ぴいぷる

【川島海荷】あどけない“つぼみ”

2009.10.27


川島海荷【拡大】

 公開中の初主演映画「携帯彼氏」(船曳真珠監督)の衣装そのままの制服姿で現れた。ひざ上20センチはあろうかというミニのプリーツスカートに大きめのカーディガン。胸元のリボンがポイントになった、いまどきの女子高生スタイルだ。

 この日は映画の試写会で、多くの現役女子高生たちが同じようなミニスカ制服で集まっていた。

 「寒くないのかな。私は学校が厳しいので、こんなに短くしたことはないんです。せいぜい、ひざ上ちょっとくらいですね。だから、みんなの格好にびっくりします。私も撮影中は慣れてはきたんですが、久々に着たらやっぱり寒かった…」

 映画の撮影中に中学を卒業し、いまは高校1年生。秋の体育祭の棒取りでは、「はしゃぎすぎて、ひざに傷を作った」と笑う。笑顔が子犬のようだ。

 「携帯彼氏」は、人気の携帯小説が原作。彼女自身、この小説を愛読していた。携帯にダウンロードする恋愛シミュレーションゲーム「携帯彼氏」にはまっていた友人が突然、自殺。その後、身近で怪事件が続々と起きるというサスペンス映画だ。

 クライマックスでは、パニックになりながらもサーバーをダウンさせようとパソコンを駆使するシーンがある。サマになってましたよ、と告げると、「本当はパソコンはすごく苦手なんです」とはにかんだ。

 「携帯も、ようやく慣れてきたくらい。パソコンはよく固まらせて(=フリーズさせて)怒られます。タッチタイピングが全然できなくて、撮影に入る前にすごく練習しました」

【共演者から吸収】

 初めての主役。それはもう頑張った。町をボーッと歩いているときもふと、「いま、あたしって、どういう表情してるかな」と、とっさに鏡を見る。ささいなことでも演技につなげていきたいのだと言う。

 一番難しかったのは驚く表情。「私はふだん、リアクションもそんなに大きくなくて、驚く表情もそんなにはしないんです。監督さんに相談したら、洋画のホラー映画で驚く表情だけ集めてくださいました」

 このほど発表された東京ドラマアウォードグランプリでは、今年春に放送されたドラマ「アイシテル〜海容〜」での演技が評価され、新人賞を受賞した。

 演技を始めて、まだ4年目での受賞。「こんなに早く賞がいただけるとは思ってなかったので、びっくりしています。もっと頑張らなきゃと思うことができたので、いいプレッシャーになりました。この新人賞の歴史に残るような人になりたいなと思います」と喜ぶ。

 「アイシテル〜」は、小学生が小学生を殺害するという重い内容。彼女は殺された男の子の姉という難しい役どころだった。シリアスな作品で、共演者からは多くのものを吸収した。

 「実際に(父親役の)佐野史郎さんやお母さん(役の板谷由夏)と家族会議をしました。演技というより、ドキュメンタリーを見ているような感じにできればいいねという話をしました」。佐野からは「演技はするもんじゃなくて、自分の感情が(役に)入り込むものだ」と教えられた。

【やがて大輪の花】

 珍しい名前は本名。海が好きな祖母の影響で父方の女性はみな「海」という字がついているのだという。

 「海荷の荷は蓮の花という意味です。海に咲く蓮の花ってきれいだろうなと思う。蓮の花は、泥の中でも咲く花。そういう強い女の人になってほしいと両親がつけてくれました。“うみか”と1回で読んでもらえることはないけど、最近は逆に覚えてもらえるって思うようになりました」

 あどけなくも力強い、一度見たら忘れられないこの目にふさわしい名前だと思った。

 ペン・菊地麻見

 カメラ・桐山弘太

プロフィール 川島海荷(かわしま・うみか) 1994年3月3日生まれ、15歳。埼玉県出身。小学6年の夏に、家族と初めて出かけた渋谷でスカウトされた。2006年の「誰よりもママを愛す」でドラマデビュー。その後、「Life 天国で君に逢えたら」(07年)、「ブラッディ・マンデイ」(08年)などの話題作に出演。カルピスウォーターの第10代イメージキャラクター。小さい時は地味で笑わない子だったが、「かわいくなりたいとずっと思っていました。女の子は笑ってるとかわいくなると思います」。やってみたい役は「方言を使った田舎の子の役。福岡弁がかわいいと聞いたので挑戦してみたい」。

川島海荷
 

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