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【片平なぎさ】“2時間ドラマの女王”実はワイルド派!

2012.09.28


片平なぎさ【拡大】

 主演する2時間ドラマは常に15%前後の視聴率をあげている。そのためか、ドラマはシリーズ化するケースが多い。その中のひとつ、葬儀社の女性社長が事件を解決するフジテレビの金曜プレステージ『赤い霊柩車シリーズ』は、30話を迎えて2週連続の“4時間ドラマ”になる(前編9月28日、後編10月5日放送)。

 その台本は文学書のように活字がびっしりだ。よくぞ覚えましたね。

 「私は台本を丸ごと覚えるんです。今回は2日間、自分の部屋にこもってイメージを叩き込みました。今回は覚えるのに2倍かかりましたね。4時間も引っ張るのは大変。でも、脚本がよくできているし、ゲストも素晴らしいですから」

 レギュラーの共演者は神田正輝。婚約中の医師という役だ。「神田さんとはいつも一緒にいるのに、週刊誌は(2人の噂を)書いてくれない。神田さんは私を女と思っていないみたいだし」と笑う。

 「女優の仕事をここまで続けているとは想像できなかった。子供のころはお嫁にいくのが夢でした。15歳ぐらいのころかな」

 まだ遅くはないのでは? と聞くと、「いいえ、これからも結婚はありません」ときっぱり。22歳から33歳までの11年間、「新婚さんいらっしゃい!」のアシスタントを担当。「ドラマと現実の違いかな。新婚さんたちのあけすけな話にびっくりして、結婚願望は強かったのですが、“結婚って何?”という気持ちになっちゃって…」。結婚願望はここで消えたという。

 最近、「2キロ太っちゃった」そうだが、スラッとしたプロポーションはアイドル時代とほぼ変わらない。1975年、山口百恵、桜田淳子、森昌子の中三トリオがデビューした2年後に「山口百恵二世」としてデビュー。同期には岩崎宏美らがいる。目がクリッとした彼女は当時から頭ひとつ抜けていた。

 「でも、歌は苦手。歌唱力がなくて、いつも仕事場には行きたくなかった。後に泉谷しげるさんから『お前は、いつも辛そうに歌っていた』と言われました。でも(同じ事務所に)山口百恵さんがいたおかげで、ドラマや映画などの仕事が後輩の私に入ってきたんです」

 ドラマの現場は一転、「とても居心地がよかった」。「歌は個人が主役ですが、ドラマはみんなで協力して作る。女優の仕事には、呼吸ができる温かさと空間があったんです」

 そして、いまや「2時間ドラマの女王」に。さぞや多忙な日々だろうが…。

 「でもね、仕事漬けの人生ではないんですよ。旅行が大好きで、いろいろなところでテントを張ってキャンプしています」

 寝袋で?

 「そうです。(ミニバンの)シボレー・アストロで女性同士、奥多摩をはじめ日本全国どこにでも行きます。近くに温泉があればもっといい」

 見かけによらず、ワイルドな私生活を送っているのだ。

 一を聞けば十が返ってくる人。実にインタビューがしやすい。誰にでも気さくに話しかけて気取りがない。常に笑顔で人に嫌みを与えず、誰からも好かれる。こんな人柄が、視聴者と制作者の心をつかみ、主演ドラマは次々シリーズ化している。

 だが、決して人柄だけで「女王」の座をつかんだわけではない。初めての座長公演「私は女優・貞奴恋の漫遊記」(89年、名鉄ホール)には、遺書をしたためて舞台に臨んだ。台本ができたのが2日前。早替わりがあるのにじっくり稽古ができていない。「失敗したら屋上から飛び降りるつもりでした」。この女優根性にスタッフは全幅の信頼を寄せているのだ。

 今後やりたい仕事は?

 「声優をやりたい。私、やったことがないの。戸田恵子さんに相談したら『あなたならできる』と太鼓判を押されたのよ」

 声優未体験とは意外。でも、この人なら難なくこなすだろう。(ペン・菅原岳、カメラ・小野淳一)

 ■かたひら・なぎさ 1959年7月12日生まれ、53歳。東京都出身。75年、「純愛」で歌手、映画『青い山脈』で女優デビュー。同年、日本レコード大賞新人賞、新宿音楽祭銀賞などを受賞した。同じホリプロの榊原郁恵とは同学年。デビュー3年後に女優に本格転向。83年の『スチュワーデス物語』では、堀ちえみをいじめる悪女役を演じ、現実にも石を投げられたという。

 シリーズ化した作品は土曜ワイド劇場『ショカツの女シリーズ』(テレビ朝日系)、『ヤメ刑探偵 加賀美塔子シリーズ』(TBS系)、『嘘の証明 犯罪心理分析官・梶原圭子シリーズ』(テレビ東京系)、『女医・倉石祥子シリーズ』(フジテレビ系)など。

 

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