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人間中心設計の国際規格ISO9241-210:2010のポイント
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2013年6月1日 日本人間工学会第54回大会 企画セッション「人間中心設計関連標準化動向とその是非」での発表資料
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人間中心設計の国際規格ISO9241-210:2010のポイント
1.
Copyright © Masaya
Ando 千葉工業大学 デザイン科学科 Chiba Institute of Technology Department of Design 安藤 昌也 ando@sky.it-chiba.ac.jp 人間中心設計の国際規格 ISO9241-210:2010のポイント 日本人間工学会第54回大会 人間中心設計関連標準化動向とその是非 2013年6月1日
2.
Copyright © Masaya
Ando 11 Copyright © Masaya Ando はじめに 1
3.
Copyright © Masaya
Ando 2 Human-centered Design
4.
Copyright © Masaya
Ando 3 2000年4月19日
5.
Copyright © Masaya
Ando 4 ISO13407からISO9241-210へ ISO13407 ISO9241-210 発効年 名称 対象 UX 1999年 2010年 インタラクティブシステムの ためのHCDプロセス インタラクティブシステムの ためのHCD インタラクティブシステム サービスを含む インタラクティブシステム 言及なし UXの定義 UXに関するHCD原則
6.
Copyright © Masaya
Ando 55 Copyright © Masaya Ando ISO 9241-210の概要 2
7.
Copyright © Masaya
Ando 6 ISO9241-210における“人間中心設計” 人間中心設計(2.7) システムの使い方に焦点を当て、人間工学やユーザビリティ の知識と技術を適用することにより、インタラクティブシステム をより使いやすくすることを目的とするシステムの設計と開発 へのアプローチ ● 広範囲な対象製品: 本文では「製品,システム及びサービス」と併記 製品ライフサイクル全域にわたる適応範囲● 「構想,分析,設計,実装,試験及び保守」
8.
Copyright © Masaya
Ando 7 人間中心設計(9241-210)の6つの原則 (4.1) 1. ユーザー、タスク、環境の明確な理解に基づいた デザイン 2. デザインと開発全体へのユーザーの参加 3. ユーザー中心の評価によるデザインの実施と洗練 4. プロセスの繰返し 5. ユーザ体験(UX)全体に取組むデザイン 6. 学際的なスキル・視点を含むデザインチーム 設計プロセス全般にわたってUXを考慮することで よいUXを達成すること(6.4.1)
9.
Copyright © Masaya
Ando 8 人間中心設計活動の相互関係 6.1 一般 – 一度システム、製品又はサービスが特定され、人間中心の開発をするとい う意思決定がされたら、どのようなインタラクティブシステムの設計におい ても、4つの密接に結びついた人間中心設計活動が行わなければならない。
10.
Copyright © Masaya
Ando 9 ISO9241-210の構成 Foreword 前書 Introduction 序文 1. Scope 適用範囲 2. Terms and definitions 用語と定義 3. Rationale for adopting human-centred design 人間中心設計を適用する根拠 4. Principles of human-centred design 人間中心設計の原則 5. Planning human-centred design 人間中心設計の計画 6. Human-centred design activities 人間中心設計活動 7. Sustainability and human-centred design 持続可能性と人間中心設計 8. Conformance 適合条件 Annex A (informative) Overview of the ISO 9241 series 附属書A(参考)ISO 9241シリーズの 概要 Annex B (informative) Sample procedure for assessing applicability and conformance 附属書 B(参考)適用性と適合性を評 価するためのサンプル手順
11.
Copyright © Masaya
Ando 1010 Copyright © Masaya Ando 規格の位置づけと人間工学 3
12.
Copyright © Masaya
Ando 11 9241series: Ergonomics of human-system interaction Part Title 1 Introduction 2 Job design 11 Hardware and software usability 20 Accessibility and human–system interaction 21-99 Reserved numbers 100番台 Software ergonomics 200番台 Human–system interaction processes 300番台 Displays and display-related hardware 400番台 Physical input devices — Ergonomics principles 500番台 Workplace ergonomics 600番台 Environment ergonomics 700番台 Control rooms 900番台 Tactile and haptic interactions
13.
