定例社長会見2006年3月

2006年3月30日 菅谷社長3月定例記者会見

≪「アニメーションなどの映像手法に関するガイドライン」逸脱について≫
3月19日(日)に放送した「セサミストリート」及び「ハロー!モーニング。」において、「アニメーションなどの映像手法に関するガイドライン」を逸脱した映像手法がありました。
1997年12月にいわゆるポケモン事件を起こしたテレビ東京が、再び同じ過ちを犯してしまったことは慙愧に耐えないと重大に受け止めています。この場をお借りして、視聴者の皆様、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。
この件については、先週の水曜日に記者会見を開き、概要はお伝えしているので、その後の経過についてご報告致します。まず、視聴者の方々の健康被害ですが、幸いにも今のところありません。ニュースでお詫びとお願いをいたしましたが、その後の問い合わせは「セサミ」で3件、「ハロモニ」で4件の合計7件ありました。地域別の内訳は、テレビ東京で6件、テレビ愛知で1件です。いずれについても、体調不良の自覚症状があるようでしたら、お医者さんに診ていただくようお願いしていますが、前回の健康被害のような報告はありません。引き続き注意して対処する所存です。
次に、現在進めている作業ですが、ガイドライン逸脱の事例が他に無いかどうかの洗い出しを行っています。アニメーション使用部分を中心に肉眼とアニメチェッカーと呼ばれる機械によるチェックを行っています。この作業は、来週中には完了する見込みと聞いています。全てのチェックが完了した時点で、検査結果について何らかの形で皆様にご報告し、処分も決定したいと考えています。 
また、再発防止策ですが、今週の火曜日にプロジェクトチームを立ち上げました。チェック体制の見直しやガイドラインを徹底するための研修制度の在り方などを検討し、包括的な改善策の策定作業に入りました。この改善策についてもまとまり次第、皆様にご報告したいと考えています。

≪新年度の事業計画要綱≫
新年度は、昨年作成した3ヵ年の経営計画を踏襲した事業計画という形になっています。今回の見出しは「減益覚悟で制作費を増強」です。2004年8月の東証一部上場をはさみ'3期連続の増収増益'を確保する見込みなので、経営基盤が固まりつつある中で、次には「制作力を強化して視聴率をあげていく」。すなわち、「個性・クオリティ」路線を堅持しながら「パワー」をつけるために制作費をあげることにしました。
今年度の視聴率は、本来の編成目標と非常に乖離があり、全社目標に'視聴率'を掲げた年としては「敗戦」だと思っています。それを巻き返すために、今までの「知恵」と「汗」に加えて、思い切って「お金」をつぎ込んで制作力を強化することが今回の事業計画の最大の眼目であります。

≪視聴率動向と4月編成≫
先週までの数字が GH8.2%(前年比△0.1%)PT7.7%(前年比±0)全日3.7%(前年比±0)と目標に届きませんでした。個々の番組では、「いい旅・夢気分」や「開運!なんでも鑑定団」「ペット大集合!ポチたま」「出没!アド街ック天国」「水曜ミステリー9」が健闘しています。不振だった「月曜エンタぁテイメント」「三宅式こくドリル」については終了予定です。その他、「元祖!でぶや」とアニメ番組が不振でしたので、これについて検討中です。
経済番組は軒並み好調で、WBSでは1月第11週(3/13~3/19)で週平均6.4%とスタート以来最高値をマークしました。また株式ワイドオープニングベル・クロージングベルなどがマーケットの回復もあって最高視聴率をマークしました。また、「ガイアの夜明け」も好調です。経済番組のもうひとつの切り口をもったトーク番組「カンブリア宮殿」(4/17~月曜22:00~22:54)がスタートしますので、これにも期待がかかります。
この「カンブリア宮殿」を含めた月曜中心に改編し、4月の改編率は3月28日現在でGH 21.4%、PT 22.9%、全日26.9%であり、2003年04月の大改編以来の大規模なものになっています。

 ≪スポーツ中継について≫
「世界卓球選手権2006」(2006年4月24日~5月1日、ドイツ・ブレーメンで開催)を地上波独占放送します。テレビ東京は「卓球応援宣言」をします。「世界卓球選手権」は昨年、上海で行われた個人戦から放送していますが、2009年の大会を横浜市が誘致しているところでもあり、福原愛選手を中心に人気がでている卓球に真剣に取り組んでいきます。
プロ野球に関しては、今年はドームでの巨人主催試合を2試合獲得し、交流戦を含めて巨人戦を6試合を放送します。ロッテ戦も5試合行い、G戦・ロッテ戦を中心に増やしていこうと思っています。WBCの視聴率がよかったので、今年のプロ野球は昨年よりも良いのではないかと期待しています。
日本の女子ゴルフについては昨年と同じ11試合を放送します。36試合中11試合ですから依然としてシェアはトップです。宮里藍選手は不在ではありますがベテランも若手もがんばっているので期待しています。

≪ワンセグ放送について≫ (「インターネットサービスと連動4月新番組」についてのリリース参照)
4月はワンセグ放送開始という大きなスタートがあり、連動番組も始まります。当面はサイマル放送なのでデータ放送でテレビ東京らしさを見せられるように工夫していきたいと思っています。視聴率にカウントされなくても、数多くの人に見てもらえるということはいいことだと思います。