と述べ、強い危機感を示しました。

そのうえで「マスクや手洗いといった『専守防衛』だけでなく、抗体カクテルや経口薬などの『武器』をそろえ、実際に投与する。オミクロン株は、それをすぐに上回るぐらいの感覚を持っているが、打つべき手はしっかり打っていきたい」と述べました。

そして、小池知事は「『感染は止める、社会は止めない』をモットーにしていく。『大谷の二刀流』ではないが、2つとも行うのはすごく大変だ。一人一人が、今できることをやり遂げていただきたい」と述べ、感染拡大に歯止めをかけるため、都民や事業者の協力を重ねて呼びかけました。

警察と消防職員対象 3回目接種 都の大規模会場で開始へ

東京都は、社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」の3回目のワクチン接種を急ぐため、警視庁と東京消防庁の職員を対象にした接種を都の大規模会場3か所で早いところでは来週から始めます。

都が「エッセンシャルワーカー」の3回目の接種に向けて開設する大規模会場は、
▽千代田区の行幸地下ワクチン接種センター、
▽新宿区の都庁南展望室のワクチン接種センター、
それに、
▽立川市の立川南ワクチン接種センターの3か所です。

対象は、警視庁と東京消防庁の職員およそ6万人で、
千代田区の会場は今月19日から、都庁の会場は今月26日から、立川市の会場は来月1日から、それぞれ開始します。

都の大規模会場では先月から医療従事者などを対象にした3回目の接種が始まっています。

都は会場や接種対象を順次、拡大していくことにしています。

都 自宅療養者への健康観察 代行の医療機関に協力金

新型コロナウイルスの感染が急拡大し自宅療養者が増えるなか、東京都は保健所の負担を減らすため、医療機関が健康観察を代わりに行った場合、協力金を支払う取り組みを始めています。

感染者の急拡大に伴い、都内では自宅で療養する人が13日時点で3874人に上っており今月1日のおよそ45倍になるなど急増しています。

こうした中、都は、これまで原則保健所が行ってきた自宅療養者への健康観察などを、医療機関が代わりに行った場合、協力金を支払う取り組みを12日から始めました。

自宅療養者の急増による保健所の業務負担を減らすことがねらいで、自宅療養者1人当たり2万800円から3万1200円を都が医療機関に支払っています。

都によりますと、14日時点で協力金を受け取るために登録している医療機関は、およそ1000にのぼっているということです。

小池知事は14日の記者会見で「オミクロン株の特徴を考えると自宅療養者は今後も増えていくと思う。医療機関の協力も得ながら、総力を挙げて対策を取っていきたい」と話していました。

宿泊療養施設で駅弁や機内食提供 積極的利用促す

東京都は、新型コロナウイルスの家庭内での感染を防ぐために、積極的に宿泊療養施設を利用してもらおうと、週に1回程度、駅弁や航空機で提供されている機内食などを提供することになりました。

これは14日、小池都知事が記者会見で明らかにしました。

都が提供する駅弁は、東京の郷土料理でアサリを炊き込んだ「深川めし」や宮城の「炭火焼牛たん弁当」、神奈川の「鯛めし」、山形の「牛肉どまん中」です。

これらの駅弁は16日に合わせて1000食が提供されます。

今後は、日本航空の航空機で出されている機内食のメニューの弁当や、料亭「なだ万」の仕出し弁当なども用意するということです。

都内では新型コロナの感染が急拡大する中、感染経路がわかっている人のうち「家庭内」で感染した人が最も多くなっていて、宿泊療養施設の活用が課題です。

都としては特色ある食事にすることで、利用してもらえる環境を整えたい考えです。

小池知事は「日常と違うそして単調になりがちな宿泊療養施設での療養に、少しでも彩りを添えるための工夫もしようということだ」と話しています。