NHKの看板報道番組「ニュースウオッチ9」(月~金曜後9・0)でリポーターを務める松苗竜太郎アナウンサー(31)が今春、同局を退職して大手電機メーカー、富士通の広報マンに転身することが26日、分かった。将来を期待されたエースアナ候補が、コロナ禍で自らの進路を見つめ直して第2の人生を決断。局内にも驚きの声が上がっている。
キリッとした顔立ちと的確なリポートで活躍する実力派アナ。父はテレビ朝日の元人気アナでアナウンサー養成学校「テレビ朝日アスク」の松苗慎一郎社長(63)というサラブレッドが、意外な人生の選択をした。
複数の関係者によると、25日に31歳になったばかりの松苗アナは、近くNHKを退職。今春、富士通(本社・東京)の広報部に所属することが内定した。情報・報道番組で培ったアナウンス力や旺盛な好奇心、コミュニケーション力を武器に、同社製品の紹介機会や会見に登壇し、司会などを務めることになる。
富士通といえば、パソコンや携帯端末の開発のほか、昨年は理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳」が、計算速度のランキングで世界首位を獲得。東京五輪男子マラソン代表、中村匠吾(28)ら一流アスリートも多数擁しており、「スポーツなど各種イベントでも発信力に期待したい」という声もある。
松苗アナは2012年にNHKに入局。地方局で腕を磨いた後、昨年3月から東京アナウンス室に異動となり、「ニュースウオッチ9」の現場リポーターに抜てきされた。台風中継など不測の事態にも臨機応変に対応できるスキルで、周囲からは「将来のエースアナ候補」と言われてきた。