安倍総理が“第三の矢"を放てば「経済宰相」への道が開ける 塩田潮さん (1/3ページ)

★塩田潮さん『内閣総理大臣の日本経済』(日本経済新聞出版社 2300円+税)

2015.06.07

連載:ブック


塩田潮さん(撮影・野村成次)【拡大】

 本書は、戦後復興期の吉田茂元首相に始まり、現在の安倍晋三首相に至るまで19人の宰相の経済政策とその取り組み、政争を描く。痛感させられるのは、国民の期待やイメージと政治家の考え、行動との余りにも大きな乖離(かいり)だ。 (文・清丸惠三郎 写真・野村成次)

 ──力作です。タイトルの含む意図は

 「まず歴代首相が、政治家として自分の経済政策をどう考え、どう実行しようとしたのか。つまり歴代政権の経済政策がいかにして誕生したのかということ。もう一つは、その人が首相になったあとの経済政策を巡る攻防、権力闘争と言ってもいいかと思いますが、この2つのことに迫ってみたかったのです。経済学者の書く歴代政権の経済政策の検証とは、そうした点で自ずと異なったものになっています」

 ──経済問題への歴代首相の接し方、重視度合いがこれほど違うとは

 「池田勇人さんや福田赳夫さんのように、元々やるべき経済政策が頭の中にあって、政権を獲ったならばこれをやろうと考えていた人もいれば、対照的にそんなことなどあまり考えていなかった人がいる。今やこれだけ世の多くの人が経済政策を重視しているにもかかわらず、不思議ですが」

 ──吉田茂さんなど「たかが経済の問題」と

 「彼は外交官出身で、経済に強いわけではなかった。ただあの言い方は彼一流のウイットではなかったかと思います。当時は国民の明日食べる米をどうするかが、GDPや株価より大事でしたから。そうした中で“富国軽軍備”という日本の歩むべき道を戦後長く方向づけた基本政策が生まれてきたわけです」

 

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