辞めない!貴乃花親方 退職願翻意…真相語る

[ 2010年7月6日 06:00 ]

力士の稽古を見つめる貴乃花親方(左)

 辞めません!!元横綱の貴乃花親方(37)が5日、退職騒動の真意を明かした。貴乃花親方は前日、愛知県名古屋市内のホテルで行われた日本相撲協会の臨時理事会で、野球賭博で解雇された貴乃花グループの元大嶽親方(42=元関脇・貴闘力)らが起こした問題の責任を取る形で退職願を提出。しかし受理されなかったため翻意し、今まで以上に弟子育成などの職務に力を注ぐ決意を述べた。

 退職願を出していたことが明らかになった4日の臨時理事会から一夜明け、貴乃花親方はその真意を包み隠さず語った。

 貴乃花親方 私は理事会のメンバーですから、会議の中身に関して私から話すことはできません。ただ、(理事会の話が漏れたことで)どういう気持ちだったかだけはお話しすべきだと思っています。

 臨時理事会に出席した関係者によれば、貴乃花親方は元大関・琴光喜の解雇処分を軽減するよう求めていたがかなわず、会議の終了間際に退職願を提出したという。

 貴 大嶽親方がこれだけのことをしでかしたので、グループの代表として責任を感じていました。ただ、琴光喜は現役の大関。せめて解雇だけは避けられないかと思っていました。警察の捜査では、琴光喜は野球賭博の仲介者から脅迫されていた被害者という話も聞いていました。

 野球賭博で解雇された元大嶽親方は二子山部屋(現貴乃花部屋)時代の兄弟子で、「7人の侍」と自称していた貴乃花グループの中心メンバーだった。今年2月に貴乃花親方が理事選挙で初当選した際も、義父の元横綱・大鵬(納谷幸喜氏)の支持を取りつけるなど中心となって活動。また、元琴光喜は元大嶽親方と仲がよく、理事選で貴乃花親方に1票を投じた1人ともいわれていた。

 貴 力士が犯した罪は土俵で償うべきという思いがありました。十両からでも幕下からでもやり直させる道はないかと考えていました。

 協会関係者によれば、退職願を出した貴乃花親方に対し、武蔵川理事長は「こういう状況だからこそ君がしっかりしなければいけない。退職は無責任すぎる」と慰留。村山弘義理事長代行も「あなたは協会の宝だから」と受け取りを拒否し、翻意を求めたという。

 貴 自分ではけじめをつけるべきだと思っていました。理事会でどのような話があったかは言えません。ただ、これから弟子の指導に今まで以上にまい進し、微力ながら(相撲教習所所長などの)職務に力を注ぐことも責任の取り方だと気持ちを切り替えました。

 この日、三重県桑名市の貴乃花部屋の宿舎の稽古場には、普段と同じように弟子の指導に励む貴乃花親方の姿があった。

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2010年7月6日のニュース