記憶にも記録にも残る演技で4代目相棒を全うした反町。「これだけ愛されている番組はないと思う」と、国民的ドラマに携われた喜びをかみしめた=東京・六本木
ギャラリーページで見る旅立ちの日が近づいてきた。23日放送のテレビ朝日系「相棒 season20」(水曜後9・0)最終回をもって同シリーズを卒業する俳優、反町隆史(48)。4代目相棒・冠城亘(かぶらぎ・わたる)として、主演の水谷豊(69)扮する天才警部・杉下右京と特命コンビを組んで7年。大先輩の背中を追いかけ、作品の歴史に大きな足跡を残した反町は「50代に向けて新たな自分を探していきたい」。〝相棒魂〟を胸に、一歩を踏み出す。(ペン・宮越大輔 カメラ・長尾みなみ)
相棒を完走した男の表情は感慨に満ちていた。
「終わったことを現実として受け止められない部分がありますね」
クランクアップ翌日に取材に応じた反町。撮影は年間7カ月行われているだけに「生活の一部になっていたので…今はまだほわっとしています」と〝相棒ロス〟をにじませた。
最後の撮影は特命係で右京らと顔を突き合わせる場面。カットが掛かると水谷と花束を贈り合い、力強くハグ。サプライズで駆けつけたレギュラーキャスト陣からも祝福され、頭を下げた。
「昨日ほど水谷さんの顔を見られなかった日はありません。いつもたくさん話しているのに、二言ぐらい。話すと戻されてしまうとお互い分かっていたので」と述懐。水谷からは「ソリ、相棒のためにここまでやってくれてありがとう」とねぎらわれたといい、「涙? もちろん」と小さくうなずいた。
40代を亘とともに歩んできた反町は、モデルを経て1994年に俳優デビュー。20代では主演を務めたフジテレビ系「GTO」などでフレッシュな輝きを放ち、30代では主演映画「男たちの大和/YAMATO」でワイルドな姿を披露。常に「作品との出会い」を大切にしてそのチャンスをつかみ、各世代で存在感を示してきた。
2000年に誕生した「相棒」には15年の「―season14」から加入。初代相棒の寺脇康文(60)、2代目の及川光博(52)、3代目の成宮寛貴(39)に続く4代目として話題を集めたが、オファーを受けた際は悩んだ。