Copyright © Masaya
Ando 12 「5. 人間中心設計の計画」での人間工学の強調 5.1 概要 人間中心設計は、製品のライフサイクルのすべての段階(構 想、分析、設計、実装、試験、保守)について計画され組み込 まれなければならない。 5.2 責任 プロジェクトの計画の責任者は、以下を評価し、プロジェクトに おける人間工学の相対的な重要性を考慮しなければならない。 どのようにユーザビリティが製品、システムまたはサービスの目的と使 用に関連するか 貧弱なユーザビリティから生じるかもしれない、様々なタイプのリスクの レベル 開発環境の特性 本規格は人間工学の実践における マネジメントのためのガイドラインとしての側面がある
14.
Copyright © Masaya
Ando 1313 Copyright © Masaya Ando UX概念の導入 4
15.
Copyright © Masaya
Ando 14 ISO9241-210における定義 注1:ユーザエクスペリンスは、使用前、使用中、使用後に起こる、ユーザの 感情、信念、嗜好、知覚、生理学的・心理学的な反応、態度、達成感の すべてを含む。 注2:ユーザエクスペリエンスは、ブランドイメージ、見た目、機能、システムの パフォーマンス、インタラクティブシステムのインタラクティブな振る舞い と支援機能、事前の経験から生じたユーザの内的および身体的状態、 態度、スキルとパーソナリティ、利用状況の結果である。 注3: ユーザの個人的目標という観点から考えた時には、通常はユーザエク スペリエンスに付随する知覚的・感情的な側面を、ユーザビリティは含 むことができる。ユーザビリティの基準を用いて、ユーザエクスペリエン スの諸側面を評価することができる。 ユーザエクスペリエンス(UX): 製品やシステム、サービスの利用、および/もしくは予想され た使い方によってもたらされる人々の知覚と反応
16.
Copyright © Masaya
Ando 15 人間中心設計(9241-210)の6つの原則 (4.1) 1. ユーザー、タスク、環境の明確な理解に基づいた デザイン 2. デザインと開発全体へのユーザーの参加 3. ユーザー中心の評価によるデザインの実施と洗練 4. プロセスの繰返し 5. ユーザ体験(UX)全体に取組むデザイン 6. 学際的なスキル・視点を含むデザインチーム 設計プロセス全般にわたってUXを考慮することで よいUXを達成すること(6.4.1)
17.
Copyright © Masaya
Ando 16 UXが強調される理由 UXが本規格で強調される理由は、従来の“ユーザビリ ティ”が狭義に解釈される傾向がある点を指摘。 ユーザビリティが使いやすい製品を作ることだけを意味すると いう、よくある誤解がある。 しかし、ISO 9241で使用されているユーザビリティの概念は広 く、利用者の個人的な目標の観点から解釈するとき、ユーザビ リティの概念は、一般的にはユーザーエクスペリエンスと関連 づけられる知覚及び感情的側面も、仕事の満足度と単調さの 解消といった問題と同様に、含むことができる。 UXという新しい概念の導入で,本来のユーザビリティのカバー+ 長期的な観点からシステム利用を捉えることの重要性を示す (4.6より)
18.
Copyright © Masaya
Ando 17 まとめ 9241-210は、人間工学のISOである9241シリーズに位 置づけられたことで、人間工学の諸規格を使用した開 発のマネジメント的規格としての側面が強まった。 各活動の成果物(ドキュメント)についても、“例”として の扱いながら、ISO/IEC 25000シリーズを引用しており、 より総合的、より具体的なガイドを果たそうとしている。 人間工学の側面からも,実際の開発の現場からも,非 常に意欲的な内容を盛り込んだ規格となった。 今後,本規格の理解を促進するような普及活動の展開 が課題。