ボビー・オロゴン“来日秘話” パチンコで仕事の資金使い果たし…

★ボビー・オロゴン

2013.06.21


陽気キャラで場を盛り上げるが、映画「MOON DREAM」は来日外国人の本音を描く本格派(撮影・永瀬白虎)【拡大】

 天然キャラで、バラエティーからドラマまで、マルチに活躍中のボビー・オロゴン(40)。すっかり馴染んだ感があるが、1995年に初来日した当日、早くも大ピンチに見舞われたという。

 「お父さんの仕事の手伝いで、日本に糸の買い付けに来たの。でも空港からのリムジンバスに資金の500万円とパスポートを置き忘れて…」

 来日以前は、ヨーロッパ諸国を買い付けで回っていた。旅先で金銭を紛失すれば…もはや諦めるしかない。

 「でも、それが戻ってきたの! お金が戻ってくる国なんて世界中でも日本だけ。素晴らしい国だと思ったよ」

 98年、念願だった2度目の来日。今度はタイヤのチューブを買い付けるのが目的だった、が…。

 「日本で知り合いになった人が、『パチンコやればお金はすぐに2倍になる』って。ナイジェリアでチューブを売ってお金を倍にするのは1年以上かかるでしょ。だったら3カ月で倍にして帰ればイイと思ったんだけど…」

 結局、3カ月後には、すべての資金を使い果たしてしまう。

 「でも、それで日本に残って頑張ろうっていうことになったわけで。ハングリー精神がわいてきたの。もし、タイヤのチューブの買い付けがうまくいってたら…今、日本にいなかったと思う」

 そんな彼が企画、製作、脚本、主演、監督を務めた映画「MOON DREAM(ムーン ドリーム)」が近く公開される。彼自身が日本で経験したことが物語のベースとなっているヒューマンエンターテインメント作品だ。

 「映画は5年ぐらい前から『やりたい』と周りに言っていて。夢は言葉にすると叶うんです」

 ヒロインには南沢奈央(23)。他に六平直政(59)、中尾彬(70)、ガッツ石松(63)といった個性派、演技派が脇を支えている。

 「みなさん素晴らしかったです。ガッツさんから『映画は赤字で終わるものだ』って言われました。それでもいいから頑張らせてください、って。ボクが映画を語ると、冗談ぽくなったりするから、ぜひ観てほしい。伝えたかったメッセージはわかってもらえるはず」

 2007年に帰化し、本名は近田(こんだ)ボビー。日本人より日本と日本人が好きなことが、よーく伝わってきた。

 ■ボビー・オロゴン 1973年4月8日ナイジェリア連邦共和国出身。95年初来日。2001年、「さんまのSUPERからくりTV」(TBS系)のファニエスト外語学院コーナーで注目される。04年の大みそかには格闘家として「K−1」に出場。05年から本格的なタレント活動を開始し、07年に日本に帰化している。さいたま・浦和在住。

 初主演&初監督「MOON DREAM(ムーン ドリーム)」は22日、ユナイテッド・シネマ浦和で先行公開。29日からユナイテッド・シネマ豊洲(東京)、シネ・ヌーヴォ(大阪)など、全国で順次公開される。

 

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