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SDGメディア・コンパクトとは

プレスリリース 18-058-J 2018年09月10日

背景

193の国連全加盟国が2015年に採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」は、私たちの世界を変えることを目的とするロードマップを定めました。「2030アジェンダ」の核心をなす17の持続可能な開発目標(SDGsまたはゴールズ)と、これに関連する169のターゲットは、極度の貧困や不平等、気候変動など、現代が抱える喫緊の課題に取り組むものです。SDGsは、私たちが望む世界をはっきりと定義し、これをすべての国に適用することと、誰一人取り残さないことを目指しています。

各国政府は一致団結してゴールズを定めたものの、政府だけでそれを達成することはできません。2030年までにSDGsを達成するためには、市民社会や企業、国際機関、信仰団体、個人など、その他の主体による協調行動も必要になります。メディアは、市民対話を盛り上げるとともに、持続可能な開発を支援し、ゴールズを達成するための方法に関する知識を深めるうえで、特に欠かせない役割を果たします。

「SDGメディア・コンパクト」のねらいは、ゴールズに対する認識を高め、さらなる行動の活性化を支援し、各国政府が2030アジェンダの達成に責任を持てるようにすることにあります。

SDGメディア・コンパクトの概要

国連は主要な報道機関に対し、SDGメディア・コンパクトに加わり、ゴールズ達成に向けた参画の拡大に協力するよう呼びかけています。

参加する各報道機関は、それぞれの価値観やルール、方針を守りながら、国連との協議により、このメディア・コンパクトに基づくアクション方法を独自に定めることができます。SDGメディア・コンパクトは参加者に特定のアクションを要求することはありませんが、参加機関はSDGsと関連のトピックについての参画や活動を拡大するという原則と、支援する活動の実施を約束することになります。

参加者がこのメディア・コンパクトに基づき、アクションを起こすことを選択できる分野としては、下記が挙げられます。

• SDGs全般、または、SDGsに関連する具体的な目標もしくはトピックに関連する国連主体とのコンテンツ・パートナーシップやその他のパートナーシップ
• 報道機関の編集権の独立と編集方針を全面的に尊重しつつ、ゴールズ、または、ゴールズの達成を促進または阻害する取り組みや課題に関する記事の取り扱いを増やすこと
• 潜在的に下記を含む、SDGsに沿った自社の取り組み
 o 従業員その他のステークホルダーに対するSDGs教育
 o SDGsと整合する自社プラットフォームの活用(可能性としてソーシャルメディア・チャネルやイベント、パートナーシップを含む)
 o 自社の取り組みに関する定期的な幹部または取締役会レベル、または、年次報告書での報告
• 国連との協議により、個別の報道機関が定めるその他の分野または取り組み

国連としては、SDGメディア・コンパクトに基づき、下記のアクションを予定しています。

• 参加報道機関を優先し、SDGsに関連する価値の高い多言語のメディア・コンテンツと報道価値のある機会を調達、共有すること
• 取材目的を含め、参加報道機関に対し優先的に、かつ透明な形で、国連幹部やSDGコンテンツ専門家の協力を可能にし、適切な場合には、参加報道機関が主催するソート・リーダーシップ(thought leadership)イベントにも参加させること
• イベントやソーシャル/デジタルメディア・プロパティー、ステークホルダー参画チャネルなどを含め、国連のプラットフォームを活用しながら、メディア・コンパクトに対する認識や、適切な場合には参加報道機関各社による取り組みに対する認識を高めること
• 2018年の総会会期中、ニューヨーク本部で1週間にわたり、参加報道機関と共同で、メディア・コンパクトに関する大々的なメディア、ステークホルダー向け発表会を主催し、その広報活動を行うこと

国連は発足当初の、そして将来の参加報道機関と連携し、2030年までの期間を通じ、このメディア・コンパクトが引き続きSDGsの達成を支援しつつ、参加報道機関のニーズにも応えていけるよう、その評価と進化を図っていきます。

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