米の採決直前までの説得工作実らず、UAEまで棄権…理事国の結束にはつながらず

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 【ニューヨーク=寺口亮一】国連安全保障理事会は25日、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し、武力行使の即時停止と撤退などを求める安保理決議案を採決した。米欧など11か国が賛成したのに対し、常任理事国のロシアが拒否権を行使したため否決された。中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)の3か国が棄権した。

25日、ロシアに武力行使の即時停止などを求める決議案の採決をする国連安全保障理事会のメンバー(ロイター)
25日、ロシアに武力行使の即時停止などを求める決議案の採決をする国連安全保障理事会のメンバー(ロイター)

 米国などは採決直前まで、決議案の修正を含む説得工作を行い、支持拡大を図っていた。しかし、中国だけでなくUAEなども棄権に回り、ロシア以外の理事国の結束にはつながらなかった。決議案は、米欧や日本など約80か国が共同提案した。

 採決後、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は「決議案を支持しなかった国に感謝したい」と述べた。中国の張軍国連大使は棄権の理由を「いかなる行動も火に油を注ぐものであってはならない」と説明した。

 米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使はロシアの拒否権行使を「権限の乱用」と非難した上で「どの国が国連憲章を支持しないのかも明確になった」と述べ、棄権した国への不快感も示した。

 決議案否決を受け、米欧や日本など約50か国は共同声明を出した。どの国も拒否権を持たない国連総会にこの問題を持ち込み、「ロシアに責任を取らせる」と明言した。国際社会の声を集め、ロシアへの圧力を強めたい考えだ。

 安保理は2014年3月、ウクライナ南部クリミアのロシア併合に絡む住民投票を無効とする決議案を採決したが、この時もロシアが拒否権を発動し、否決された。中国は棄権していた。

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